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友達
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「は?星野なんかとダチなわけないじゃんww金づるだよ金づるwww」
今でも忘れられない大好きな人の口から飛び出した言葉が俺の頭の中で反響する。
真っ暗な闇の中で沢山の人の笑い声が響いていた。
「っ、うわああ!!」
不快な笑い声に飛び起きると俺ははぁはぁと息を吐き出して呼吸を落着けるように胸に手を当てた。
「夢、か」
この悪夢にうなされて飛び起きるのも何回目になっただろう……。
高校3年の卒業間近、いつも通りに仲のいいヤツらとつるんで話をしていたとき俺だけ用を足しに席を外した。
トイレから帰ってきた俺は楽しそうに話をしている輪の中に戻ろうと閉まっていた教室の扉に手をかけたんだ。
「てか、沢渡っていつも星野と一緒にいるよなあいつそんなにおもしろいか?」
聞こえてきた声に扉を開けようとしていた手が止まる。グループ内で1番俺と仲のいい貫君の声。それから彼にコバンザメみたいにいつもくっついている佐古田の声だ。
その言葉に反応するように貫君が吹き出すように笑ってやめろよwwwって言うのが聞こえてきた。
「は?星野なんかとダチなわけないじゃんww金づるだよ金づるwww」
「だよなーwwwwあいつ金だけは持ってるもんなww」
「なんたってあの星野グループの息子だもんなww」
聞こえてくる笑い声に手足が急激に冷えていく感覚がして、心臓が嫌な音を立てて軋む。
ズキズキと痛む心臓を押さえつけて、俺は掴んでいた扉を思い切り開いた。
突然入ってきた俺に貫君達が一斉に視線を向けて、しまったって顔をした。それに気付かないふりをして俺は無理矢理笑顔を作る。
「いや~まいったまいった。トイレ行ったら全部埋まってて1階まで行くはめになったよ。」
「お、おお、お疲れ」
貫君が少しどもりつつ俺の話に乗っかって、他のメンバーも焦りつつ話を合わせてきた。そんな皆の態度を今でも思い出してはこうして夢を見る。
皆とは就職やら進学やらで卒業してからは会っては居ないけれど仲の良かった奴等から、特に貫君から言われたあの言葉だけは今もトラウマとしてこうやって俺の傍にずっと寄り添っている。
「……まじで寝れん……」
時計を見るとまだ夜中で起きるには早すぎるし、かといって寝付きの悪い俺は二度寝するのも一苦労だ。
卒業してもうすぐ1年が経とうとしているけど未だに貫君からあんな言葉が出たことが信じられない俺は本当に馬鹿だと思う。
俺は当時密かに貫君のことが好きだったからあの言葉は本当にショックだった。昔から同性にしか恋愛感情を抱くことの出来なかった俺は高校入ってから俺に優しくしてくれた貫君のことをすぐに好きになった。
それからずっと淡い恋心を抱いていたんだけど、それもあの日に呆気なく砕け散った訳で…。
昔っから俺の周りには俺の持ってる金目当てのやつばかりが集まって、俺が金を出すのをやめると直ぐに離れていった。
でも、貫君だけは俺が金を出さなくてもずっとダチで居てくれたしたまに奢ってくれたりもしてくれたから本当に信じてたのにな。
「今日も寝不足決定だな」
布団を頭から被ってギュッと目をつぶってみるけど、やっぱり寝れなくて俺は一睡も出来ないまま朝になるのを待つことになった。
今でも忘れられない大好きな人の口から飛び出した言葉が俺の頭の中で反響する。
真っ暗な闇の中で沢山の人の笑い声が響いていた。
「っ、うわああ!!」
不快な笑い声に飛び起きると俺ははぁはぁと息を吐き出して呼吸を落着けるように胸に手を当てた。
「夢、か」
この悪夢にうなされて飛び起きるのも何回目になっただろう……。
高校3年の卒業間近、いつも通りに仲のいいヤツらとつるんで話をしていたとき俺だけ用を足しに席を外した。
トイレから帰ってきた俺は楽しそうに話をしている輪の中に戻ろうと閉まっていた教室の扉に手をかけたんだ。
「てか、沢渡っていつも星野と一緒にいるよなあいつそんなにおもしろいか?」
聞こえてきた声に扉を開けようとしていた手が止まる。グループ内で1番俺と仲のいい貫君の声。それから彼にコバンザメみたいにいつもくっついている佐古田の声だ。
その言葉に反応するように貫君が吹き出すように笑ってやめろよwwwって言うのが聞こえてきた。
「は?星野なんかとダチなわけないじゃんww金づるだよ金づるwww」
「だよなーwwwwあいつ金だけは持ってるもんなww」
「なんたってあの星野グループの息子だもんなww」
聞こえてくる笑い声に手足が急激に冷えていく感覚がして、心臓が嫌な音を立てて軋む。
ズキズキと痛む心臓を押さえつけて、俺は掴んでいた扉を思い切り開いた。
突然入ってきた俺に貫君達が一斉に視線を向けて、しまったって顔をした。それに気付かないふりをして俺は無理矢理笑顔を作る。
「いや~まいったまいった。トイレ行ったら全部埋まってて1階まで行くはめになったよ。」
「お、おお、お疲れ」
貫君が少しどもりつつ俺の話に乗っかって、他のメンバーも焦りつつ話を合わせてきた。そんな皆の態度を今でも思い出してはこうして夢を見る。
皆とは就職やら進学やらで卒業してからは会っては居ないけれど仲の良かった奴等から、特に貫君から言われたあの言葉だけは今もトラウマとしてこうやって俺の傍にずっと寄り添っている。
「……まじで寝れん……」
時計を見るとまだ夜中で起きるには早すぎるし、かといって寝付きの悪い俺は二度寝するのも一苦労だ。
卒業してもうすぐ1年が経とうとしているけど未だに貫君からあんな言葉が出たことが信じられない俺は本当に馬鹿だと思う。
俺は当時密かに貫君のことが好きだったからあの言葉は本当にショックだった。昔から同性にしか恋愛感情を抱くことの出来なかった俺は高校入ってから俺に優しくしてくれた貫君のことをすぐに好きになった。
それからずっと淡い恋心を抱いていたんだけど、それもあの日に呆気なく砕け散った訳で…。
昔っから俺の周りには俺の持ってる金目当てのやつばかりが集まって、俺が金を出すのをやめると直ぐに離れていった。
でも、貫君だけは俺が金を出さなくてもずっとダチで居てくれたしたまに奢ってくれたりもしてくれたから本当に信じてたのにな。
「今日も寝不足決定だな」
布団を頭から被ってギュッと目をつぶってみるけど、やっぱり寝れなくて俺は一睡も出来ないまま朝になるのを待つことになった。
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