異世界道中ゆめうつつ! 転生したら虚弱令嬢でした。チート能力なしでたのしい健康スローライフ!

マーニー

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第133話 学園祭のフィナーレ

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―――カフェの運営が終わり、夕方の部。

いよいよわたしたちの劇の番となり、
わたしは舞台袖で緊張のあまり冷や汗をかいていた。手のひらはビシャビシャだ。

『わたしは悪役令嬢…わたしは狂気の女…わたしは最低最悪の女……!』

セリフを見返しながらイメトレし、悪役令嬢を憑依させる。
カフェ運営のせいで、悪役令嬢の魂が少し抜けてしまったのだ。

気になる客入りのほうは……
ニック様とエマ様と殿下の宣伝効果であろう。会場はたくさんの人で埋め尽くされていた。

……さて、物語の始まりは、
お忍びで市場に出かける公爵令嬢の話から。
そこで悪人に絡まれ乱暴にされそうになっているところを、見目麗しい騎士様が助けるのだ。これがまさに運命の出会いとなる。

しかし、そんな2人の仲を引き裂くのがこのわたし!おほほほほほほ!

この高貴な令嬢と騎士の恋物語というのは、全ご令嬢たちのロマンであり大好物である。全力で悪役をさせていただこうか。


―――キャァァァァァァア……!!!!

そうこうしているうちに劇が始まり、
エマ様とニック様が登場した。
会場中が黄色い悲鳴に包まれ、やっぱり卒倒している観客がいる。(かわいそうに)

エマ様とニック様は、美しすぎるその姿だけでもうっとりしてしまうのに、演技もそれはそれはお上手で……
気がつけばすっかり魅入ってしまった。

『…さて、わたしの番だ。』

わたしはツンとした傲慢な表情に切り替え、
舞台の中心へと向かった……


―――その後。
公演は順調に進み(少々役に入りすぎてハンカチを食いちぎってしまった)……

「……こうして公爵令嬢と麗しの騎士様は、
みんなに祝福されながら結ばれ、ずっとずっと幸せに暮らしましたとさ。おしまい。」

ライラ様の最後のナレーションが終わった。

クラス全員でふたたび舞台に上がり
手を繋ぎ観客に向けてお辞儀をすると……

「「「「わぁぁぁぁああ!!!」」」」

っと大音量の拍手が響き渡った。
中には立ち上がって拍手をしてくれている人もいる!
たくさんの花束も投げ込まれていた。

観客席を見渡すと、
カレン様もミラ様もアンナ様も見えたので
密かに手を振ってみる。

3人ともキラキラとした満面の笑みを浮かべながら拍手をしてくれていた。

―――こうして、
記念すべき100周年の学園祭は大盛況に終わった。

次は5年後…
わたしたち2年生にとっては今回が最初で最後の学園祭だ。

ここまで少し…いや、かなり大変だったけど、
それに相応しい青春が詰まった1日を過ごせたと思う。

すっかり仲が深まり絆もできたクラスメイトたちと顔を見合せ、みんなで笑いあった。
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