3 / 3
田舎娘と王子さま 1
しおりを挟む
それから数時間後。ノエルとわたしたち家族は、夕食の席で改めて顔合わせをしていた。
「疲れたでしょう? 遠慮なく食べてちょうだいね」
言ったのは母さまで、「そうだよ、自分の家だと思って」と続けたのは父さまだった。邸の食堂には、わたしと父さまと母さま、それから二つ年上のエトワス兄さまとノエルが揃っていた。
「ありがとうございます。いただきます」
わたしの向かいに座ったノエルはそう言ったものの、にこりともせずカトラリーを手に取る。その様子に母さまが少しだけ心配そうに眉をひそめ、父さまを見やった。父さまは大丈夫だよ、というみたいに小さく頷き返しているけれど……。
(……緊張しているのかしら)
スープを口にしながら、わたしは、行儀良く肉を切り分けているノエルを見つめた。その表情は平然としていて、とても緊張しているようには見えない。けれど、本当のところはどうだかわからない。なにせ彼は今、知らない土地の知らない家族に囲まれているのだ。緊張しているわけではないにしても、居心地がいいとは言えないだろう。
(うーん)
わたしは、ついさっき父さまに言われた言葉を思い返した。
『マリエール。ひとつ頼みがあるんだが』
『なあに?』
『うん。ノエル君がうちにいる間、話し相手になってあげてほしいんだ。彼はある事情で自分の家にいられなくなってしまってね、だから……』
『ある事情って?』
『ご家族の問題でね。落ち着くまではここで暮らしてもらうことになったから。……無理にとは言わないけど、なるべく彼が過ごしやすいようにしてあげたいんだ』
『わかったわ』
『頼めるかい……?』
『もちろんよ! ちょうど弟がほしいって思っていたところだし』
わたしが「任せて」と胸を張ると、父さまは安堵するように息をついた。いつものんびりとした父さまの、そんな困ったような顔を見るのは本当に稀で──ノエルの抱えている事情というのは、とても大変なものなのだろうと推察できた。
(わたしから話しかけるべきよね)
ノエルはさっきから少しもこちらを見てくれないし。
向かいに座り合っているというのに、夕食がはじまってから一度も視線が合っていないことに気づいて、わたしは声をかけてみた。
「美味しい? お肉が好きなの?」
今まさに肉を口に運ぼうとしていたノエルが手を止めて、わたしを見つめた。やっと目が合った。そう喜んだのも束の間。
「ああ」
ノエルは一言そう言うと、何事もなかったかのように食事を再開した。せっかく合った視線も外れてしまう。わたしは負けじと会話を続けた。
「そうなんだ。わたしもね、お肉は好きよ。でも野菜も好き。苦手なのは辛いものよ。耳が痛くなるの」
「ふうん」
興味なさそうではあったけれど、無視されなかったことに安心して、わたしは調子に乗ってしまう。
「ノエルは苦手なものはある? あ、もしかして人参? 食べてあげましょうか?」
メインの肉料理に添えられていた人参の甘煮だけが端に避けられていたから「もしかして」と思って善意で申し出たのだけれど。
「は?」
言葉と同時──思い切り睨まれてしまう。怖い。
「食える。ガキ扱いすんな」
「………………ごめんなさい」
(でも、子供じゃない)
喉まで出かかった言葉は、流石に飲み込んだ。
これは、とうとうやってしまったかもしれない。
そう落ち込みそうになったわたしの隣から、兄さまが助け船を出してくれる。
「じゃあ、甘い物はどう? このあとシェフが張り切って作ったケーキが出てくるんだけど」
「ケーキ……」
ノエルがぴくりと反応して、それから小さく顎を引いた。やっぱり笑顔でこそなかったものの、ほんの少しだけ目が大きくなっている。好きなのかもしれない。
「食えます……」
「そう、良かった。僕は苦手だから、僕の分も食べてくれると嬉しいんだけど、入りそう?」
「はい」
(好きなんだ)
確信したけど、また睨まれたらと思うと怖くて口を挟むことは出来なかった。
(それにしても、兄さまには敬語なのね)
その後もぽつぽつと会話が続いたけれど、わたしとノエルの視線が再び交わることは終ぞなくて。父さまから託された任務──その遂行の難しさを、ひしひしと実感してしまったのだった。
◆ ◆ ◆
(……なんなんだあいつは)
夕食を食べ終えたあと。
俺は与えられた個室のベッドの上に寝転び、よく口の回る少女──マリエール・ブノアのことを思い返していた。栗色の巻き毛に同じ色の瞳。健康的な小麦色の肌。くるくると変わる表情。今まで周りにいなかった性格の少女に、俺は少なからず困惑、もとい苛立ちを覚えていた。
ただでさ長旅で疲れていて余裕なんてないというのに、マリエールは意味不明なことばかりを口にして、俺に構ってきた。たとえそれが善意だったとしても、正直言って煩わしかった。
俺が肉好きだったら何だっていうんだ? そんなことお前に関係ないだろう。それとも俺を絆そうとしているのか。ひねくれた考えが脳裏をよぎり、ついきつい言葉を吐き出してしまった。一瞬気まずくなった空気を悪いとは思ったものの、やはりマリエールに感じた苛立ちは消せなくて、最後まで大人気ない態度を取ってしまった。
(これからのことを考えないといけないのに)
胸に靄を抱えたまま、俺は目を瞑り、意識からマリエールを追い出した。
そうして、思考を整理するため、ひと月ほど前のことを思い返す。
ブノア家の人間が、俺を訪ねてきた夜のことを。
「ブノア家? アルシェペール……?」
聞いたこともない家名と、地名。
それを口にしたのは、何度か見かけたことある凡庸な文官だった。──たしか名前はリルウェール・ブノア。……ああ、こいつの領地か。
「そこで身を隠し暮らせと?」
半笑いで言った俺の前に、リルウェールはそつのない所作で膝を折った。右手を心臓に当て忠誠を。頭を垂れ服従を示す。
(なるほど。こいつは俺に〝つく〟つもりなのか)
頭痛を堪えて、俺はリルウェールを見つめた。
「はい」
見上げた男と視線が絡む。幾度か会った過去を探り、こんな目をした男だっただろうかと、訝しむ。
愚問だった。
一見凡庸としか思えない男は、けれどこれまで策略の蔓延る王城内でのらりくらりと生き残ってきたのだ。牙がない、わけがなかった。むしろ隠すのが上手い分、厄介な類だった。
「殿下の御身をお守りさせて頂きたく、進言致します」
「負け戦だぞ」
俺は吐き捨てるように言った。
夜半。
鎮まり返った王城の片隅。俺の部屋には、リルウェールと年老いた従僕だけが揃っていた。俺を取り立てようとしていた貴族家が失墜したのが七日前。母上が毒殺されたのが、昨夜だった。
「…………」
喉の奥にこみ上げたものを耐え、俺は首を横に振る。
「申し出はありがたいが、貴殿に迷惑をかけるだけだ。悪いが」
「なにか勘違いされているようですが」
リルウェールは穏やかに微笑んだ。
「わたしはただ貴方に生きて、幸せになって頂きたいだけです。玉座などつかれなくても構いません」
「…………なにを言っている」
リルウェールの真意がわからなくて、俺は強く眉根を寄せた。
──これまで、何人もの貴族が俺を玉座に据えようと近づいてきた。現在生きている王子は七人。俺の王位継承権は四位だったが、少し前、三位に繰り上がった。第一位だった王子が不慮の死を遂げたためだった。
そうして三位になった俺と俺の母上も命を狙われる事態になり、結果、俺だけが生き残ってしまった。食事の中に、毒が守られていたのだ。
喪に服す俺に声をかける者は数える程度しかいなかった。
事実、大勢いたはずの側近は今や幼い頃から仕えてくれたいた老爺のひとりだけ。
後ろ盾を失った俺には、なんの価値もないからだ。
しかし──目の前のこの男は、玉座などつかずともよく、ただ俺を守りたいなどと言う。意味がわからなかった。
「答えろ、なにを考えている」
「言葉通りです。他意はありませんよ」
「…………」
「まあ、信じろと言うほうが無理な話ですよね、すみません」
順序を間違えましたね、こんなだから僕は……。
リルウェールはそう言いながら懐から一通の手紙を取り出した。その筆跡に俺は思わず息を呑む。
「これは生前、貴方の母君から送られたものです。──自分になにかあった時、貴方の力になってほしいと」
俺はひったくるようにリルウェールから手紙を奪い、中身を取り出し、読み込んだ。そこには旧友への挨拶と俺が心配だということばかりが綴られていた。年々悪化していた王城の空気に、ずっと不安を抱いていたのだろう。
(母上)
読み終えることもできず、鼻の奥がつんと痛んだ。
隣で、リルウェールが静かに言った。
「殿下もご存知の通り、わたしの身分は高くはありません。争いの場に立つことすら許されない。ですから表だって助けて差し上げることは適いませんでした」
悔いるような間があった。
母上と友人関係だったというのは、真実なのだろう。
読み古されたような便箋が、それを物語っていた。
「……ですが、貴方を保護させて頂くくらいの財は持ち合わせているつもりです。殿下、わたしと城を離れましょう」
「疲れたでしょう? 遠慮なく食べてちょうだいね」
言ったのは母さまで、「そうだよ、自分の家だと思って」と続けたのは父さまだった。邸の食堂には、わたしと父さまと母さま、それから二つ年上のエトワス兄さまとノエルが揃っていた。
「ありがとうございます。いただきます」
わたしの向かいに座ったノエルはそう言ったものの、にこりともせずカトラリーを手に取る。その様子に母さまが少しだけ心配そうに眉をひそめ、父さまを見やった。父さまは大丈夫だよ、というみたいに小さく頷き返しているけれど……。
(……緊張しているのかしら)
スープを口にしながら、わたしは、行儀良く肉を切り分けているノエルを見つめた。その表情は平然としていて、とても緊張しているようには見えない。けれど、本当のところはどうだかわからない。なにせ彼は今、知らない土地の知らない家族に囲まれているのだ。緊張しているわけではないにしても、居心地がいいとは言えないだろう。
(うーん)
わたしは、ついさっき父さまに言われた言葉を思い返した。
『マリエール。ひとつ頼みがあるんだが』
『なあに?』
『うん。ノエル君がうちにいる間、話し相手になってあげてほしいんだ。彼はある事情で自分の家にいられなくなってしまってね、だから……』
『ある事情って?』
『ご家族の問題でね。落ち着くまではここで暮らしてもらうことになったから。……無理にとは言わないけど、なるべく彼が過ごしやすいようにしてあげたいんだ』
『わかったわ』
『頼めるかい……?』
『もちろんよ! ちょうど弟がほしいって思っていたところだし』
わたしが「任せて」と胸を張ると、父さまは安堵するように息をついた。いつものんびりとした父さまの、そんな困ったような顔を見るのは本当に稀で──ノエルの抱えている事情というのは、とても大変なものなのだろうと推察できた。
(わたしから話しかけるべきよね)
ノエルはさっきから少しもこちらを見てくれないし。
向かいに座り合っているというのに、夕食がはじまってから一度も視線が合っていないことに気づいて、わたしは声をかけてみた。
「美味しい? お肉が好きなの?」
今まさに肉を口に運ぼうとしていたノエルが手を止めて、わたしを見つめた。やっと目が合った。そう喜んだのも束の間。
「ああ」
ノエルは一言そう言うと、何事もなかったかのように食事を再開した。せっかく合った視線も外れてしまう。わたしは負けじと会話を続けた。
「そうなんだ。わたしもね、お肉は好きよ。でも野菜も好き。苦手なのは辛いものよ。耳が痛くなるの」
「ふうん」
興味なさそうではあったけれど、無視されなかったことに安心して、わたしは調子に乗ってしまう。
「ノエルは苦手なものはある? あ、もしかして人参? 食べてあげましょうか?」
メインの肉料理に添えられていた人参の甘煮だけが端に避けられていたから「もしかして」と思って善意で申し出たのだけれど。
「は?」
言葉と同時──思い切り睨まれてしまう。怖い。
「食える。ガキ扱いすんな」
「………………ごめんなさい」
(でも、子供じゃない)
喉まで出かかった言葉は、流石に飲み込んだ。
これは、とうとうやってしまったかもしれない。
そう落ち込みそうになったわたしの隣から、兄さまが助け船を出してくれる。
「じゃあ、甘い物はどう? このあとシェフが張り切って作ったケーキが出てくるんだけど」
「ケーキ……」
ノエルがぴくりと反応して、それから小さく顎を引いた。やっぱり笑顔でこそなかったものの、ほんの少しだけ目が大きくなっている。好きなのかもしれない。
「食えます……」
「そう、良かった。僕は苦手だから、僕の分も食べてくれると嬉しいんだけど、入りそう?」
「はい」
(好きなんだ)
確信したけど、また睨まれたらと思うと怖くて口を挟むことは出来なかった。
(それにしても、兄さまには敬語なのね)
その後もぽつぽつと会話が続いたけれど、わたしとノエルの視線が再び交わることは終ぞなくて。父さまから託された任務──その遂行の難しさを、ひしひしと実感してしまったのだった。
◆ ◆ ◆
(……なんなんだあいつは)
夕食を食べ終えたあと。
俺は与えられた個室のベッドの上に寝転び、よく口の回る少女──マリエール・ブノアのことを思い返していた。栗色の巻き毛に同じ色の瞳。健康的な小麦色の肌。くるくると変わる表情。今まで周りにいなかった性格の少女に、俺は少なからず困惑、もとい苛立ちを覚えていた。
ただでさ長旅で疲れていて余裕なんてないというのに、マリエールは意味不明なことばかりを口にして、俺に構ってきた。たとえそれが善意だったとしても、正直言って煩わしかった。
俺が肉好きだったら何だっていうんだ? そんなことお前に関係ないだろう。それとも俺を絆そうとしているのか。ひねくれた考えが脳裏をよぎり、ついきつい言葉を吐き出してしまった。一瞬気まずくなった空気を悪いとは思ったものの、やはりマリエールに感じた苛立ちは消せなくて、最後まで大人気ない態度を取ってしまった。
(これからのことを考えないといけないのに)
胸に靄を抱えたまま、俺は目を瞑り、意識からマリエールを追い出した。
そうして、思考を整理するため、ひと月ほど前のことを思い返す。
ブノア家の人間が、俺を訪ねてきた夜のことを。
「ブノア家? アルシェペール……?」
聞いたこともない家名と、地名。
それを口にしたのは、何度か見かけたことある凡庸な文官だった。──たしか名前はリルウェール・ブノア。……ああ、こいつの領地か。
「そこで身を隠し暮らせと?」
半笑いで言った俺の前に、リルウェールはそつのない所作で膝を折った。右手を心臓に当て忠誠を。頭を垂れ服従を示す。
(なるほど。こいつは俺に〝つく〟つもりなのか)
頭痛を堪えて、俺はリルウェールを見つめた。
「はい」
見上げた男と視線が絡む。幾度か会った過去を探り、こんな目をした男だっただろうかと、訝しむ。
愚問だった。
一見凡庸としか思えない男は、けれどこれまで策略の蔓延る王城内でのらりくらりと生き残ってきたのだ。牙がない、わけがなかった。むしろ隠すのが上手い分、厄介な類だった。
「殿下の御身をお守りさせて頂きたく、進言致します」
「負け戦だぞ」
俺は吐き捨てるように言った。
夜半。
鎮まり返った王城の片隅。俺の部屋には、リルウェールと年老いた従僕だけが揃っていた。俺を取り立てようとしていた貴族家が失墜したのが七日前。母上が毒殺されたのが、昨夜だった。
「…………」
喉の奥にこみ上げたものを耐え、俺は首を横に振る。
「申し出はありがたいが、貴殿に迷惑をかけるだけだ。悪いが」
「なにか勘違いされているようですが」
リルウェールは穏やかに微笑んだ。
「わたしはただ貴方に生きて、幸せになって頂きたいだけです。玉座などつかれなくても構いません」
「…………なにを言っている」
リルウェールの真意がわからなくて、俺は強く眉根を寄せた。
──これまで、何人もの貴族が俺を玉座に据えようと近づいてきた。現在生きている王子は七人。俺の王位継承権は四位だったが、少し前、三位に繰り上がった。第一位だった王子が不慮の死を遂げたためだった。
そうして三位になった俺と俺の母上も命を狙われる事態になり、結果、俺だけが生き残ってしまった。食事の中に、毒が守られていたのだ。
喪に服す俺に声をかける者は数える程度しかいなかった。
事実、大勢いたはずの側近は今や幼い頃から仕えてくれたいた老爺のひとりだけ。
後ろ盾を失った俺には、なんの価値もないからだ。
しかし──目の前のこの男は、玉座などつかずともよく、ただ俺を守りたいなどと言う。意味がわからなかった。
「答えろ、なにを考えている」
「言葉通りです。他意はありませんよ」
「…………」
「まあ、信じろと言うほうが無理な話ですよね、すみません」
順序を間違えましたね、こんなだから僕は……。
リルウェールはそう言いながら懐から一通の手紙を取り出した。その筆跡に俺は思わず息を呑む。
「これは生前、貴方の母君から送られたものです。──自分になにかあった時、貴方の力になってほしいと」
俺はひったくるようにリルウェールから手紙を奪い、中身を取り出し、読み込んだ。そこには旧友への挨拶と俺が心配だということばかりが綴られていた。年々悪化していた王城の空気に、ずっと不安を抱いていたのだろう。
(母上)
読み終えることもできず、鼻の奥がつんと痛んだ。
隣で、リルウェールが静かに言った。
「殿下もご存知の通り、わたしの身分は高くはありません。争いの場に立つことすら許されない。ですから表だって助けて差し上げることは適いませんでした」
悔いるような間があった。
母上と友人関係だったというのは、真実なのだろう。
読み古されたような便箋が、それを物語っていた。
「……ですが、貴方を保護させて頂くくらいの財は持ち合わせているつもりです。殿下、わたしと城を離れましょう」
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
【完結】大好きなあなたのために…?
月樹《つき》
恋愛
私には子供の頃から仲の良い大好きな幼馴染がいた。
2人でよく読んだ冒険のお話の中では、最後に魔物を倒し立派な騎士となった男の子と、それを支えてきた聖女の女の子が結ばれる。
『俺もこの物語の主人公みたいに立派な騎士になるから』と言って、真っ赤な顔で花畑で摘んだ花束をくれた彼。あの時から彼を信じて支えてきたのに…
いつの間にか彼の隣には、お姫様のように可憐な女の子がいた…。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる