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第2章 帰依
三話 拒絶
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「あっ! おかえりユキ」
アミのお迎えの言葉に、ユキは手に持っていた手籠を下に置く。
「この季節ですから、魚もそうそう捕れませんでした……」
そう言いながらも手籠には、十匹余りの川魚が詰められていた。
「ちょっーーちょっと待ってよ! いきなりただいまって……アンタ誰よ!?」
ミオは何食わぬ顔で、家に上がり込んできたユキに対し声を荒げる。
無理も無い。面識が無い者が突然やってきたのだから、何が何だか分からない。しかもどう見ても見覚えの無い、明らかな余所者。更には異質過ぎる髪と瞳の色はミオを困惑させるには充分過ぎた。
それにこの集落には、余所者は立ち入るべからず。外敵排除の掟もある。
ミオの瞳は明らかな“敵意”を以って、ユキを見据えていた。
だがそれは、彼にとっても同じ気持ち。
「いきなり失礼ですね。そういうアナタこそ誰ですか?」
ユキも怪訝そうにミオを見据えるが、その声には動揺も敵意も感じられない。
「それはこっちの台詞よ!」
ユキは冷静な口調だが声を荒げるミオとの間に、不穏な空気が張り詰めていく。
「はいはい、二人共落ち着いて」
アミが二人の間に仲裁に入る。とはいえ、意気込んでいるのはミオだけであり、ユキの方は至って冷静。特に気にする様子も無い。
「ユキ、いきなりびっくりさせてごめんね。この子は私の妹のミオ。ほら、前に話したでしょ?」
アミはまずユキに状況説明をする。相変わらずミオの方は、アミの背中に隠れる様にユキを睨んでいる。
「そう言えば……確かに雰囲気が似ていますね」
ユキは既に床に正座し、アミの話に耳を傾けていた。
アミは続いて背中に隠れる様に睨んでいたミオへ振り向き、ユキの事を説明する。
「ミオ、私達の新しい家族のユキよ。何時までも睨んでないで、ちゃんと挨拶しなさい」
アミの言葉に、ミオは“信じられない”と、飛び上がらんばかりに驚いて。
「ちょっと待ってよ姉様!? 何でこんな得体の知れない奴が、私達の家族になんのよ!」
「ミオ!」
ミオのいきり立つ暴言に、アミは軽く彼女を叱咤し、続いてユキの方を振り向く。
「ごめんねユキ。この通り人見知り激しくて、ちょっとお転婆で……」
アミの謝罪の言葉に、ユキは笑顔で返す。
「気にしていませんよ。それに妹さんの言い分も分かります。いきなり得体の知れない者を家族と言われても、納得出来ないのは当然の事かと」
その後はミオにこれまでの経緯を説明するのに、暫しの刻が過ぎていった。
アミのお迎えの言葉に、ユキは手に持っていた手籠を下に置く。
「この季節ですから、魚もそうそう捕れませんでした……」
そう言いながらも手籠には、十匹余りの川魚が詰められていた。
「ちょっーーちょっと待ってよ! いきなりただいまって……アンタ誰よ!?」
ミオは何食わぬ顔で、家に上がり込んできたユキに対し声を荒げる。
無理も無い。面識が無い者が突然やってきたのだから、何が何だか分からない。しかもどう見ても見覚えの無い、明らかな余所者。更には異質過ぎる髪と瞳の色はミオを困惑させるには充分過ぎた。
それにこの集落には、余所者は立ち入るべからず。外敵排除の掟もある。
ミオの瞳は明らかな“敵意”を以って、ユキを見据えていた。
だがそれは、彼にとっても同じ気持ち。
「いきなり失礼ですね。そういうアナタこそ誰ですか?」
ユキも怪訝そうにミオを見据えるが、その声には動揺も敵意も感じられない。
「それはこっちの台詞よ!」
ユキは冷静な口調だが声を荒げるミオとの間に、不穏な空気が張り詰めていく。
「はいはい、二人共落ち着いて」
アミが二人の間に仲裁に入る。とはいえ、意気込んでいるのはミオだけであり、ユキの方は至って冷静。特に気にする様子も無い。
「ユキ、いきなりびっくりさせてごめんね。この子は私の妹のミオ。ほら、前に話したでしょ?」
アミはまずユキに状況説明をする。相変わらずミオの方は、アミの背中に隠れる様にユキを睨んでいる。
「そう言えば……確かに雰囲気が似ていますね」
ユキは既に床に正座し、アミの話に耳を傾けていた。
アミは続いて背中に隠れる様に睨んでいたミオへ振り向き、ユキの事を説明する。
「ミオ、私達の新しい家族のユキよ。何時までも睨んでないで、ちゃんと挨拶しなさい」
アミの言葉に、ミオは“信じられない”と、飛び上がらんばかりに驚いて。
「ちょっと待ってよ姉様!? 何でこんな得体の知れない奴が、私達の家族になんのよ!」
「ミオ!」
ミオのいきり立つ暴言に、アミは軽く彼女を叱咤し、続いてユキの方を振り向く。
「ごめんねユキ。この通り人見知り激しくて、ちょっとお転婆で……」
アミの謝罪の言葉に、ユキは笑顔で返す。
「気にしていませんよ。それに妹さんの言い分も分かります。いきなり得体の知れない者を家族と言われても、納得出来ないのは当然の事かと」
その後はミオにこれまでの経緯を説明するのに、暫しの刻が過ぎていった。
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