無能転生者の異世界英雄譚～パーティーを追放されたが、チートスキルを悪役令嬢から授かったので英雄になる〜ですがショタワンコにされました、ぴえん

第５章 幽霊屋敷編

７７．鍛え直した追放冒険者

「到着！」


俺の空間魔法『エクストラテレポート』でルミネスゲートがある街『シーサイドタウン』の入口にした到着。

たった1泊2日のできごとなのに
すごい久しぶり感がある。

エリスお嬢様とリーズの勝負から
危険度Sランクのジェネラルベヒーモスの討伐。
報酬の合計が白金貨105枚と金貨20枚。

今までのクエストの報酬も加えたらとんでもない額になる。

このお金の使い方は、後でみんなで相談することにして…。


「ギルドに向かおう！」


俺はギルドマスターに会って、色々報告することや聞きたいことがある。

さらにリーズの紹介をするはずだったのに、突然クエストで勝負となって、抜け出して来てしまったのだ。


ギィィッ

俺たちはギルドの扉を開けた。


「ただいま！！」


俺があいさつすると、一斉に声を出すルミネスゲートの冒険者。


「おかえりだ！  アニキ！」


「お嬢！  おかえりなすって！」


「姉御！  良くぞご無事で！」


「姫！！」


…もうこの呼び方にツッコミは入れる気力がないが
リーズは姫になったのか…。

ちなみに、俺はアニキ、エリスはお嬢。
テンテンは姉御、というふうに呼ばれている。


「お、来たか！  ウェルくん！」


するとすぐ近くにルミネスゲートのギルドマスター、ゲルドさんがいた。


「ゲルドさん！  お久しぶりです！
報告したいことが山ほどありまして…」


俺があれやこれや言おうとしたところ、ちょっと待てと言わんばかりにゲルドは手を前に出した。


「まぁ、色々あるだろうがそのうちの1つは、ブルガンリルム王国の『ギルドバトル』だろう？」


「あ、はい！」


ブルガンリルム王国の『ギルドバトル』が
行われるのは一週間後。

おっさんだった頃は、どうせ参加しないということで、ルールを知ろうとしなかったから、1から10まで聞いておきたい。


「お前たちはギルドバトルは初めてだろうから
今からルールを説明する。
というより毎年ルールが変わるんだがな」


毎年ルールが変わる！？
どんな大会なんだ！？


「今年のルールはシンプルで
5対5の勝ち抜き戦だ。
相手のギルドの冒険者を5人倒せば勝ち」


随分シンプルだなぁ。


「ちなみに去年は5人のチーム戦だ。
パーティーのチームワークが
非常に大切になる戦いだったな」


なんと、ルールが全然違う！


「今年は各冒険者ギルドの
個人の強さを計るようだ」


「…ということは選ばれた5人は全員戦闘能力が
必要となる…ということですね」


「察しがいいなウェルくん。
今年は近接タイプの冒険者をメインに
模擬戦をしたいそうだ」


なるほど…あまり詳しく調べてなかったが
毎年毎年ギルドバトルのテーマが違うのか…。


「というわけでギルドマスターの権限で
ウェルくんとテンテンは決定させてもらう！」


近接戦闘のスペシャリストと言ってもいい
ルミネスゲートのツートップ。
ウェルとテンテン。

これで5人のうち2人が決定した。
しかし、近接戦闘タイプのみとなると…。


「妾はヒーラーじゃから戦闘は皆無じゃ。
出場するなら別の冒険者にすると良い」


と、言うことでA級冒険者であるがエリスお嬢様は辞退。
では、リーズは？


「わたくしは戦闘のできる精霊とも
契約しておりますわ。
出場に問題はございません」


精霊を呼び出したら一緒に戦うらしいので、リーズは精霊で近接戦闘もできるとのこと。

ということでリーズが加わり3人が決定。

さて、残り2人はどうするか…。


「残り2人なんだが
ギルドバトルの常連戦士を連れてきた！  
さらに腕を磨いて頼もしくなったぞ！」


ゲルドさんは既にその2人を連れてきたようだ…。
その2人とは…？


すると俺たちの前に、見覚えのある若者か現れた。


「久しぶりだなウェル。
いや、アニキとでも呼ぼうか？」


俺を追放したＢ級冒険者。
そのパーティーのリーダー。
剣士ビリー。

そして、その後ろには…。


「いつもすれ違いだからあの件以来ね」


巨乳美女だが目つきの悪い魔導士カーリン。
だが今日は穏やかな表情だ。


「強くなった俺たちに任せな！」


スキンヘッドでムキムキの拳闘士ユルゲンも一緒だ。


「あ！！  みなさん！！！」


オークロードの一件以来初めて対面する俺とビリー。

あの日からビリーは俺に救われてから、めちゃくちゃ鍛錬を積んで高ランクのクエストを、こなしてきた。

その努力の末、ビリー、カーリン、ユルゲンは
最近、A級冒険者に昇格したのだ。


「やっとA級冒険者になってやったぜ！
いつまでも後輩のケツを追いかける訳にはいかないからな！」


何とも頼もしい言葉。
俺はビリーの成長にウルウルしていた。

というわけでルミネスゲートの、ギルドバトル出場者は

俺、テンテン、リーズ、ビリー、ユルゲン。

この5人に決まった。