最強暗殺者は落ちこぼれ学園生

りう

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九話

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レアンは自分の部屋でため息をついた。
「はぁ……」
なんでこんなことに……
ずっとそう思っていた。
レアンは気配を感じ、外に出る。
廊下を歩き、端っこの部屋のドアを叩く。
「……ふぁーい、……どなたですかぁー？」
寝ぼけた声。
「ディラン、おはよう。レアンだよ」
そして少しの沈黙。
そしてドアが開いた。
ディランがパジャマを着たまま立っていた。茶色の髪には寝癖がついている。
「おはよう、レアン。もしかして任務終わった？」
レアンは沈黙。
その沈黙を肯定と見たか、嬉しそうに言った。
「良かった！じゃあ、先生は犯人じゃなかったんだ！」
レアンは首を振った。
「……え？なに？レアン」
「犯人は、先生だよ」
「え……」
混乱するディラン。
「うそ……」
「僕も最初そう聞いてから混乱した。でも、恐らく先生はかなりの確率で今回の件で関わっている」
「……で、でもそんなこと、ありえないよ。先生は校長先生としてかなり忙しかったはず。こんな計画、できないよ！」
「……僕もそう思った。でも、先生は魔術師だ。おまけに先生は人気が高い。自分で計画して、他の人に実行させることは容易い……と思う」
「これからレアンはどうするの？」
「分からない。でも先生を見張る必要はある」
「だから、ディランに、もう少し監視してほしい」
「レアンは？」
レアンは笑った。
「当たり前だろ、任務だよ。でも、今日一日は学校に行くことにするよ」
「……え？なんで？」
レアンは意外そうに首を傾げた。
「当たり前だろ、あと一週間くらいでテストがあるんだよ？ディランの勉強を見てみよう、と思ったんだ」
ディランは一瞬首を傾げたが、すぐに思い出すと叫んだ。
「……あ、そうだった！」

七時半。ディランとレアンはフローラを待っていた。
「あ、おはよう！もう、最上階はやだなぁ。疲れたよ。あ、今日はレアンくんもいるんだ。よろしくね！」
「うん。よろしく」
「いやー、レアンくんとできるなんて光栄だなぁ」
レアンは首を傾げた。
「なんで？僕、落ちこぼれだけど」
フローラは笑顔になるといった。
「それがあなたの本当の実力じゃないことぐらい、わかるよ」
レアンは無表情。ディランはフローラに聞いた。
「なんで？」
「わたし、魔力感知が大の得意で。思わず」
レアンは意外そうに目を丸くした。
「僕、魔力を抑えていたんだけど」
「最初は全くわからなかった。けど、ディランくんといるときにすぐ横を通ったの。その時、魔力を抑えてなかったでしょ？……わたし、身震いしたのよ。こんなに多い魔力、感じたことがない。で、わかったのレアンくんは魔術師だって」
「なんで……」
「母が、魔術師だったから」
レアンは沈黙した。
「母と同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上の魔力。すごかった……」
すると、ディランが余計な一言を。
「レアンが学校で本当の魔力を開放したこと、ないと思うよ」
フローラが固まる。
「うそ……」
するとディランが得意げになる。
「それにレアンは『闇の暗殺者』……いててててっ！」
最後のディランの悲鳴は、レアンがディランな耳を引っ張ったためである。
しかし運が悪いことにフローラがレアンの実力を知ってしまった。
「や、闇の暗殺者？！うそ！」
レアンはため息を付き、言った。
「行かないなら今日の朝練はなしにするぞ」
「ま、待てよ、行くよ！」
「わ、私も行く！」
そして隣に来たディランにレアンがそっと聞いた。
「タイラーはなにか文句言ってた？」
「言いづらいけど……うん。ずっと言ってたよ……」
レアンは今日、登校したときのタイラーからの暴言の嵐を想像して、そっとため息をついた。

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