夜のほとりと王子と月と。

 辺境領主の娘・マリエールはのどかな田舎町で穏やかな日々を過ごしていた。

 ある日、王宮に長らく出仕していた父親が「一緒に暮らすことになった」と一人の男の子を連れて帰ってくる。近い歳の友人に焦がれていたマリエールは一目で彼に好意を持つが、彼の方はなかなか打ち解けてくれず、マリエールは友人作りの難しさに苦悩する。それは彼・ノエルがこの国の第二王子だと知ってからも変わらず、そんなマリエールにノエルの態度も次第に柔らかくなっていく。
 そして一年が過ぎようとした頃、ノエルは突然王都へ戻ることになった。
 再会を約束して、二人は離れ離れになるけれど……。
 


 城を追われた王子と、楽天家の女の子の恋のお話です。
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