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第4章 ブルガンリルム王国編

68.冒険者ギルド【ブレイブハート】

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俺は魔法剣、テンちゃんは武術。
そして、国王陛下は無詠唱で魔法を放つ。

元ベテラン冒険者である国王陛下が俺たちに合わせることにより、かなり連携の取れたパーティーとなり魔物を蹴散らしていく。


移動して行った先に兵士たちが倒れているのを発見した。


「大丈夫ですか!?」


俺は声をかける。


「うぅ…き…君は?」


「今治します!  
光魔法『フルヒール』!」


光魔法『フルヒール』。
光魔法『エクストラヒール』の上位版。
腕がちぎれていたり、死んでいなければ完全回復する上級魔法だ。


「…な…治った…!!
す!  すごいよ君!!  
何者なんだい!?」


「ふぉっふぉっふぉ!  
上級魔法の無詠唱とはすごいのう!」


上級魔法の無詠唱を扱える者は一流の魔導師でもそうはいない。


「助かってよかったのう!
戦況を聞かせてくれんか?」


「こ、これは国王陛下!!!
はい!!!」


意識が朦朧としていたため俺以外の人間が見えていなかったようだ。
国王陛下の存在に気づいてビシッとする兵士。


兵士によると
現在戦っているのは冒険者ギルド
『ブレイブハート』がほとんど。

最初は兵士たちだけで魔物と交戦していたが
次第に劣勢となり、あとから駆けつけたブルガンリルム王国最大規模の冒険者ギルドである『ブレイブハート』と共闘。

その中心となって指揮を取り討伐しているのは
『ブレイブハート』のトップであるS級冒険者
『レオン・スティーヴン』であるという。


S級冒険者。
A級冒険者の中でもランクがあり
無印、A+1(エープラスワン)、A+2の三段階にわけられる。
そして、A+2の1つ上のランクがS級冒険者だ。

S級冒険者は世界中で
かなり希少な存在だ。

更にS級冒険者にもなれば貴族の伯爵レベルまで
地位を得ることができる。

中にはS級冒険者を引退して貴族になる人もいるぐらいだ。

この地位を手に入れるために俺は冒険者となったのだ。

俺たちを暗殺しようとした闇ギルドを倒して、グランベル家を復興のためにS級冒険者を目指している。

そうでなくてもエリスお嬢様に会う前の俺、
つまり、おっさんだったころの時でさえもS級冒険者に憧れを抱いていた。


そして、俺、テンちゃん、国王陛下は
戦いが激化しているところまでたどり着いた。


「国王陛下!  なぜあなたがここに!?」


『レオン・スティーヴン』

冒険者ギルド『ブレイブハート』のエース。

2つ名は『氷剣の貴公子』

身長も高くスラッしたメガネをかけたイケメンだ。

冒険者には2つ名というのがある。
これはS級冒険者ならほとんど付けられるが
有名ならA級冒険者も付けられる。

2つ名があるということはかなりの知名度があるということだ。

スタートからA級冒険者である俺だが、ギルドに入ってまだあまり経ってないので、知名度としてはあまりない。

しかし、


「もしかして君がウェルくんかい?」


「え?  俺のこと知ってるんですか!?」


冒険者の間ではウワサになっているようだ。


「あいさつが遅れたね。
私は『レオン・スティーヴン』。
ここで指揮を取っている」


S級冒険者に名前を覚えていてもらえるなんて!


「ウェルくんのことはウワサになっているよ。
試験でギルドマスターを倒していきなりA級冒険者になったスーパールーキーってね」


「そ、そんな風に呼ばれているんですね」


ちょっと照れる。


「アタシはリン・テンテンというアル!
ウェルと並ぶ『ルミネスゲート』のツートップ戦力ネ!」


「うん、テンテンもウワサには聞いているよ。
期待している」



すると突然、魔物が数体レオンに襲いかかる。


「危ない!!」


俺が助けようとするが


ズババ!!


一瞬にして魔物たちは剣で斬られた。

そして、その魔物の傷口は凍りついている。


「心配ご無用。
私はこれでもS級冒険者の端くれだ」


余裕で危機察知していたようだ。
俺はさすがS級冒険者と頷く。


「アタシたちも負けてられないネ!!」


「よし!  いこう!!」


テンちゃんと俺は魔物たちの群勢に向かって技を打ち込む。


「はあああああああああああ!!!!」


八極気功拳で次々と魔物を吹っ飛ばすテンちゃん。


「ラーニング2つ同時発動!!!
二刀流『毒迅剣』!!!!!」



俺は二刀流の超高速剣術で魔物たちにかすり傷をつけていく。


「グアアアアアアア!?!?!?」


魔物たちは白目を向いて泡を吹き出し倒れていった。


「ヒュドラの毒を思い知ったか!」


危険度Sランクの魔物ヒュドラ。
かつてウェルたちがなんとか倒した魔物で
そのヒュドラの毒のブレスも習得している。

それにエリスお嬢様のメイド兼護衛であるココさんの高速でしなやかな剣術の二刀流が合わさることで効率よくE~Cランクの魔物を倒していった。


「ウワサ通りの実力だね。
私も負けていられないな」


心なしかウキウキし始めるレオン。
そして、それに続いて冒険者たちも前に出る。


「まだまだ行けるぜ!!!」


ルミネスゲートもそうだが、ブレイブハートも血の気が多い感じだ。
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