最強暗殺者は落ちこぼれ学園生

りう

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六話

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「よいしょっと……」
そう言って屋根から降りたレアンがいるのはテオドール・ジーゲル公爵の屋敷の蔵。
毎回ターゲットの蔵に行き、その犯罪に直結する書類やなにやらを探すのだ。
なぜなら、たまにあるのだ。
レアンに人殺しをさせ、魔術師をやめさせるためるために無罪の人を殺させる、ということが。
蔵を探す。
「やっぱりな……」
奥の奥にあったのは、犯罪を示唆する書類。
しかしそれは偽物だろう。
「テオドール公爵の印がない」
（でも、単純すぎる気がするなあ…）
一瞬そう思ったが、今迷っても仕方がない、と思い、言った。
「さて、帰ろう」
これは偽物、そう確信しながらも、どこかもやもやしたまま寮に帰った。

「行きましたよ、ボス。見事に引っかかりました」
男が言う。
「よし。よくやった。苦労してジーゲルの蔵に書類を忍び込ませたかいがあった」
そういう声は中性的な声。
「しかし、さすがボスだ。相手の行動を裏手に取るなんて」
「ああ、任務を失敗させればいいのだ。そうすればあれの評価は下がるからな」
「じゃあ、計画続行ですね」
「ああ、よろしく頼む」
そして男が下がり、ボスと呼ばれた人、一人だけが残る。
「ふふふ……私があんな子供にいつまでもペコペコしていると思うなよ……」
そしてニヤリと笑い、
「魔術師最強はこの私だ……」

翌日、レアンが一人でつぶやいていた。
「うーん、でもわざとらしいのが気になるなぁ」
そして首を傾げる。
「罠……なのか？」
そしてドアまで歩いていく。そして開けると同時に言う。
「どう思う？ディラン」
「は？！」
ドアの前では通り過ぎようとしといたディランがいた。
「レ、レアン？！」
「おはよう」
「お、おう」
そして周りを見て誰もいないことを確認すると、小声で言った。
「お前、任務は？」
「昨日は終わり。でも気になることがあって……」
「なんだ？」
ディランを中に招き入れ、ことを説明した。
「……なるほど……」
そして少し考えると、言った
「あくまで俺の見解というか直感なんだけど…… 罠なんじゃないかな、って思った」
「やっぱりな……」
レアンは難しい顔で頷くと、ディアンに言った。
「ディランに校長先生の監視を頼みたい」
「いや、僕だったらすぐバレるよ」
僕は首を振る。
「いや、僕はお前と初めて会ったとき、気配さえも気づかなかったんだ」
安心させるように言う。
しかし、ディランは納得がいかないようだった。
「それよりもなんで校長先生？あの人、いつも良くしてくれるじゃん」
レアンは頷く。
「でも僕の身分を知っている。なら警戒するのも仕方がないだろう？」
「まあ、そうだろうけど……」
なにか言いたげだったが、それを飲み込むと、ディランはしっかり頷いた。
「わかったよ。やれるだけやってみる」
「ありがとう」
するとディランは立ち上がり、言った。
「じゃ、俺はもう行くわ。レアンは今日、休み？」
「当たり前だろ？任務と学校同時並行はなかなかきついぞ」
「……だね。じゃ！」
そして笑みを浮かべて去っていく。
レアンはまた調べることが増えて、思った。
「こりゃあ、3日で終わらないな……」
こんな事になると分かっていたら「3日でいい」といわなかったのだが。
そうしてしばらく。
授業始まりの鐘がなった。
「面倒くさくなったなぁ……」
レアンはそうつぶやき、立ち上った。そして調査を始めるため、寮の窓から外に出た。

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