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番外編ー本編開始前
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「先生。コーヒー、淹れましたよ」
「おー、サンキュ」
初めて会った日から、どれくらい経っただろう。
その時は、もう二度と会うことはないだろうと、思っていたのだけれど。
色々な偶然が重なって、コイツが高校生になった今も、俺の助手として、毎日放課後に顔を合わせるまでになった。
あの頃に比べれば、コイツの背も伸びたし、顔つきも可愛い系から綺麗系になり、けれどより青年らしい骨格となった。……ついでに残念なことに、俺のことも好きになったとか、抜かしやがるようにまでなっていて。
けれど、思いきって告白したことで満足したのか、今のところそれ以上俺に迫る様子もないし、望んでるようにも見えなかった。もしかすると、そんな奴の態度が、俺への気持ちがあると知った上で、まだ傍に置いてやっている理由のひとつかもしれない。
「なー、月島」
「何ですか、先生」
「お前、いつから俺のこと好きになったわけ?」
そう質問すると、前から何かを吹き出したような音と、むせてけほけほ咳き込む声がする。
「ちょ…急に何なんですか、一体!?」
「いや、なーんかボーッとしてたら、お前と初めて会った頃のこと思い出してよ。…あの頃は、俺の顔を見るなり泣き出しやがったよなぁ、と思い出してよ」
「あー……あの頃、ですか」
少し遠い目になって、思い出すように目を細めた。
「……ちょっと、色々あって。当時としてはいっぱいいっぱいだったところを、先生の言葉に救われて嬉しかった。それだけです」
「ふーん」
もしかしたら、こうなるのを予測して昔から狙っていた、とかだったら策士にもほどがあるだろ、と言いたかったのだが。
「……今となっては、一目惚れだったのかもなぁ……無自覚だけど」
「なんか言ったか?」
「い、いいえ!」
何かボソリと言った気がするが、よく聞こえなかった。ちゃんと聞いときゃよかったか?
「なー、月島」
「はい?」
きょとんと俺を見返す月島。
……本当、成長期のガキは、眩しいもんだな。
「……お前。俺なんか好きになって、後悔してねーの?」
俺の問いに、アイツは1つ瞬きをして。
あの日、俺に最後に見せたくれた、あの綺麗な笑顔で。予想通りの答えを返してくる。
「いいえ。あなたを好きになれて、俺は幸せですよ」
了
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