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第78話 涙の謝罪
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―――その時は
始業日を待たずともやって来た…
冬休みも残すところ2日というところ。
今日はカーター侯爵様とそのご令嬢であるライラ様が謝罪をしに来ることになっている。
侯爵様の耳に噂が届いたのだろうか?
例の"虫もどき混入騒動"の件で、
数日前に急ぎの謝罪状が届き…
面会の申し入れを許可したのだった。
―――トントンッ…
「皆様。カーター侯爵とそのご令嬢が到着いたしました。」
メイドのマリアから到着の知らせを聞き、
すぐに家族みんなで客間へと向かった。
―――スンッ…スンッ…グスッ…
客間に入ると、
ライラ様はすでに泣いている状態だった。
きっと侯爵様にもこっぴどく叱られ、
ここに来る間も厳しく咎められたに違いない。
あの自信満々な様子は見る影もなく、
どんよりと顔は青ざめ衰弱し、
目の周りはボロボロになっていた。
『反省、したんだろうな…』
誰が見てもそれは分かり、
「講義をする!」と意気込んでいたお父様もお兄様も、そしてお母様も、
いまでは逆に哀れんでいるようだった。
「こ、この度は、我が愚女が…
ニコル様に多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした!
これは立派な営業妨害であり、下劣な行為であり…なんと申し上げたらっ…
如何なる判断も受け入れる次第ですっ…」
普段はあれだけ着飾っているライラ様だ。
侯爵様もきっと大層可愛がっているに違いない。
それでも非はしっかりと認めて、
下の爵位であるわたしたちにも
娘のために深々と頭を下げている。
辛いだろうな…
「スンッ…当人の、わっ、わたくしからも謝罪させてくださいませっ…ウッ…すべてわたくしがいけないのです。つっ、つまらぬ嫉妬心から、とんでもないことを。もうしわけ…ございません。」
ラ、ライラ様…!
謝るなんて絶対プライドが許さないはずなのに、よく謝った!
もう、一言一言を聞きながら拳を握り、
いつの間にか『がんばれ~』と応援していたわたしは、感動さえ覚えていた。
大体、上級貴族様がこんなふうに謝ることも
かなり珍しいのだ。
侯爵様、やるじゃん!とさえ思う。
『さて。たしかにあの時はムカッとしたけど…もう言うことはないだろう。』
心の底からの謝罪を受けたわたしは、
特にそれ以上なにも言う気にはならなかった。
お父様もお母様もお兄様も、
わたしと同じ気持ちなのか
わたしに判断を委ねてくれているようだ。
「侯爵様、ライラ様…お顔をおあげ下さいませ。心からの謝罪を受け取りました。わざわざご足労までいただき、ありがとうございます。これ以上大事にはしたくありませんわ!」
わたしはそう言うと、控えていたマリアに声をかけ、支度をするように伝えた。
「侯爵様、ライラ様。
お茶にいたしましょう!
おふたりに、お菓子を作ったのです。
召し上がっていかれませんか?」
そう言うと、
今度は侯爵様もライラ様も
2人して泣いてしまわれた。
始業日を待たずともやって来た…
冬休みも残すところ2日というところ。
今日はカーター侯爵様とそのご令嬢であるライラ様が謝罪をしに来ることになっている。
侯爵様の耳に噂が届いたのだろうか?
例の"虫もどき混入騒動"の件で、
数日前に急ぎの謝罪状が届き…
面会の申し入れを許可したのだった。
―――トントンッ…
「皆様。カーター侯爵とそのご令嬢が到着いたしました。」
メイドのマリアから到着の知らせを聞き、
すぐに家族みんなで客間へと向かった。
―――スンッ…スンッ…グスッ…
客間に入ると、
ライラ様はすでに泣いている状態だった。
きっと侯爵様にもこっぴどく叱られ、
ここに来る間も厳しく咎められたに違いない。
あの自信満々な様子は見る影もなく、
どんよりと顔は青ざめ衰弱し、
目の周りはボロボロになっていた。
『反省、したんだろうな…』
誰が見てもそれは分かり、
「講義をする!」と意気込んでいたお父様もお兄様も、そしてお母様も、
いまでは逆に哀れんでいるようだった。
「こ、この度は、我が愚女が…
ニコル様に多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした!
これは立派な営業妨害であり、下劣な行為であり…なんと申し上げたらっ…
如何なる判断も受け入れる次第ですっ…」
普段はあれだけ着飾っているライラ様だ。
侯爵様もきっと大層可愛がっているに違いない。
それでも非はしっかりと認めて、
下の爵位であるわたしたちにも
娘のために深々と頭を下げている。
辛いだろうな…
「スンッ…当人の、わっ、わたくしからも謝罪させてくださいませっ…ウッ…すべてわたくしがいけないのです。つっ、つまらぬ嫉妬心から、とんでもないことを。もうしわけ…ございません。」
ラ、ライラ様…!
謝るなんて絶対プライドが許さないはずなのに、よく謝った!
もう、一言一言を聞きながら拳を握り、
いつの間にか『がんばれ~』と応援していたわたしは、感動さえ覚えていた。
大体、上級貴族様がこんなふうに謝ることも
かなり珍しいのだ。
侯爵様、やるじゃん!とさえ思う。
『さて。たしかにあの時はムカッとしたけど…もう言うことはないだろう。』
心の底からの謝罪を受けたわたしは、
特にそれ以上なにも言う気にはならなかった。
お父様もお母様もお兄様も、
わたしと同じ気持ちなのか
わたしに判断を委ねてくれているようだ。
「侯爵様、ライラ様…お顔をおあげ下さいませ。心からの謝罪を受け取りました。わざわざご足労までいただき、ありがとうございます。これ以上大事にはしたくありませんわ!」
わたしはそう言うと、控えていたマリアに声をかけ、支度をするように伝えた。
「侯爵様、ライラ様。
お茶にいたしましょう!
おふたりに、お菓子を作ったのです。
召し上がっていかれませんか?」
そう言うと、
今度は侯爵様もライラ様も
2人して泣いてしまわれた。
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