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友達
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大丈夫だと高を括ってたけど全然大丈夫じゃなかったかもって今ごろ気づく。
「なにしたいか決めておいてね」
「なに、?」
「友達になって欲しいんでしょ」
「あ…はい。わかりました」
俺とは違って余裕そうな笑みをずっと顔に浮かべている月見さんがテーブルに置いてある飲みかけのワインをまた口に含んだ。
それを目で追いながら、そんなに飲んでまたキスされないかなって無意識に思ってしまう。
思った後で、なんだかキス待ちしてる奴みたいだなって自分で自分が恥ずかしくなって月見さんから視線を外して俺も手元にあったテキトーな酒を手に取った。
「君はだめ」
俺が手に取った酒を月見さんがサッと奪って自分の目の前に置いた。
「何するんすか」
「顔真っ赤だよ。つまみでも食べて今日はもう飲まない方がいいんじゃない?」
心配してくれてるのか自分は飲むくせに俺の酒を奪って返してくれない。
俺がほかの酒を手に取るとまた奪って自分の方に引き寄せるから、少しづつ月見さんの近くだけに酒が集まっていく。
遠目から見ると1人でめちゃくちゃ飲む人みたいに見えてなんだかそれが面白く感じて、思わず吹き出した。
「何笑ってるの?」
不思議そうに首を傾げられてそれが更に笑いに油を注いでいく。
「あー……腹いてえ……。月見さん見た目だけなら酒豪っすね。」
「意外といけるかも。限界に達したことないから」
「その細いお腹のどこにその量入るんですか」
酔ってるからパーソナルスペースとか何も考えずに月見さんの細いお腹をポンポン触りながら言うと、月見さんが俺の手と俺の顔を交互に見比べてから手に持っていたワイングラスをテーブルに置いた。
コツンってグラスがテーブルと接する音がやけに大きく耳に届く。
ふわふわゆらゆらと世界が回っていて俺酔ってるなーって思いながらベタベタと月見さんの腹回りを触り続ける。
「…わざとやってる?」
「えー??」
「今更酔いが回ってきたの?…お酒飲みたい?」
「うーん、ダメって言うじゃないですかー」
あー、ぽわぽわするし身体が熱いし、これ完全に酔いが回ってきてるかも。
「……口開けて。」
「んー?、あーー」
わけも分からないまま言われた通り口を開けると月見さんがまた俺にキスをしてきて、トロリとワインが口移しで俺の口の中に移動してくる。
それをゴクリと飲むと、一気に視界がクラりと揺れて背中がまたソファーにくっつく感覚がした。
「止めてあげようと思ったのに煽ったのは君だからね」
ぼやける視界の中で月見さんが何かを言ったのだけが分かって、俺は回らない思考の片隅でこれ朝起きたら後悔するやつだって思った。
「なにしたいか決めておいてね」
「なに、?」
「友達になって欲しいんでしょ」
「あ…はい。わかりました」
俺とは違って余裕そうな笑みをずっと顔に浮かべている月見さんがテーブルに置いてある飲みかけのワインをまた口に含んだ。
それを目で追いながら、そんなに飲んでまたキスされないかなって無意識に思ってしまう。
思った後で、なんだかキス待ちしてる奴みたいだなって自分で自分が恥ずかしくなって月見さんから視線を外して俺も手元にあったテキトーな酒を手に取った。
「君はだめ」
俺が手に取った酒を月見さんがサッと奪って自分の目の前に置いた。
「何するんすか」
「顔真っ赤だよ。つまみでも食べて今日はもう飲まない方がいいんじゃない?」
心配してくれてるのか自分は飲むくせに俺の酒を奪って返してくれない。
俺がほかの酒を手に取るとまた奪って自分の方に引き寄せるから、少しづつ月見さんの近くだけに酒が集まっていく。
遠目から見ると1人でめちゃくちゃ飲む人みたいに見えてなんだかそれが面白く感じて、思わず吹き出した。
「何笑ってるの?」
不思議そうに首を傾げられてそれが更に笑いに油を注いでいく。
「あー……腹いてえ……。月見さん見た目だけなら酒豪っすね。」
「意外といけるかも。限界に達したことないから」
「その細いお腹のどこにその量入るんですか」
酔ってるからパーソナルスペースとか何も考えずに月見さんの細いお腹をポンポン触りながら言うと、月見さんが俺の手と俺の顔を交互に見比べてから手に持っていたワイングラスをテーブルに置いた。
コツンってグラスがテーブルと接する音がやけに大きく耳に届く。
ふわふわゆらゆらと世界が回っていて俺酔ってるなーって思いながらベタベタと月見さんの腹回りを触り続ける。
「…わざとやってる?」
「えー??」
「今更酔いが回ってきたの?…お酒飲みたい?」
「うーん、ダメって言うじゃないですかー」
あー、ぽわぽわするし身体が熱いし、これ完全に酔いが回ってきてるかも。
「……口開けて。」
「んー?、あーー」
わけも分からないまま言われた通り口を開けると月見さんがまた俺にキスをしてきて、トロリとワインが口移しで俺の口の中に移動してくる。
それをゴクリと飲むと、一気に視界がクラりと揺れて背中がまたソファーにくっつく感覚がした。
「止めてあげようと思ったのに煽ったのは君だからね」
ぼやける視界の中で月見さんが何かを言ったのだけが分かって、俺は回らない思考の片隅でこれ朝起きたら後悔するやつだって思った。
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