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村でのひととき
第282話 1週間の過ごし方
しおりを挟む帰ってきた週は 挨拶回りなどもあって バタバタしたけど、翌週からは予定を決めて行動することにした。
魔法陣を書くのはあまり何日も空けちゃうと 感覚が鈍るので出来るだけやる。
だけど毎日だと気が滅入りそうになるので 程々の休憩も挟むことにした。
ギルドでの手合せは お父さんも一緒に来てくれるんだけど、そうすると皆がやりたがるので私は学び舎がある午前中に 自宅の裏庭で手合わせをお願いする。
そうすると 身体がバッキバキになるので 夜は魔術訓練すらできずに熟睡することになる。
手合せの翌日は 身体を休める意味も込めて魔法陣の練習と 魔術具の構想を練る日にした。
あとは 神代文字が2文字なのを4文字にする実験もしたいしね。
魔法陣を散々練習した翌日は ストレス発散の為にも森に行って狩りをする。
お肉は干し肉の準備にもなる。
お兄ちゃんたちからの手紙では 干し肉を全部食べちゃったから 風の季節に合流するときに持ってきてほしいというお願いもあったからね。
そんな感じで3日毎の予定が決まった。
森は午前だけなので 午後にサブマスとギルマスと一緒に ドゥーア先生のところでやった回復魔法の練習をすることもあれば、魔法陣の練習をする日もある。
その辺は臨機応変に動くのだ。
「そういえば スチーラーズの大人たちが居ないね」
ある日の午前、ギルドの訓練場に行ってやっと気づいた。
前回絡まれまくった ダメな大人三人組が居ないのだ。
帰ってきた翌日は偶々だと思ってたんだけど、既に2週間ほど来ているのに一度も会わない。
「えぇっ、ヴィオ今頃かよ」
「あの人たちは トラウト漁で頑張れるようにって言って、今はダンジョン巡りをしに行ってるよ」
トニー君から呆れた声が上がり、春から学び舎に通っている新メンバーの7歳男児からそう教えてもらった。
ダンジョン巡りね……。
「ヴィオが帰ってきた時に強くなってたからってのもあるけど、あの人達 3人だけでダンジョンに入った経験があんまりないんだって。
前はもっと人数が多かったらしいから、今の人数でもちゃんと連携できるようにしてくるってさ。
後は咆哮にも慣れるためって言ってたかな」
ああ、そういえばそんな事を言ってた気がするね。
ダンジョン内は サマニア村周辺の魔獣とは違って ランクに沿った魔獣が出てきてくれるから 彼らでもランクを間違わなければ大丈夫なんだろう。
キャラが濃すぎた人たちだから いないと分かれば少し物足りないと思ってしまうね。
「なーなー、ヴィオってさ 父ちゃんが見つかったらどうすんの?」
午後の手合わせが終わって休憩をしている時に トニー君から急にそんな質問をされた。
父ちゃん?
隣で水を飲んでたお父さんを見上げるけど、質問はアルクお父さんの事じゃないよね?
「どうするって、どうもしないかな。知らない人だもん」
「そうなの?だけど ヴィオちゃんにとっては唯一の肉親なんじゃないの?
会いたいって思わない?」
一緒にいたルン君からもそんな事を言われるけど、声の記憶が断片的にあるだけの人だからなぁ。
「う~ん、思わないかな。会っても気付けなかったら 逆にショックじゃない?
それに 私にはお父さんがいるから 今更知らないおじさんが “お父さんだよ” とか言ってきても困る。
だからどうしたらいいの?ってなるし、一緒に住むとか絶対無理じゃない?」
「そんなもんなのか?」
「そういうものなの?」
二人して顔を見合わせてるけど そんなもんじゃない?
遠くの親戚より近くの他人って言う言葉と同じで、会ったことのない血縁者より 近くの育ての親だと思う。
「お母さんだったら違うけどね。5歳まで一緒にいたし 会えるならもう一度会いたいし、いっぱい聞きたい事もあるんだよね」
まあもう無理なんだけど。
会いたい人には会えないものなのですよ。
あの箱を開けることが出来れば良いけど、そうか、あの箱の鍵を錬金術で作れるようになったらいいかも。
どんなものでも開けられる鍵、悪用されたら最悪だから一回使い切りで考えてみよう。
「ヴィオは それでええんか?」
新しい魔道具に思いを馳せていたら お父さんが聞いてくる。
既に私の答えに満足したらしい二人は 帰り支度を終えて 外に出てしまったけど、お父さんは気になっていたらしい。
「私のお父さんは アルクお父さんだけでしょ?
今更いらないって言われても困りますよ。返品期間は過ぎましたから」
クーリングオフは8日以内ですよ。
金ランクにだって一緒になるっていう約束をしているのだから と言えば、それもそうじゃったなと笑う。
本当にお父さんが現れたらどうするかな。
ん~~~~。
お母さんの宝箱がまだ開封できてなかったら それをお願いしてみるかな。
それ以外にお願いしたい事ってないよな。
というか生きてるかどうかすら 怪しいと思うけどね。
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