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さらば我が矜持。
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「何、ぼーーっとしているんだね、修哉君。恋煩い?」
「いんや。例のラノベのこと考えてたわ。」
あ、昨日の夜に限定ss読んで発狂してから記憶ないわ、どうやって学校来たんだっけ。声かけられるまで、まじで意識とんでた。……それはおいといて、言葉の選び方がいつもウザいんだよな、マサさんや。
「推し活ね~。……お前ののめり込み具合はこっちが見てて怖いわ。ハマりすぎて日常生活をお死活にするのだけは気を付けろよー。」
「余計なお世話だっつの。それと地味に上手くて笑ったわ。」
「だろ。まあヒロインが一挙手一投足可愛いもんな、夢中になるのも納得だよ。お前の話聞いて、少し読んでみたんだ。それで……。どっちの方が可愛いんだ、ヒロインと例の店員。」
「ッッッ!声でかいて、教室で店員さんの話は極力NGで頼む。……というか、ラノベの内容うんぬんより、その質問したいがために読んだだけだろ。」
「勘のいい修哉くんは嫌いだねえ。まあ否定はしない。」
「ハァ……。俺はヒロインも好きだよ。けど、作者さんの文章が凄すぎてさ。読んでて本当に引き込まれる感じなんだよな。」
「論点ずらしたな、質問の答えになってないよお兄さん。ん、っておおハっちゃん、おはよう。」
「おう、マサ。んで俺も修哉に聞きたくて来たんだけど。昨日行ったんだろ?どうだったん、でかい?例の店員さんの。」
「お黙んなさい。」
途中までは高校生の日常というかVlogというのかしらんがそんな些細なことしか話してなかったのに最後の質問は爆弾にもほどがある。一応ここ教室やぞ、女子にバレてなければいいのだが。こういう時だけ察し良いんだよなお嬢さん方。
それはそうとして。学校でこんな他愛もない話ができるのは中学からの腐れ縁の、マサって呼んでる東城雅樹そしてエイトは8だからハっちゃんって呼んでる石田英斗くらいなのだ。日頃から感謝してる。ん、俺はあだ名ないのかって?良いのが昔から見つかってないんだよ。最近シュ●ちゃんって言われたけどしっくりこなかったし。絶賛募集中ですー。
◇
放課後、下校途中にて。
「……そっかー。またしても特典は手に入らずじまいと。まあでもまた店員さんと会えたんでしょ。良かったじゃないすか。あっちは修哉のこと”可哀そうなお客さん”と思ってそうだけど。」
「その”可哀そう”は同情じゃなくて憐みに聞こえるのだが。」
「ん、じゃあまた新刊来たら、特典狙いつつ、店員さん見て目の保養するわけね。……今度俺も行こうかな。どのくらい大きいか気になるし。」
「目線がどこに向かうのか今からでも予想つくわ。というか次回だけは必ず俺だけで行かせてくれ。」
「いや、さっきの冗談よ、学校終わってすぐ都内はハードワークだから今まで一度も付いてってないだろ。ん、というか“次回だけは”ってどゆこと?」
「それな、ハっちゃん。修哉、なんか次回に向けて計画してるん、俺らには見られたくないこと的な。」
「マサ。もしかしてお前気づいてる?」
「朝の時点でね。言っただろ。恋煩いかって。ラノベの内容に夢中だったら、いつものお前はその凄さを俺らに語りかけてくるのに今回なかったから察したわけ。」
「え、それって。高嶺の花にはアタックしても結果は変わらないって毎回言ってる修哉が?」
「……、俺告るわ。粉砕前提で。気持ちだけ知ってもらうことにするよ。」
「……それはまたどのような心の変化が?」
「初めて会ったときからあの子のこと気になっててモヤモヤしていてさ。そんなときに例のラノベが教えてくれたんだ。大事なこと。」
そう告げて俺は無我夢中で自宅へと駆け抜けていった。その後2人から散々に冷やかしてくるかと思いきや、グループラインで応援メッセージを貰った。ありがたい。
親友たちから力を受け取り、いざ。俺は次回の新刊に向けて瞑想していた。うん。次の発売日まで時間ありすぎて、これからその日までずっと緊張してそう。
「いんや。例のラノベのこと考えてたわ。」
あ、昨日の夜に限定ss読んで発狂してから記憶ないわ、どうやって学校来たんだっけ。声かけられるまで、まじで意識とんでた。……それはおいといて、言葉の選び方がいつもウザいんだよな、マサさんや。
「推し活ね~。……お前ののめり込み具合はこっちが見てて怖いわ。ハマりすぎて日常生活をお死活にするのだけは気を付けろよー。」
「余計なお世話だっつの。それと地味に上手くて笑ったわ。」
「だろ。まあヒロインが一挙手一投足可愛いもんな、夢中になるのも納得だよ。お前の話聞いて、少し読んでみたんだ。それで……。どっちの方が可愛いんだ、ヒロインと例の店員。」
「ッッッ!声でかいて、教室で店員さんの話は極力NGで頼む。……というか、ラノベの内容うんぬんより、その質問したいがために読んだだけだろ。」
「勘のいい修哉くんは嫌いだねえ。まあ否定はしない。」
「ハァ……。俺はヒロインも好きだよ。けど、作者さんの文章が凄すぎてさ。読んでて本当に引き込まれる感じなんだよな。」
「論点ずらしたな、質問の答えになってないよお兄さん。ん、っておおハっちゃん、おはよう。」
「おう、マサ。んで俺も修哉に聞きたくて来たんだけど。昨日行ったんだろ?どうだったん、でかい?例の店員さんの。」
「お黙んなさい。」
途中までは高校生の日常というかVlogというのかしらんがそんな些細なことしか話してなかったのに最後の質問は爆弾にもほどがある。一応ここ教室やぞ、女子にバレてなければいいのだが。こういう時だけ察し良いんだよなお嬢さん方。
それはそうとして。学校でこんな他愛もない話ができるのは中学からの腐れ縁の、マサって呼んでる東城雅樹そしてエイトは8だからハっちゃんって呼んでる石田英斗くらいなのだ。日頃から感謝してる。ん、俺はあだ名ないのかって?良いのが昔から見つかってないんだよ。最近シュ●ちゃんって言われたけどしっくりこなかったし。絶賛募集中ですー。
◇
放課後、下校途中にて。
「……そっかー。またしても特典は手に入らずじまいと。まあでもまた店員さんと会えたんでしょ。良かったじゃないすか。あっちは修哉のこと”可哀そうなお客さん”と思ってそうだけど。」
「その”可哀そう”は同情じゃなくて憐みに聞こえるのだが。」
「ん、じゃあまた新刊来たら、特典狙いつつ、店員さん見て目の保養するわけね。……今度俺も行こうかな。どのくらい大きいか気になるし。」
「目線がどこに向かうのか今からでも予想つくわ。というか次回だけは必ず俺だけで行かせてくれ。」
「いや、さっきの冗談よ、学校終わってすぐ都内はハードワークだから今まで一度も付いてってないだろ。ん、というか“次回だけは”ってどゆこと?」
「それな、ハっちゃん。修哉、なんか次回に向けて計画してるん、俺らには見られたくないこと的な。」
「マサ。もしかしてお前気づいてる?」
「朝の時点でね。言っただろ。恋煩いかって。ラノベの内容に夢中だったら、いつものお前はその凄さを俺らに語りかけてくるのに今回なかったから察したわけ。」
「え、それって。高嶺の花にはアタックしても結果は変わらないって毎回言ってる修哉が?」
「……、俺告るわ。粉砕前提で。気持ちだけ知ってもらうことにするよ。」
「……それはまたどのような心の変化が?」
「初めて会ったときからあの子のこと気になっててモヤモヤしていてさ。そんなときに例のラノベが教えてくれたんだ。大事なこと。」
そう告げて俺は無我夢中で自宅へと駆け抜けていった。その後2人から散々に冷やかしてくるかと思いきや、グループラインで応援メッセージを貰った。ありがたい。
親友たちから力を受け取り、いざ。俺は次回の新刊に向けて瞑想していた。うん。次の発売日まで時間ありすぎて、これからその日までずっと緊張してそう。
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