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第2章 新パーティー結成編

34.チャイナ娘VSオーガ

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危険度Bランクのクエスト。
オーガの討伐に来た俺とロリっ子チャイナ娘のリン・テンテン。

しかし、1体ではなくもう1体いるみたいだ。

さて、一人一殺するか…。


「ウェルは手を出さないでほしいアル!」


おぉ!

オーガを2体倒すというのか!


「それじゃあ任せるよ!
危なくなったら助けるからな!」


大丈夫かもしれないが危なくなったら助ける。
いつでもラーニングを発動できるようにしておこうか。


「そうして欲しいネ!
アタシの今の実力がどれほど冒険者として通用するか試したいネ!」


多分、俺との戦いじゃまだまだ実力を出し切っていないだろうからな。

これから冒険者として通用するのか確かめたい。
なんて強かで慢心しない志しなんだ!

おっさんは嬉しいぞ!
(中身36歳)


洞窟を歩いていくと広い空間に出た。

そこにはオーガが2体!


「グオオオオオオ!!!」


俺たちを見つけると同時にすぐに襲いかかる。


ズドーーーーーン!!!!

力任せに拳を振り回しながら俺たちに攻撃するオーガたち。

しかし、俺とリン・テンテンは軽々と避ける。


「遅い! 遅い! 遅いアル!」


おぉ!

身軽だな!

俺はラーニングを微量に発動してコントロールしながらだけど、リン・テンテンは『気』のコントロールかな?


「それじゃそろそろ行くアル!」


一瞬でオーガの懐に入る。


「八極気功拳『鉄山靠(てつざんこう)』」


並足を揃えて膝で軽くしゃがみこんだリン・テンテン。

そして前に踏み出した足は地面を破壊するほど踏み込む。

その力を背中に乗せて下方向に向かってオーガの足に体当たりした。

ズドン!!!


「グオオ!?!?」


その瞬間、オーガの足は変な方向に曲がった。
誰が見ても完全に折れている。

オーガの身長は400cm以上あり
リン・テンテンの身長は155cm。

倍以上ある体格差をものともしないチャイナ娘。

すごい!
すごいぞ!!


そして、背後からもう1体のオークが
リン・テンテンに襲いかかる。


「ぐおおおおおおお!!!」


力任せに拳を振り下ろすオーガ。


「遅いネ!」


するとオーガの拳を軽々とその小さな手を当てて
受け流したリン・テンテン。

すごい!
これも八極気功拳か!


「八極気功拳は『気』を操るだけじゃないアル。
力の流れを把握して自由自在に操れてこそ真髄アル!」


そして、リン・テンテンは受け流したオーガの腕を伝って、オーガの顔面にやってきた。


「これでも食らうアル!」


『気』を最大まで練り上げるリン・テンテン。



「八極気功拳『発勁(はっけい)』!!」



ズドン!!!!!!!


オーガの顔面がリン・テンテンの掌底打ちにより
思いっきり凹んだ。

こりゃ顔の骨を砕いたな。


「グオオオオオオ!!!」


痛みで悶えて倒れ込むオーガ。


「トドメアル!」


すかさず攻撃を仕掛けようとするリン・テンテン。

しかし、


「グオオオオオオ!!!」


「危ない!!」


ズガン!!


リン・テンテンに向かって同じ身長ぐらいの岩を投げられた。

俺はその岩を砕いてリン・テンテンへの攻撃を防ぐ。

さっき足を折られたオーガが投げてきたみたいだ。


「危なかった…」


俺は二刀流の剣でその岩をバラバラに切り裂いた。


「そのオーガは任せていいか?」


俺は「そのオーガは任せていい」。
つまり、足を折られたオーガは俺が倒していいか?
と遠回しに聞いた。


「任せるアル!」


リン・テンテンもそれを理解したのか承諾。

そして、

「ラーニング2つ同時発動!
『ドラゴンクロー』『ファイヤブレス』
合成!『火炎竜爪』!!」


ズバーン!!!!
俺は2つの剣を収めて『火炎竜爪』を発動。


「八極気功拳『砲滅』!!」


リン・テンテンは両手に気を集めて放つ!

ズドーン!!!!

オーガの顔面に直撃した。


「グオオオオオオ!!!」


俺が倒したオーガは4つに分断されて身体が燃えている。

リン・テンテンが倒したオーガは頭が吹き飛んでいた。


「な、なんて威力アルか…」


俺の技を見て驚くリン・テンテン。


「いやいや、テンテンこそ!」


俺はラーニングを扱っているからできるもの。
しかし、リン・テンテンはそうではない。

長年の鍛錬によって研鑽された己の力だ。

それはとても凄いことだと思う。

リン・テンテンだけではない。
ゲルドさんもクラーラさんもココさんも
みんな努力してのし上がったものだ。

慢心してはいけない。

そんな俺の力だからこそ誰かの役に立ちたいんだ。

この想いをリン・テンテンに伝えた。


「…かっこいいこと言うアルね。
わかったアル!
お前を認めてやるアル!!」


今回のクエストで親密度がより一層上がったみたいだな。


「これからはアタシのことをテンちゃんと呼ぶことを許すアル!」



「え?  テンちゃん!?」


テンテンのちゃん付けだからテンちゃんか。

なるほど。

悪くない!!!!!!!!
むしろいい!!!!!!!


「親しい間柄ならそう呼ばれているアル!
お前はアタシのライバルね!
これから先、絶対に追い越してやるから覚悟するヨロシ!!!」


あ、イチャイチャな恋愛的な発展はなさそう。
ライバルか。

それも悪くない!!!


「はっはは。
それじゃあこれからもライバルとして
よろしく、テンちゃん」


「よろしくネ!」


こうして俺とテンちゃんの危険度Bランクのクエスト。

オーガの討伐が完了した。

では、オーガの素材をギルドに持って帰って換金するか!

このとき俺は考えもしなかった。
この後、修羅場になることを。
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