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第6章 ギルドバトル編

102.闇ギルドNo.2

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『アトモスロード』と偽り、冒険者武道会ギルドバトルにしんにした暗殺専門の闇ギルド『ナハト』のメンバーは6人。

No.14『ギムレット』
No.13『マティーニ』
No.12『マルゲリータ』
No.11『ニコラシカ』

この4人は倒されて残り2人となった。

しかし『アトモスロード』のギルドマスターにすり変わっていた『ナハト』の一人にギルドマスターが総出で挑んだのだが敗北してしまった。


「く、くそ…なんてこった…」


ブルガンリルム王国に構えるギルドのマスターたちが全員で挑んだにも関わらず全く歯が立たない。


「まぁ、当然といえば当然なんだよね
冒険者ギルドよりも闇ギルドが強いのは世界の常識」


現在、確認されている闇ギルドでも討伐が難しいものもある。

それは単純に強いからだ。

過去に各国のS級冒険者を集めて闇ギルドのトップに挑んだが失敗に終わったほどだ。


「あぁ…自己紹介が遅れたね。
私は『ナハト』のNo.2 ウォーカーさ」


闇ギルド『ナハト』のNo.2 ウォーカー。
『ナハト』のギルドマスターの右腕とも言える存在。


「な、No.2だと!?
なんでそんなやつがこの大会にいるんだ!?」


ルミネスゲートのギルドマスター
『ゲルド・ダスティン』が問い詰める。


「ははは、理由?  大したことないよ。
今、会場で暴れているルビーっていうウチのバカは殺人衝動が抑えられないヤツでね。
定期的に人殺しさせてあげないと気が済まないんだよ。
そんでその証拠隠滅を私がやるということさ」


ウォーカーはあざ笑いながら話す。


「…た…たったそれだけ…たったそれだけで!
ここにいる冒険者も一般人も皆殺しにするというのか!!!!」


倒れながらもその理由にキレて怒鳴るゲルド。


「あぁそうだよ?
あと、ルビー以外は数合わせでね。
暴れたいだけのヤツに参加させたんだ」


このギルドバトルに参加するには5人である必要がある。
それに合わせたという。


「ウチのギルドはナンバーの数字が1に近づけば近づくほど強くなる。
そしてNo.5からの強さは異常だ」


そして、こちらは会場。


「やっぱつまんねーな」


No.5『ルビー』に挑んだ冒険者たちは
全員倒れていた。


「…な…なんですの…?」


「…か…身体に…力が…入らないアル…」


ルミネスゲートの聖女リーズ・アクィルスも
武道家リン・テンテンも同様に倒れていた。


「どいつもこいつも張合いがねぇーなー!
ひゃははは!!」


全く微動だにせず冒険者たちを全員倒したルビーは
自分の強さを主張してあざ笑う。


「くっそ!!  いったいなんなんだ!!」


「やつの魔法だろうが仕掛けがわからない」


どの冒険者もルビーの魔法を解明できないでいる。

今、わかっているのは

『ルビーに挑んだら力が抜けて倒れる』
『どんなに人数や手数を増やしても関係ない』

ということだけだ。


「さぁ、じっくりいたぶって楽しもうとするか」


ルビーはナイフなどを取り出して一人一人時間をかけて殺すつもりだ。



「氷剣奥義『アブソートリー・ゼロ』」


ピキピキ


冒険者たちが倒れている会場の地面が全て氷で覆われた。


「な、なんだなんだ!?」


同様するルビー。


「待たせたね。みんな」


ブルガンリルム王国元最強の冒険者。
氷剣の貴公子『レオン・スティーブ』が
ルビーに挑む。


「レオンさん!!!」


レオンの登場に安堵する冒険者たち。


「気をつけてください!!  
やつの魔法は未知数だ!!」


注意喚起をするキーファ。


「大丈夫。安心して。
回復と分析に時間がかかったが
もうこの魔法は私には効かない」


そう言いながらルビーの前に立つ。
見たところレオンはなんの症状も出てないようだ。


「君は自分の魔力を地面に流してその領域に入った者たちの力を奪うものだろう?
私がその地面を氷で覆ったから無効化されたはずだ」


「ほほう、よく分析してきたな。
俺の固有魔法『ウィークネス』の応用だ。
地面に魔力を流して俺のテリトリーを作り
俺に『殺気』を向けたものを全員脱力させるのだ」


固有魔法『ウィークネス』。
対象者に対して脱力させる魔法。
無機物を介すことで更に効果の幅を広げることが可能だ。
しかも脱力した者を回復させる方法は療養するか回復アイテムを使用するしかない。


「それにしても俺も凍らせれば
それでおしまいなのになぜしなかった?」


『アブソートリー・ゼロ』は広範囲に凍らせる技であると同時に自分の意思で凍らせる対象物を決めることができる。


「わかるぜ?  俺も凍らせようとしたんだろ?
だができなかった!!
さぁ、なんでかなぁ!?!?」


もちろんルビーも狙っていた。
しかし、効かなかったようだ。


「そして、もうこの大技を使うほど魔力が残ってないんだろ?」


「……全てお見通しというわけか…」



ウェルとの戦いで消耗した魔力をマジックポーションなどで回復をしていたがまだ完全ではなかった。

そうでなくても『アブソートリー・ゼロ』は何度も使える技ではない。


「俺のタネがわかったからといって俺を倒せると思うなよ?
ちょうどホネのあるやつがほしいと思っていたんだ。
見せてやるぜ?
闇ギルド『ナハト』No.5の力を!」


ブルガンリルム王国最強の冒険者が勝つか。

闇ギルド『ナハト』No.5であるルビーが勝つか。
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