最強暗殺者は落ちこぼれ学園生

りう

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八話

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「え……？」
一瞬固まった。
「校長先生の……」
ハンナ・ローガン。
レアンの学校の校長先生。そしてレアンが信頼している者の一人だった。
「ああ、そうだ。間違いなく、この字はハンナだ」
「うそ……」
「後悔するな、と言っただろ？」
「……あ、は、はい」
深呼吸して自分を落ち着ける。
「いいか、今回の件は大体の確率でハンナが関わっている。ということは今回の件のターゲットはハンナだ」
「……はい」
「陛下に遅れるとの旨を伝え、期間を伸ばしてもらえ」
「……はい」
レアンは未だに覚悟を決められていなかった。
信頼している先生と対立することが。
あの先生がレアンを陥れようとしているということが未だに信じられないのだ。

その話をドアの前で聞いている人がいた。
名はセレナ・ボクサ。
ここのスラムの住人の一人。
「全く……レアン君と対立する事になるなんてね……」
ふう、とため息をつくセレナ。
「けれど憎まないでね。私たちの生活がかかっているの」

「じゃあ、長老、ありがとうございました」
子どもたちにくっつかれているレアンが言った。その笑顔はどこか暗い。
すると長老はレアンのおでこを指で弾いた。
「いっ！」
おでこを押さえる。
何が起こっているかわからない子どもたちはレアンが混乱している。
「じゃ、がんばれよ、レアン」
「……はい、」
まだ暗いレアンに長老はまた指を弾いた。
「っ痛！」
そして低く長老を睨む。
「どうするかはお前次第だ。……ただ一つアドバイス」
そしてレアンを見て、優しく笑った。
「お前が正しいことと思ったことを貫きなさい」
レアンはそんな自分の師匠をぽかんと見ていた。
「……はい」
レアンもニコリと笑う。
「頑張ります」
その顔は先程よりは明るかった。
「なんの事ー？」
「なんで長老にデコピンされたのー？」
「なんか悪いことしたのー？」
「だめだよ、悪いことしちゃ」
その後レアンは子どもたちにそう追求され、言い訳をつくのが大変だった。

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