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第5章 幽霊屋敷編
78.ウェルパーティー重要任務
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ブルガンリルム王国の冒険者武道会
『ギルドバトル』に参加するのは8つのギルド。
そして、ルールはシンプルに5人勝ち抜き戦。
『ルミネスゲート』ではこの5人が選ばれた。
元おっさん美少年ワンコ ウェル・ベルク。
元公爵家の令嬢で聖女リーズ・アクィルス。
異国『シン』の武道家リン・テンテン。
ウェルを追放した冒険者剣士ビリー。
スキンヘッドでムキムキの拳闘士ユルゲン。
元悪役令嬢でヒーラーのエリス・グランベルは
観戦することとなる。
大会は一週間後。
各々は大会に向けて準備をし始めた。
翌日。
俺はその大会よりも考えることがある。
俺のパーティーであるエリスお嬢様、テンちゃん、リーズに宿屋で集まってもらって、深刻な顔をして一言言い放った。
「マイホームを購入しよう」
マイホーム。
それは、冒険者なら誰もが憧れる単語。
しかし、高価なためほとんどの冒険者は購入できない。
S級冒険者レベルになればマイホーム購入の貯蓄がスムーズになるのでS級冒険者なら持っている人もいる。
「何を言い出すかと思えば、まだ早いのではないか?」
S級冒険者になれば貴族になることが可能だ。
その際に屋敷も提供されるという。
なので、S級冒険者でマイホームを持つ人は多くはない。
「これからの戦いで癒しの場が欲しい。
帰ってきて疲れを取る風呂が欲しいんだ!」
俺のマイホーム購入の真の目的は風呂である。
異世界に来てからエリスお嬢様とリーズの屋敷以外は水で洗っている。
これでは疲れが取れない。
そして、風呂なんて高級な代物は宿にはない。
「確かにお風呂は欲しいですわね。
冬になると風邪を引いてしまいますわ!」
リーズも賛成の方針。
「風呂ってそんなに良いものアルか?」
テンちゃんは『シン』にいる時、貧しかったため
風呂に入ったことない。
「素晴らしいものですわ!
淑女足るものお風呂で身体を洗わなければなりませんわ!」
お風呂にかなり食いついてきたリーズ。
昨日初めての水で身体を洗う行為が、よほどイヤだったようだ。
「妾は慣れたがどちらでも良いが…。
S級冒険者から貴族になれば、屋敷が送られるであろう?
お金の使い方がもったいないのではないか?」
お金は無限にあるわけではない。
だからこそ有効活用すべき。
どのみち昇格すれば屋敷が手に入る。
「それもそうですが
S級冒険者になるのはいつになるかわからない。
そして、S級冒険者になったからといって
すぐに貴族になるとは限らない。
移動が必要なら俺の『エキストラテレポート』で
家ごと移動できる」
何度も対立している楽園の使者『ラプラス』。
グランベル家やロッドフォード家を襲った
暗殺専門の闇ギルド 『ナハト』など
貴族になる前に危険分子がたくさんある。
それにエリスお嬢様やリーズ、他を含めて7人の令嬢が
持っているカギ『アリストクラキー』のことも。
「『ラプラス』のこととか全て解決しなければ
安心できないし、常に万全な体制で挑めるように
疲れを取る風呂と気兼ねなく寝れる場所が
必要なんだ!」
強引だがそれなりに筋が通っているとは思う。
なるほどという顔をするテンちゃん、リーズ。
「それにお金ならたくさんある!
今までの貯蓄の半分で良いマイホームが購入できるだろう!」
リザード1000体討伐。
オークロードを含めたオークの大群討伐。
危険度Sランク ヒュドラの討伐。
リーズの病気を治した公爵家からの報酬。
そして、今回の危険度Sランク ジェネラルベヒーモスの討伐。
俺は他にもAランククエストをいくつもこなしてきた。
なので、かなりのお金がある。
「そういえば、わたくしの治療をした報酬は
おいくら頂きましたの?」
リーズはロッドフォード家の件の報酬について
俺に聞いた。
「実は白金貨1000枚だ!!」
「白金貨1000枚!?!?!?!?!?!?」
とてつもない大金に驚くテンちゃんとエリスお嬢様。
白金貨1000枚といったら日本円で1億円だ。
リーズが出ていく朝にイーニアス様から頂いて、アイテムボックスに収納した。
「まぁ、そんなに頂いてしまったのですね」
「そんなにって金額じゃないアル!!!」
ロッドフォード家の当主イーニアス・ロッドフォード様は突然ルミネスゲートに訪れた。
なので、正式な報酬は決まっていなかったのだが、まさかここまで大金になるとはと驚く。
おそらく娘の命を救ってくれた礼だけでなく、これからのリーズの護衛任務と新しい旅立ちの資金でもあるのだろう。
「そういえばリーズは何者アルか?」
俺はエリスお嬢様との勝負や魔物の騒動があり、リーズを紹介していなかった。
「えーっと…リーズは…」
本来は極秘。
なので、打ち明けない方針だったが
リーズが口を開いた。
「ウェル、わたくしから話しますわ」
恐らく信頼できる仲間と認識してくれたのだろう。
ならば、全てを話すリーズ。
リーズはリンジー・ロッドフォードで、公爵家の娘であること。
暗殺ギルド『ナハト』が、グランベル家とロッドフォード家を狙ったこと。
7人の令嬢が持つ『アリストクラキー』のこと。
エリスお嬢様にも知る必要がある内容だけあって
かなりの情報量だ。
「……なんかすごいこと聞いたアル…」
「…まさか公爵家とはのう…」
驚くテンちゃんとエリスお嬢様。
「カギのことは前から聞いておる。
どこにあるかわからなかったが妾の中にある
ということじゃな?」
「そうなりますわ」
『アリストクラキー』を持つ令嬢はここに2人。
エリスとリーズ。
あと、5人はどこにいるのやら。
「そうと決まればより一層前衛を頑張るアル!」
それらを聞いて怖気づくような者は、俺のパーティーにはいない。
「それなら妾も意地でも生き残ってやるのじゃ。
リーズ、お主も死なせないぞ!」
一昨日まで敵対していたが
もう大丈夫のようだ。
「わたくしも戦える身ですわ!
そう簡単にやられなくてよ?」
それぞれ言いたい想いを言ったおかげか
より一層パーティーの絆が深まった。
「よし! それじゃあこの一週間で…」
絆が深まったパーティーが一斉に声を出す。
「マイホーム購入!!!!
そして、風呂に入る!!!!!」
この4人でのウェルパーティー最初の任務。
マイホーム購入が決まった。
『ギルドバトル』に参加するのは8つのギルド。
そして、ルールはシンプルに5人勝ち抜き戦。
『ルミネスゲート』ではこの5人が選ばれた。
元おっさん美少年ワンコ ウェル・ベルク。
元公爵家の令嬢で聖女リーズ・アクィルス。
異国『シン』の武道家リン・テンテン。
ウェルを追放した冒険者剣士ビリー。
スキンヘッドでムキムキの拳闘士ユルゲン。
元悪役令嬢でヒーラーのエリス・グランベルは
観戦することとなる。
大会は一週間後。
各々は大会に向けて準備をし始めた。
翌日。
俺はその大会よりも考えることがある。
俺のパーティーであるエリスお嬢様、テンちゃん、リーズに宿屋で集まってもらって、深刻な顔をして一言言い放った。
「マイホームを購入しよう」
マイホーム。
それは、冒険者なら誰もが憧れる単語。
しかし、高価なためほとんどの冒険者は購入できない。
S級冒険者レベルになればマイホーム購入の貯蓄がスムーズになるのでS級冒険者なら持っている人もいる。
「何を言い出すかと思えば、まだ早いのではないか?」
S級冒険者になれば貴族になることが可能だ。
その際に屋敷も提供されるという。
なので、S級冒険者でマイホームを持つ人は多くはない。
「これからの戦いで癒しの場が欲しい。
帰ってきて疲れを取る風呂が欲しいんだ!」
俺のマイホーム購入の真の目的は風呂である。
異世界に来てからエリスお嬢様とリーズの屋敷以外は水で洗っている。
これでは疲れが取れない。
そして、風呂なんて高級な代物は宿にはない。
「確かにお風呂は欲しいですわね。
冬になると風邪を引いてしまいますわ!」
リーズも賛成の方針。
「風呂ってそんなに良いものアルか?」
テンちゃんは『シン』にいる時、貧しかったため
風呂に入ったことない。
「素晴らしいものですわ!
淑女足るものお風呂で身体を洗わなければなりませんわ!」
お風呂にかなり食いついてきたリーズ。
昨日初めての水で身体を洗う行為が、よほどイヤだったようだ。
「妾は慣れたがどちらでも良いが…。
S級冒険者から貴族になれば、屋敷が送られるであろう?
お金の使い方がもったいないのではないか?」
お金は無限にあるわけではない。
だからこそ有効活用すべき。
どのみち昇格すれば屋敷が手に入る。
「それもそうですが
S級冒険者になるのはいつになるかわからない。
そして、S級冒険者になったからといって
すぐに貴族になるとは限らない。
移動が必要なら俺の『エキストラテレポート』で
家ごと移動できる」
何度も対立している楽園の使者『ラプラス』。
グランベル家やロッドフォード家を襲った
暗殺専門の闇ギルド 『ナハト』など
貴族になる前に危険分子がたくさんある。
それにエリスお嬢様やリーズ、他を含めて7人の令嬢が
持っているカギ『アリストクラキー』のことも。
「『ラプラス』のこととか全て解決しなければ
安心できないし、常に万全な体制で挑めるように
疲れを取る風呂と気兼ねなく寝れる場所が
必要なんだ!」
強引だがそれなりに筋が通っているとは思う。
なるほどという顔をするテンちゃん、リーズ。
「それにお金ならたくさんある!
今までの貯蓄の半分で良いマイホームが購入できるだろう!」
リザード1000体討伐。
オークロードを含めたオークの大群討伐。
危険度Sランク ヒュドラの討伐。
リーズの病気を治した公爵家からの報酬。
そして、今回の危険度Sランク ジェネラルベヒーモスの討伐。
俺は他にもAランククエストをいくつもこなしてきた。
なので、かなりのお金がある。
「そういえば、わたくしの治療をした報酬は
おいくら頂きましたの?」
リーズはロッドフォード家の件の報酬について
俺に聞いた。
「実は白金貨1000枚だ!!」
「白金貨1000枚!?!?!?!?!?!?」
とてつもない大金に驚くテンちゃんとエリスお嬢様。
白金貨1000枚といったら日本円で1億円だ。
リーズが出ていく朝にイーニアス様から頂いて、アイテムボックスに収納した。
「まぁ、そんなに頂いてしまったのですね」
「そんなにって金額じゃないアル!!!」
ロッドフォード家の当主イーニアス・ロッドフォード様は突然ルミネスゲートに訪れた。
なので、正式な報酬は決まっていなかったのだが、まさかここまで大金になるとはと驚く。
おそらく娘の命を救ってくれた礼だけでなく、これからのリーズの護衛任務と新しい旅立ちの資金でもあるのだろう。
「そういえばリーズは何者アルか?」
俺はエリスお嬢様との勝負や魔物の騒動があり、リーズを紹介していなかった。
「えーっと…リーズは…」
本来は極秘。
なので、打ち明けない方針だったが
リーズが口を開いた。
「ウェル、わたくしから話しますわ」
恐らく信頼できる仲間と認識してくれたのだろう。
ならば、全てを話すリーズ。
リーズはリンジー・ロッドフォードで、公爵家の娘であること。
暗殺ギルド『ナハト』が、グランベル家とロッドフォード家を狙ったこと。
7人の令嬢が持つ『アリストクラキー』のこと。
エリスお嬢様にも知る必要がある内容だけあって
かなりの情報量だ。
「……なんかすごいこと聞いたアル…」
「…まさか公爵家とはのう…」
驚くテンちゃんとエリスお嬢様。
「カギのことは前から聞いておる。
どこにあるかわからなかったが妾の中にある
ということじゃな?」
「そうなりますわ」
『アリストクラキー』を持つ令嬢はここに2人。
エリスとリーズ。
あと、5人はどこにいるのやら。
「そうと決まればより一層前衛を頑張るアル!」
それらを聞いて怖気づくような者は、俺のパーティーにはいない。
「それなら妾も意地でも生き残ってやるのじゃ。
リーズ、お主も死なせないぞ!」
一昨日まで敵対していたが
もう大丈夫のようだ。
「わたくしも戦える身ですわ!
そう簡単にやられなくてよ?」
それぞれ言いたい想いを言ったおかげか
より一層パーティーの絆が深まった。
「よし! それじゃあこの一週間で…」
絆が深まったパーティーが一斉に声を出す。
「マイホーム購入!!!!
そして、風呂に入る!!!!!」
この4人でのウェルパーティー最初の任務。
マイホーム購入が決まった。
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