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第5章 幽霊屋敷編
76.魔物の換金の結果は凄かった
しおりを挟む朝にひと騒動あったが、ウェル、エリス、テンテン、リーズの4人は、冒険者ギルド『ブレイブハート』に昨日討伐した魔物の報酬を受け取るため訪れた。
ちなみにエリスとリーズの治療クエストの報酬は、既に貰っている。
ギィィッ…。
「やぁ、待ってたよウェルくん」
最初に顔を合わせたのはレオンさんだ。
「レオンさん! 換金は終わりましたか?」
「あぁ、終わったよ。
いくらかは今から発表する。
ウェルくんが来るまで、まだ発表しないでくれって
私が頼んでおいたんだ」
さすができるイケメン。
「そちらの方々もウェルくんのパーティーかな?」
テンちゃんは面識があるがエリスお嬢様とリーズは初対面。
「初めまして! わたくしは
聖女リーズ・アクィルスと申しますわ。
以後お見知り置きを」
「妾はヒーラーのエリスじゃ。
よろしくなのじゃ」
「よろしく、リーズさん、エリスさん」
丁寧にあいさつを返すレオンさん。
「さぁ、ウェルくんたちが来たから、今回の魔物討伐の換金結果を発表してくれ!」
レオンさんがギルド全体に行き渡るように、大きな声を出した。
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
ブレイブハートの冒険者たちが一斉に声を上げる。
待ちに待ったという様子だ。
「では、僭越ながらギルドマスターである
私が発表しよう」
ブレイブハートのギルドマスター。
『デューイ・スターク』が全体を見渡せる場所から現れた。
「コホン。今回の魔物騒動。
みな、ごくろうであった!」
口調が変わった。
やはりギルドマスター。
温厚な時とビシッとする時の切り替えが良き!
「換金結果…報酬は…」
ゴクッ
「白金貨320枚
金貨5枚
銀貨4枚
銅貨9枚だ!!!」
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」
今度は歓喜で叫ぶブレイブハートの冒険者たち。
危険度Sランクの魔物討伐は
白金貨100枚が相場らしい。
今回、ジェネラルベヒーモスを3体倒したので
白金貨300枚。
そしてその他、危険度G~A+1ランクの魔物討伐で
白金貨20枚、金貨5枚、銀貨4枚、銅貨9枚だそうだ。
この世界の通貨と日本円の価値は
銅貨 100円
銀貨 1千円
金貨 1万円
白金貨 10万円
合計3205万4900円ということになるので
とんでもない額だ。
そして、これを山分け。
このクエストに参加した
ブレイブハートの冒険者は100人はいる。
だいたい30万円ほどがウェルとテンテンの元に
いくのだ。
しかし、
「山分け…と言いたいところだが
ウェルくんはほぼ単身でジェネラルベヒーモスを倒している。
テンテンさんも危険度Aランクの魔物を
いくつも倒しジェネラルベヒーモスの討伐にも
貢献した。
よって白金貨105枚はウェルくんとテンテンさんに与えたいと思う」
「ええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?」
俺はレオンさんの提案にめちゃくちゃ驚いた。
「い、いや! それは悪いですよ!
だってレオンさんがジェネラルベヒーモスに
トドメを指したし、そうしてくれなかったら
危なかったし…!」
俺はさすがに悪いと思った。
単独で倒したわけではないのだから。
「私が手を貸さなくても
あの状態からいくらでも対処できた。
違うかいウェルくん?」
バレていた。
ラーニングの力を使えばいくらでも対処はある。
「で、でも…」
「ウェル! ありがたくもらうアル!
お金は取れる時に取っておくアル!!」
瞳がマネーになっているテンちゃん。
「そ、それじゃぁ。お、お言葉に甘えて…」
俺はアイテムボックスを出して
白金貨105枚を収納した。
「妾たちの金貨20枚がかすむ大活躍じゃな。
主として誇らしいのじゃ!」
「わたくしたちが寝ている間に大変でしたわね」
自慢げにドヤるエリスお嬢様と
気遣ってくれるリーズ。
勝負で和解したとはいえ、やはり真逆のキャラ。
「さて、帰ろう!
俺の魔法を使えば一瞬だ!
みんな手を繋いで!」
エリスお嬢様とテンちゃんが手を繋ぐ。
そして、俺がリーズの手を繋ごうとしたら…。
バシッ!
なぜか手を弾かれた。
「いけませんわ! ウェル!」
え? どうしたの?
手を繋ぐことぐらいで拒否られたら、おっさん傷ついちゃうよ?
「殿方と手を繋いだら
子供ができてしまいますわ!!」
「いや、できないからね!?!?!?!?!?」
今朝のやり取りが再び!
俺はなんとか説得してリーズと手を繋ぐ。
「じゃあ、行くよ!
空間魔法『エクストラテレポート』」
そして、俺たちは一瞬で
『ルミネスゲート』に戻ってきた。
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