先生、いきなり人の後ろから壁ドンするのはどうかと思います!【番外編連載中】

あか

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番外編ー本編開始前

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* * *

「先生。コーヒー、淹れましたよ」
 「おー、サンキュ」

初めて会った日から、どれくらい経っただろう。

その時は、もう二度と会うことはないだろうと、思っていたのだけれど。

色々な偶然が重なって、コイツが高校生になった今も、俺の助手として、毎日放課後に顔を合わせるまでになった。

あの頃に比べれば、コイツの背も伸びたし、顔つきも可愛い系から綺麗系になり、けれどより青年らしい骨格となった。……ついでに残念なことに、俺のことも好きになったとか、抜かしやがるようにまでなっていて。

けれど、思いきって告白したことで満足したのか、今のところそれ以上俺に迫る様子もないし、望んでるようにも見えなかった。もしかすると、そんな奴の態度が、俺への気持ちがあると知った上で、まだ傍に置いてやっている理由のひとつかもしれない。

「なー、月島」
 「何ですか、先生」
 「お前、いつから俺のこと好きになったわけ?」

そう質問すると、前から何かを吹き出したような音と、むせてけほけほ咳き込む声がする。

「ちょ…急に何なんですか、一体!?」
 「いや、なーんかボーッとしてたら、お前と初めて会った頃のこと思い出してよ。…あの頃は、俺の顔を見るなり泣き出しやがったよなぁ、と思い出してよ」
 「あー……あの頃、ですか」

少し遠い目になって、思い出すように目を細めた。

「……ちょっと、色々あって。当時としてはいっぱいいっぱいだったところを、先生の言葉に救われて嬉しかった。それだけです」
 「ふーん」

もしかしたら、こうなるのを予測して昔から狙っていた、とかだったら策士にもほどがあるだろ、と言いたかったのだが。

「……今となっては、一目惚れだったのかもなぁ……無自覚だけど」
 「なんか言ったか?」
 「い、いいえ!」

何かボソリと言った気がするが、よく聞こえなかった。ちゃんと聞いときゃよかったか?

「なー、月島」
 「はい?」

きょとんと俺を見返す月島。
……本当、成長期のガキは、眩しいもんだな。

「……お前。俺なんか好きになって、後悔してねーの?」

俺の問いに、アイツは1つ瞬きをして。
あの日、俺に最後に見せたくれた、あの綺麗な笑顔で。予想通りの答えを返してくる。
 
  

「いいえ。あなたを好きになれて、俺は幸せですよ」

  
  
  


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