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特級ダンジョン ウミノトモ
第470話 ウミノトモ その8
しおりを挟むさて、延泊して素材を大量にゲットした私達。
食材以外にも沢山ドロップアイテムはゲットしております。食材以外は興味が無いので、ギルドに販売しても良いかなって思っているだけです。
ダンジョン五日目の今日。
悲しいけれどダンジョンを踏破することになりそうです。
近くにこのダンジョンがまた出てくれることを心からダンジョン様にお願いいたします。
普通のダンジョンにはボス部屋が最後の階層にあるんだけど、特級の場合はフィールドの延長上にあることもある。
今回もそうかと思っていたんだけど、扉がありました。
岩壁に同化していたから分かりにくかったんだけど、ちょっと洞窟っぽくなっている大きな岩壁に威圧感のある扉があったので、ボス部屋なんだと思います。
「海だったら飛ぶ必要があるが、中の広さによるよな」
「それなりに広ければ完全竜化すれば私だけで皆様を乗せることはできますね」
「そうだな、その場合は俺たち二人でやればいいだろ」
フィールドが完全分断されていると思われるので、中の様子が分からない。海の生き物がボスなのは間違いないので、海の可能性は高い。
突然水中という事は無いだろうけど、一応危険性を考えて空気膜を一人ずつに張って溺れる可能性を減らしてから部屋に入ることにした。
ギギ ギギ ギギギギ
いつもの音を鳴らすのは、特級でも同じなんですね。使い回しではないですよね?
扉が閉まれば段々と明るくなっていく部屋。
良かった水中ではなかったようです。
ただ、でかい巻貝が鎮座する向こうには海が見えているし、見慣れた洞窟ボス部屋ではない事にテンションが上がる。
「飛ぶ必要はなさそうだな」
「ですね。ただ、非常に硬そうです」
「魔法も通らなさそうだね」
ツンツンと尖がった巻貝は静かに鎮座しており、ルイスさんが言うように非常に硬そうな見た目をしている。
「【ウォーターウォール】」
「風よ切り裂け【ウインドカッター】」
「炎の矢で貫け【ファイアアロー】」
「【ロックバレット】」
開幕一番、私は全員分の水の盾を張り、イブさんとチアキさん、白雪さんの三人で其々得意な魔法をぶち込んでいく。だけど硬い殻に当たった途端、魔法は霧散し傷一つない状態になる。
「無効だね。何か効果が出るタイミングがあるはず」
「では俺たちが物理で行くぞ」
魔法の効果がなかったところで、ドラゴンチームが殴りに行った。手だけドラ化した状態で殴ったんだけど、カキーンと音がしてこれまた攻撃が効いていない事が分かる。
「硬いとはまた違うな。イブが言う通り、何かタイミングがあるんだろう」
即座に戻ってきた三人、魔法も物理もダメなボスって結構厄介じゃありません? これ、本当に倒せるんですか?
そう思っていたら、今まで静かにしていた巻貝が震え、ほんの少し体を傾けた。
「来るぞ! 構えろ!」
「一応盾で受け止めれると思うけど、各自も防御はお願いします!」
巻貝のお腹が見えたと思ったら、ブシャーっとジェット噴射された水が壁に打ち付けられて、目の前が見えなくなる。受け流しているので水の壁が破れそうな気配はないけれど、水の勢いが酷すぎて前が見えないのは困るね。
ピチピチピチピチ
そう思っていたら何かが水の壁にぶつかる音が聞こえる。
どうやら巻貝のとんがり部分から石礫のような攻撃が飛んできているようで、尖がった石ころが壁に埋まっている。これって、普通の人だとかなり危険じゃない?
「水の壁凄いね~」
「これが無ければ多少は怪我をしていた可能性が高いですよ」
「腹が浮いてる時だけ攻撃が効くかもしれんぞ」
「かもしれんな。行くぞ!」
七人分の壁を維持しているので、攻撃は大人たちに任せてくれていいと言われていたけれど、流石判断が早いメンバーです。
腹を浮かせていた巻貝に向かって飛んで行ったダルスさん達、そして腹を伏せられないようにチアキさんは【シャドーバインド】でぐるぐる巻きにして、より巻貝を浮かせるように引っ張り上げてくれている。
「白雪、氷で行こう」
「わかったのじゃ」
「「【アイスランス】」」
ハイエルフと聖獣による氷の槍、そしてドラゴン三人によるぶん殴り、完全にオーバーキルです。
先程とは違ってちゃんと通った攻撃は、サザエの殻をバッキバキに割り、真っ白になってキラキラと消えていきました。
「今回の功労賞はヴィオだな」
「いやいや、私倒してませんし」
「ボスの攻撃を安全な状態で受け止めて観察できたのが大きいぞ」
「うんうん、素直に受け取っときな」
皆がそう言ってくれるので、何だか照れ臭いけど有難く受け取っておきますね。功労賞としてボスの宝箱を開けさせてもらいました。
「おぉ! 海産物の宝石箱や~!」
宝石は入っていないというツッコミは聞きません。
だって、このダンジョンでは会えなかった、海老、ホタテ、タコ、イカが大量に入ってるんだもん。これはダンジョン様の心遣いってやつでしょう?
「ダンジョン様! 美味しい海の幸を沢山ありがとうございました!!!
残念ながらこの場所が悪くてダンジョンコアをこの後壊しますが、是非このダンジョンはどこかに復活させてください! 希望はミドウ村の近くです、よろしくお願いします!」
「くっくっくっく、俺も祈っとこうかな。ダンジョン様、海の幸ダンジョン、よろしくお願いします!」
「なになになに? ダンジョン様って誰? 頼めば出てくるの? どういうこと?」
チアキさんと一緒に皆も祈ってくれてるので、ミドウ村の近くに出てくれるといいな。
イブさんだけはアワアワしているけど、気持ちが大切らしいですよ。
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