無能令嬢だと見離された私ですが、美貌の公爵様がなぜか放っておいてくれません

天宮叶

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魔力なしの理由①

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フェリクスと共に、そのまま公爵邸へと向かう。

途中で待機していた馬車に乗せてもらい、ゆっくりと伯爵家から離れる。心が軽くなったように感じたのは気のせいではないのだろう。

「後悔している?」

窓の外を見つめていると、フェリクスが尋ねてきた。窓から視線を外したルーナは、横に首を振ってみせる。

後悔などしていない。ただ、家族の温かみを感じられなかった寂しさは付き纏うのだろう。魔力測定をする前のように、笑みを向け合える日はもう来ない。

「お父様にもお母様にも、もちろんケティにも不幸になってほしいなどとは思っていません。ただ受けた仕打ちも忘れられない。ですから、関わらないことがお互いのためかと……それがどうしようもなく寂しく感じてしまいます」

もう後戻りはできない。

それでも、一度でいいから家族だと認めてほしかった。

「その寂しさを私が埋めてあげたい」

「フェリクス様?」

そっと手を取られる。温かな手に触れられていると、凍えるような寂しさが薄れた気がした。

これも魔法なのだろうか……。

いやきっと、フェリクスの真心がルーナに温もりを与えてくれているのだ。

「夕焼け色の空に浮かぶ星を私はまだ忘れられていないようだ」

「っ……私も同じです」

頬を赤く染め上げたルーナに、フェリクスが微笑みを向けてくれる。その笑みに見惚れていると、手がルーナのプラチナブロンドの髪へと伸びてきた。

ゆっくりと梳くように、手が髪へと差し込まれる。心臓が飛び出てしまいそうなほどに揺れ動いていた。

「にゃーん」

「「っ!」」

聞こえてきた声に二人して動きを止める。

ルーナの横を見れば、いつの間に乗り込んでいたのか、メリーベルが香箱の形に座っていた。

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