使い魔さんは危ない人でした!

ぺす

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八十二話

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 ※師走の動きが速すぎて、もしかしてサンタだけじゃなくて季節そのものが赤い悪魔と同じ機体に乗っているんじゃないだろうかと妄想が止まないぺすさんです。できれば患者さん達には赤い機体には乗らないで頂きたい(*‘ω‘ *)




 ゼクトがアカネとミソラに連絡をいれた頃。
 二人はアリアとルリアに王都を見渡せる見張り台の絶景を案内されている最中だった。

 ゼクトの連絡と同時に城の近くの迎賓館から突風のように霧が噴き出し、一瞬にして王都を飲み込んでいく。
 緊急事態ではあるのだが、霧が一瞬にして広がっていく光景は幻想的で、四人は思わず感嘆の吐息を漏らす。


 「うわわわー! アリアお姉ちゃん見て見て! 真っ白な煙がぶわーって来たよ!」

 「あらあら凄いわねー。 でもこんな時期に霧なんて変ね」

 まだなにも知らない二人は無邪気に突然現れた霧に不思議そうにしつつも楽しんでいた。

 「なるほどー。 これがてきのさくせん。 ……みたかんじこうげきてきなかんじはなし。 しかいをふさいでこんらんをひきおこすのがもくてき?」

 「…………無理矢理ならこの霧も吹き飛ばせますけど、さすがにそこまでやると都にもダメージがありますわね……」

 「さすがにそれはますたーにおこられる」

 アカネもそれを分かっているのか、肩を竦めて返し全方位に対して気配の変化を探ろうとするが、突然の霧の発生のせいでかなりざわついており、敵性反応とも呼べる気配を掴むことが出来ないでいた。

 「んー……これだとえねみーさーちのほうがいいかな。 わたしたちとてきたいするいしがないとせいこうしにくそう」

 「そうですわね。 ここまで混乱していると妾の気配察知では掴みきれませんわ」

 「お二人はこの霧が何かご存知なのですか? ずいぶん濃い霧のようですけど」

 「ご主人様から敵が結界を発動したと連絡がありましたの。 この霧に乗じて何かしら問題を起こすつもりのようですが…………目的は何なのかしら……」

 アカネとミソラは考える。
 ついでに言えばルリアは必死に霧を掴もうと頑張っている。


 リクシアを襲ってくるにしても、作戦的に動くという事はこちらの戦力を把握したうえで事を起こしているはず。
 ゼクトを始めアカネやミソラの実力は周辺国にも十分に知らしめているこの状況下で、純粋に戦いを挑むのは愚の骨頂である。
 
 ゼクトの連絡でベルトラントのライノルトがリリアを捕まえるために暴走し始めたと言っていた。
 しかし暴走しはじめたと言っても元々の作戦であるなら、これに合わせて警備の撹乱のために各所で問題を起こす可能性がある。
 しかもゼクト達を完封できると確信出来るような何かを持ってだ。それならば相応の準備をしてあるはずである。

 アカネもミソラもそんな事を考えながら今後どう動くかを思案していた。

 「リリア様はご主人様がいるなら問題はないですわ。 ……このような状況下でもしリリア様を手に入れるのに失敗したら普通はどうします?」

 「それはやっぱり即時撤退じゃないかしら? 話を聞くにライノルト殿下がリリアを狙った作戦って事でしょう? でしたらどうせ無駄ですし、予め決めていた退路で撤収。 更に用意周到なら殿が王都内でひと暴れしていくまでがセオリーでしょうね」

 「おおー……いがいとやりおるありあ様」

 アカネからの突然の質問に少し考え、そう答えるアリア。
 その答えを聞いてミソラが若干の尊敬の念を込めてアリアを見つめ、若干どや顔になるアリア。
 どやろうとしてあんまり出来ていないところが可愛らしいところである。


 「うふふふふ。 私は領地経営とかも学んでいましたから、領地を守るときの緊急時の対処なんかも見ることが多いんです。 ただ混乱の中でも流れに逆らうような連中は怪しいと思ったほうがいいかも知れませんね」

 「ふむ……じゃあその事を頭にいれて、妾達も周辺の監視を行いましょう。 あと下僕供にも協力させて…」

 早速動き出そうとしたアカネとミソラを一つの放送が止めた。
 今回のはアカネやミソラだけでなく、王都全体に向けて発信されている。

 『あ、あーあー。 わ、私はリリア! リリア・クラッツェ・ヴィスコールです! 緊急事態ですが皆さんよくお聞きください! この霧を作り出した首魁と思われる人物はこちらで制圧しました! ですがまだ残党が都の中に潜んでいます! 大変かとは思いますが、一度家や宿に戻って霧が晴れるまでしばらく家に待機していてください。 今から私たちも残りの残党を潰しにいきます!』

 リリアの声が王都全体に響き、騒がしさもあった王都各所は次第にリリアの声に耳を傾ける。
 リリアが既に敵の首魁を討ち取っているということで沸き上がり、更には追撃に出て戦うとも言ってくれている。

 王都民にとってこれほどに安心を覚えるものもないだろう。混乱の中の鶴の一声とでもいうべきか、この国の英雄が真っ先に動いているのだ。王都民の安堵も当然だった。

 濃霧の出現による王都の混乱。

 本来はそれによって任務を行うことを考えていたベルトラントの兵士達は下手に動くことが出来ない状況にさせられた事に苛立ちをみせる。
 だが同時に群衆に紛れるチャンスだと、ベルトラント側の者達は考える。

 『追加でご報告させて頂きます。 どうやら相手はベルトラントの者達のようです。 妙な術を使ってリリア様を意のままに操ろうとしたようですね。 今からベルトラントの兵士及び、それに準じる者達は捕らえます。 これに荷担したり邪魔をする者は敵対者として処理します。 また、私の忠実な仲間で下僕のとある魔物を四匹放ちますが、魔物が歩いてても気にしないでください。 これより殲滅に入りますので。 あ、最後にアカネさんの班とミソラさんの班もしっかりと働いてくださいね』


 ブツッと一方的に切られた通信。
 その中にはとんでもない発言もあった。
 忠実な仲間の魔属や魔物を散開させると。
 聞く人が聞けば間違いなく極刑にあたる行動だ。

 場合によっては敵はベルトラント兵ではなく魔族だと言い、魔族を大会に忍び混ませたのはレムナントだなどど混乱させるような輩もいるかもしれない。

 それでもなおゼクトが魔物を投入したのはたんに役立つからだ。
 コレは悪いアレは悪いなどと宣うしか脳のない連中よりはずっと。

 
 「ふわぁ………こんな状況から敵を見つけて倒すんだよね? アカネお姉ちゃんミソラお姉ちゃんもスゴいね!」

 「ふふふふ。 おねえちゃんのスゴさをみせてあげよう」

 ルリアのお姉ちゃん呼びをたいそう
気に入っているのか、触発されたミソラは杖を抜き、カツンと軽やかに石突きで地を打つと、水面を叩いたような魔力の波が一瞬にして拡散していく。

 ミソラはその反応を逐一メモに残し、サーチの効果を書き上げていく。


 「ミソラさんは本当にスゴいのねぇ。 こんな広い範囲を索敵してるなんて」

 「さっきまではむり。 ますたーがてきのせいしんをどうようさせたから、てきだとわかりやすいはんのうになった。 さすがはますたーあいしてる」

 「わ、わわらわ、妾だってやるときはやるんじゃからな!? ただちょーっと向いてないだけでな!? な!?」

 「も、もちろん分かりますよアカネさん!」

 「ぬっふっふっ…………ん、でた。 かずは……バラバラにごかしょ。 …………? だーくえるふのひとたちがおおいそぎでみやこのそとにいこうとしてる……なんだろ?」

 「全く関係ないとは思えないですわね……。 一応御主人様に報告しておいたほうがいいですわね」

 ミソラの言葉を聞き、不審に思ったアカネはゼクトに連絡を飛ばす。

 『ご主人様……一つ気になることが』

 『おぉぅ!? あ、あぁ、どうした?』

 『何か問題でもありましたか!? 御用であれば向かいますわ!』

 焦ったような声のゼクトであったため急用かとも考えたアカネだが、特段問題という問題もないと諭され言葉を続ける事にした。

 『大雑把に敵は五チーム程に分かれて行動しようとしています。 恐らくこのまま離散して的を絞らせずに逃げ切るつもりかと。 あとダークエルフ達が突然王都から離れるような動きを見せています』

 『ガチムチさん達が? この状況なら解決の為に動き回りそうだが……分かった。 いまはそっちは放っておいていい。 王都内の敵の殲滅にあたってくれ。 お前達の裁量に任せる。 信頼しているからな』

 『……………………御意』

 通信を切ったアカネは顔を上げ、巨大な都を見すえる。
 ベルトラントの目論見など興味などないが、今回は折角のアリアとルリアの案内で観光がてら楽しんでいたのだ。
 それを邪魔されれば些か苛立つというものだ。

 「…………んふふふふ」

 「……何かしら? 早くミソラも準備なさいな」

 普段は無感情にも見えるミソラの目が、楽しそうにアカネを見ておりアカネは少し戸惑う。

 「アカ姉きづいてる? アリア様とルリア様とのかんこーをじゃまされてふかいなきもちになってること」

 「別にそんなつもりは…………」

 そう否定しようとして言葉につまるアカネ。
 別に顔にも態度にも出したつもりは無かったが、ミソラだけはその変化に気付いた。

 「んふふー。 わかるーわかるよーアカ姉。 たぶんわたしたちにとってはじめての“ともだち”みたいなものだから、じゃまされていらついたんだよ。 まさにわたしがいまそんなきぶん」

 「…………そう、ね。 確かに友人というのはしっくり来るわね。 そう……この不快感はまさにそんな感じですわ」

 使い魔がどうとかではなく、一個人として明るく優しく接してくれるヴィスコールの姉妹達はゼクト以外に興味を持っていなかった二人にとって唯一と言ってもいいほど興味がある対象である。
 だからこそ、二人による案内を潰されてしまった事に少なからず落胆と苛立ちを感じてしまった。


 「そういえばご主人様が……信頼しているって……仰ってましたわ。 妾達を」


 「え、それまじでー? ますたーがしんらい? げきあつですね」


 タダでさえ友人という言葉で喜んでいた二人は更に愛する者からの信頼という言葉を受けてかつてない程にやる気に満ちていた。
 今ならきっと大概の事は何でもできると錯覚してしまう程である。

 「アカネお姉ちゃん大丈夫? 嫌なことがあったの?」

 「私達で御手伝い出来ることがあれば良いのですが……」

 少し様子の違うアカネに二人が心配そうな表情を向ける。
 不安気な少女の頭を優しく撫で、アリアに優しい笑顔を向けてアカネは言う。


 「心配ないですわ。 これから少し働いて邪魔なものを排除してきますので、ここでのんびりお待ちくださいな」

 「めずらしくやるきだから、すぐおわるよ。 ほんとにのんびりしててねー」

 「はーい! 待ってるねー!」

 「御武運を」

 アカネとミソラは非常に穏やかな笑顔で手を振り二人を後にし、目的の排除に動くのだった。








 

 「これはまた………」
 
 銀の君を連れて戻ると四肢を失って達磨状になっているライノルトがいた。
 手足はキンゾ・クバットで吹き飛ばされたのか、腕と足の断面が見事に無くなっている。
 見た直後にアカネから連絡が来たので少し驚いてしまったが問題ないと通信を切る。

 そんなライノルトの上で興奮に我を失いかけているリリアさんがいた。
 楽しそうにしている様子は見ていて怖いですはい。

 「リリアさーん。 落ち着きましょうね?」

 「あ、ゼクトさん! すごくスッキリしました! なんていうか溌剌としましたね! もうアレ止めさしてもいいですか!」

 おおう本当に楽しそうに話すんだなリリアさん。
 結構な猟奇殺人の現場だけどなぁ。
 誰かに見られたら説明は大変そうだ。
 とはいえ少しだけリリアさんを戻しておかないとな。

 「愛のー……デコピン!」

 「あうっ! ………………やっぱりやりすぎですかね?」

 達磨状態になったライノルトを見てリリアは言う。これはまぁ謝罪等をおこなわなければ間違いなくリクシアとベルトラントの全面戦争に発展するな。謝罪しても無理だろうけどな。
 隣の銀の君さんも惨状を見て気分悪そうですな。

 「なんて事を…………レムナントの英雄とはこんなにも野蛮なのか……」

 「言いたい事は分からないでもないですが……見方を変えれば英雄なんて多くの命を奪った証ですよ。 ちなみに奪ってるのは大体私ですけどね」

 和ませようとちょっとおどけてみたが、とても睨まれてしまった。
 ですよねー。

 「だからといってコレはやりすぎだろう! 徒に痛めつける必要などあるまい!」

 「必要、ありますよ? だってずっとゼクトさん達を軽んじてたんですよ? 万死に値するじゃないですか。 むしろこの程度で済ませてるんだから優しいと思うんですけど……」

 「……狂っている」

 信じられないものを見るような目でリリアを見る銀の君さん。
 そういや名前を知らんな。

 「た、す、けて。 頼む……たしゅけて。 テアトリス……頼む……たしゅけて!」

 なんと肉塊が喋った!
 じゃなくてまだ生きていたのかライノルト。
 ぐちゃぐちゃの手足からの出血で失血性ショックでも起こして意識なんて飛んでいるかと思ったけど存外にスゴい生命力だ。
 そして銀の君さんはテアトリスって言うのか。
 なかなか綺麗な名前だな。

 「今回の目的をきちんと話してくれるなら今すぐにも助けてあげるんですけどね」

 「え!? 助けるんですか!?」

 「え!? あ、いやリリア様が嫌なら放置しますけど」
 
 「そこは放置しないでくれ頼むから! 仮にも王族で殿下なんだ! それに私の弟の命もかかっているんだ! だから殿下の命を諦めないでくれ!」

 軽い気持ちで止めよっかといったノリだったが、テアトリスさんの理由が思った以上に個人的で、そちらのほうがこちらとしては動くには丁度いい理由があるようで思わずニヤリとしてしまう。

 「ほほぅ……やはりそんな契約がありそうなんですね。
話してくれて良いんですよ? なんなら協力しますよ? タ・ダで☆」

 そもそも敬意も感じられていなかったこのテアトリスさんがこの殿下の護衛についていたのだ。
 それ相応の理由はあるだろうさ。
 その弟がどこにいるか知らんが今回の催しに合わせてどこか近くに連れてきているか、若しくは自国だろうか。それとも全く関係のない場所か。
 今回の件は作戦の内容を考えるとあまり近寄らせることはないだろうし作戦圏内からは外れたところで待機させているかもしれないな。

 しかし……自分で言うのもなんだけど、今のタダの言い方マジで最低だな。エロい事を要求する前の変態みたいだ。


 「き、貴様達にメリットが無いだろう……」


 「それはこちらがメリットがあるかどうかを判断します。 先程戦った感想として、貴女のメリットはまぁ…………そこそこ程度の戦力です。 あれば良いけど、なくても困らない程度。 貴女がここで何をしようとしているのかをキッチリ話して情報を渡すというのであれば私は飛びつきますけどねー。 因みに貴女が弟の場所を知っていて、かつ先回りされて弟が殺される可能性があるのであれば、それも解決してみますよ?」

 「…………ここまで来たら後戻りなど出来んな……分かった。 一切の抵抗はしない。すべてに協力すると誓う」

 「よしよし、ならパパッと終わらせましょうか」

 面倒事はさっさと終わらせるに限るからな。
 






 


 肉塊を放置すること三十分程。
 テアトリスから話を聞いていたが、中々に壮大……とまでは言わないが大がかりな計画のようだった。
 
 大雑把にまとめると目的は三つ。

 一つ、英雄でありリクシア最強のリリアをライノルトの魅了で手にいれること。
 二つ、リリアを手にいれた後にリクシアそのものを手中に納め覇権国家となること。
 三つ、ライノルトの双子の弟……ということになっているらしいルベドと呼ばれている実質の今回の首謀者がダークエルフの谷でとあるモノを手にいれる事。

 
 一つ目が成功しても失敗してもリクシアを混乱に落とす為に六頭連とかいうベルトラントの大規模な傭兵組織が暴れる事になっているらしい。
 更に言えばさっきの霧が開始の合図だとか。


 「大それた事をやるもんですね」

 「……正直なところ一番の目的は恐らくダークエルフの谷だろう。 こちらは言ってみれば成功すれば良い程度だと思う」

 うぅむ。ライノルトはまぁ良いとしてベルトラント側はこちらの戦力を知っていても、喧嘩を売って勝てる算段があるのだろうか。
 そのダークエルフの谷に何があるかは知らないが、少なくともそのルベドとやらはリクシアに喧嘩を吹っ掛けてもどうにかなる手段があると考えているのか……はたまた自分でどうにか出来る自信があるのか。
 俺と同じような存在なのだとしたら厄介ではあるけど、はてさてどうしたものか。

 「…………こちらは王都内にいる戦力で全て鎮圧出来るでしょう。 問題はそのルベドとやらですね。 レイヴンと……あとカーラさんやガーチさんを連れて私達はダークエルフの谷に飛んだ方がいいかもしれませんね」

 「六頭連のうち五人の隊長クラスが入り込んでいるだぞ? 貴様が相手をしなくていいのか? いずれもルベドによって特殊な力を与えられていると聞いたことがあるが」

 「アカネもミソラもいますからね。 それに私が手掛けたチームなら余裕でしょう。 たぶんヒトに負けることはないでしょうし」

 「……ヒトにって言い方がスゴい気になります」

 「リリア様は今回見れないでしょうから教えてあけましょう。 なんと! サタネルアントという魔物が私が選んだチームです」

 この世界に来て多分一番強かった魔物を勧誘してチームにしてみたのだ!
 彼等彼女等は非常に合理的な思考の持ち主だから説得も楽で良い。
 ただ会いに行ったときに繁殖数を減らして質を高めていると言う言葉を聞いた時に俺のせいで将来の不安の種になっていないといいなと思ったのは内緒だ。

 「さたねるあんと? 聞いたことない魔物ですね」

 「ひっそり暮らしてる魔物みたいですからね。 火竜なんかよりは強いみたいですよ」
 
 「火、火竜よりも強い魔物を従えているのか!?」

 良い反応だテアトリスさんや。
 従えてはいない、交渉ですよ。
 何を渡したかは内緒だ。

 「あ、ゼクトさん悪い顔してます」

 「失礼な。 いつも通りの顔です」

 最近はアカネやミソラだけでなくリリアまで表情を読むようになってきたな。そんな分かりやすいつもりは無いんだけど……恐ろしや女の勘。

 「じゃあ早速レイヴンを捕まえに行きますかね」

 放置していたライノルトに一応回復薬を飲ませて治癒した事を見届けてから、行動を開始する事にした。

 …………どうでもいいけど、最高の回復薬とはいえ手足が生えてくる様子は非常に気持ち悪かった。










 ※さぁ紳士の時間だ( ・`д・´)キリッ!


 ゼクト「とても久しぶりの紳士会議の時間だ」
 ゴード「最早忘れられていそうだな」
 ヤクト「出番もないからな」
 店主「作者のせいだな」
 ゼクト「まぁ奴の事はどうでもいい。 それよりも実は議題に挙げたい事がある」
 店主「ほほぅ。 なにかな?」
 ゼクト「…………おっ◯い検定上級に……落ちてしまった。 紳士たるこの俺が……」
 ヤクト「すまん、始めて聞いたぞその検定」
 ゴード「しかも上級ということは下もあるのか」
 店主「俺は知ってる。 確かリクシアの貴族で流行っているおっぱ◯を見極める能力を資格にしたものだ」
 ゴード「……余の国の貴族は一度頭の病気を気にした方がいいな。 …………それはそれとして興味深い」
 ヤクト「食いついてるじゃねぇか」
 ゴード「紳士がお◯ぱいを気にしない訳がなかろう!」
 ゼクト「その通り。 実はベリアールさんに勧誘されて始めたんだか……上級にもなるとその試験内容が難しすぎるんだ」
 店主「どんな内容なんだ? というかまさか初級と中級まではクリアしたのか?」
 ゼクト「当然だ。 服の上からスリーサイズを当てるのが初級、更には見ただけでブラの色まで判断出来るようになって中級だ。 そして上級は……声だけで◯っぱいの大きさを当てるんだ」
 ゴード「なん……だと……! そんな事が可能なのか!?」
 ゼクト「俺も無理だと最初は思った……。 しかしベリアールさんはやってのけた……恐ろしい紳士、そしておっぱ◯に対する執念と愛だった」
 店主「取り敢えずあの見た目と威厳でそんなしょうもない……あ、いや素敵な趣味を持ってることに違和感しかないな」
 ヤクト「ベリアールって貴族の中でも特に真面目で信頼の厚いヒトじゃないか」
 ゴード「余は今度奴と顔を会わせた時に笑いを堪えれるか自信がない」
 ゼクト「まぁそういう検定があるんだが、紳士たる我々がこの検定をクリアしない訳にはいかないだろう?
各自この検定をなんとかクリアしてほしい」
 ヤクト「……俺が嫁に殺されたら骨は拾ってくれよ」
 ゴード「……思ったのだかスリーサイズなど、予想しても答えは分からぬのでは?」
 ゼクト「……恐ろしいことにベリアールさんが全て把握している。 本当に恐ろしい」
 店主「一歩間違えば人生まっ逆さまになりそうだな」
 ゼクト「紳士とはそういうものさ」
 ゴード「うむ。 では各自健闘を祈る」


 ゼ、ゴ、ヤ、店「紳士に栄光あれ!」



 ※ベリアールさんはセインさんの御父様ですよー(念のためw)
 
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