身代わりの花は包愛に満たされる

天宮叶

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お披露目①

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 緊張しながら食堂へと向う。衛兵達の声で賑わっている食堂の入り口で顔を覗かせる。輪の中心で椅子に腰掛けているデューク様を見つけて緊張が増した。

「大丈夫かな?僕変じゃない?」

「大丈夫ですよ。とてもお綺麗です」

 アリアに尋ねると勇気付けるように背をなでてくれた。おかげで少しだけ緊張がほぐれる。一度大きく深呼吸をしてから食堂内へ足を踏み入れた。

「皆さんお疲れ様です」

 声をかけると、視線が一斉に僕の方へ集まる。いつもなら皆「お疲れ様です!」と挨拶を返してくれるのに、今は皆僕を凝視したまま黙り込んでしまっていた。

(やっぱり変だったのかな……)

 不安になりうつむきかけたとき、ガタリと椅子が後ろに下げられる音やけに大きく食堂内に響いた。音の方を見るとデューク様が立ち上がったことがわかり、緊張が増す。

 無言のまま僕の方へ歩み寄ってくる。無表情のせいでなにを考えているのかわからない。

「アルビー」

「デューク様、あの……」

 真紅の瞳が一度だけ僕の全身を確認して細められた。

 周りもデューク様がなにを言うのか気になっているようで、食堂内はとても静かだ。

「その格好はなんだ?」

「……変、でしょうか?」

「…………」

 デューク様の顔を見上げながら尋ねる。けれど返ってくるのは無言ばかりで、返事は一向にない。

「アルビー様、とても綺麗ですよ」

 なにも喋らないデューク様の背後からアルベルトさんが顔を出して褒めてくれた。お世辞かもしれないけれどとても嬉しい。

「まじでアルビー様かよ!やべえ、まじで綺麗だ!」

「天使が来たのかと思ったぜ!」

 アルベルトさんに続いて周りの皆も口々に褒めてくれる。それが恥ずかしくも嬉しいのに、肝心のデューク様だけがいまだになにも言ってくれない。

 それが悲しくて、湧いてきていた自信も萎んでいってしまう。デューク様の隣に並べるような自分になりたかった。それにデューク様にもっと僕のことを好きになってほしかったんだ。

 心臓が嫌な音を立てている。失敗だったのかもしれない。

 皆が褒めてくれることが嬉しい。けれど、デューク様が気に入ってくれなければ意味がない。耐えきれずうつむいてしまう。

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