最強暗殺者は落ちこぼれ学園生

りう

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五話

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「なあ、レアン、ここって何?」
テストまであと一週間。レアンはディランの部屋で勉強をしていた。
ディランの部屋はあちこちに書類だのなんだのが散乱していて散らかっている。、
レアンは問題集を解いていた手を休め、そちらを見た。
「ああ、そこ。意外とかんたんだよ。でもね、発想が囚われている人は間違いやすいんだ」
「へえー……って、どうやるの?」
「えぇっとね……」
そして教え始める。
「この計算式はまとめるんだ。」
「まとめる……」
「うん。そのまま計算したら計算がすごく難しくなる。でも、式の中にに同じ部分があるでしょ」
しばらく考えていたディランは、ばっと顔を上げ、言った。
「あぁ、そういうことか!この6x+2が2つあるってことね!」
「そういうこと」
「……で?次は?」
「そこを違う文字、例えば、Aに置き換えるんだ。」
「へえぇ、そんな考え方があったなんて」 
平和に時間が過ぎていく。
すると部屋の外が騒がしくなった。
「……?なんだろう」
そう言うとディランが部屋を出ると顔を青ざめさせた。
「なんか剣持っている人がいるんだけど!!」  
「……え?剣?」
ここは魔術師の育成学校。剣なんて持っている人はいない。
レアンが外を見て、その人たちの姿を確認した途端
、レアンはドアを閉めた。
「どうした?……もしかしてあいつら、やばい奴?」
顔を青ざめて聞くディランにレアンは言った。 
「いや、そういう意味ではやばくない。ただ、僕のことなら危ない」
「……は?」
「王宮からの使いだ。多分任務かなにかだろうな……」
するとディアンが苦笑いをした。
「確かに、危ないな、レアンの本当の身分がばれちゃいそうだ……」
「そういうことだ」
するとドアが叩かれた。
レアンがドアを開ける。
「なんの用でしょう」
すると使いが行った。
「レアン殿でしょうか」
「はい」
いつもは「レアン様」か、「オルドーラ様」なので今のレアンの境遇を知っているのだろう。
「あなたのお父様の件でお話が」
「……なるほど、行きましょう」
部屋から出る前にディアンが言った。
「がんばれよ、『闇の暗殺者』さん」
「それやめろって何回言ったかな?」
ディランは笑顔だが、これからレアンがするのは、他人と自分の命を懸けた殺し合い。ディランの笑顔がいつもより硬い。
「心配するな、失敗したのは一回だけだ。誰かさんに邪魔されたおかげでな」
「言ったなぁー、じゃあ一週間で帰ってこなかったらたとえ生きていたとしても、名前言いふらしてやる」
「ずいぶん長いな、4日でいいんだぞ?」
「じゃ、そうするか……頑張れよ、レアン」
レアンはディランと拳をぶつけ合う。
そして使いの人のところに行った。一緒に歩く。
「今回は?」
小声で聞く。
「この人です」
そう言ってそっと紙を渡してくる。それを一瞬みる。
「本当にいいのか?」
「なにがでしょう」
「この人、公爵で、側近だ。陛下にとって大事な人だろ?」
ここに書かれていたのは国王の側近であり、公爵のテオドール・ジーゲルだ。
「ええ、だからこそ、です。公爵は陛下に毒を盛り、体調を崩させてから、政治を牛耳ろうとしているのです」
「なるほどな。ちなみに、そんな情報はどこから?」
「公爵家に密偵を送り込ませたようです」
「へぇ……」
「分かった。3日欲しい」
すると使いの人が目を丸くした。
「本当にそれだけで?陛下は最大2週間、と言っていましたが」
「充分だ」
「了解しました」
そして校門前に到着する
レアンは深く息をすって、王宮の近くにある公爵の屋敷を見上げた。
そして使いの人を校門前に残し、走って行った。
途中からは身体強化魔法を使い、屋根に飛び乗って。
きれいに晴れた夜空がレアンの影を写す。
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