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第2章 帰依
四話 惨劇
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――――夕刻――――
「ふ~ん、そんな事があったんだ……」
アミの状況説明に、ミオはようやく納得した様に呟く。
「でもアンタ、そんな強い様には全然見えないんだけど……」
それもそうだろう。“特異点”で在る事を除けば、ユキはまだ十二前後の少年に過ぎない。
ふとミオに、とある考えが浮かぶ。
「アンタがホントに強いか、私と勝負よ!」
正座しているユキに、ミオは指を突き立てて考案したのを提案。
「ちょっとミオ……」
アミはミオの馬鹿げた提案を諌めるが、ミオは既にやる気満々だ。
「だって姉様? 私にはどうしてもアイツが強いとは思えないの。私がこの目で見ないと認めないから!」
何やら話がおかしな方向へと進んでいく。ユキは深いため息を吐きながらも口を開く。
「何を馬鹿な事を。アナタと勝負をするメリットが、見当たりませんのですが……」
そう。これは無意味な事。
そもそもレベルが違い過ぎて、勝負として成立しないのだが、ミオはそんな事知るよしも無い。
「アンタには無くても私にはあるの! ホントに姉様を守れるだけの力があるのか、私に見せてみなさいよ!」
売り言葉に買い言葉。このままでは埒があかないと判断したのか、ユキはやる気無く口を開いた。
「仕方ありませんね。アナタにはもう少し、分かり易い“形”で教えなければならないみたいです」
「へへ、やっとやる気になったみたいね」
“さあ見せて貰うわよ。アンタがどれだけ強いかを”
「もう知らない!」
アミは二人に対し、呆れた様にそっぽ向いた。
ミオはアミのそんな想いとは裏腹に、腰の裏に差した小太刀の鯉口を切ろうとした時だった。
「ーーえっ?」
ミオは確かに見た。それよりも速く、何時の間にか傍らに置いていた刀を抜き放っていたユキが、袈裟懸けに切り掛かっていたのを。
“ちょっーー速っ!!”
ユキの居合いによる超高速の抜き打ちは、小太刀の鯉口を切ろうとしていたミオの身体を、容赦無く脇下から肩に掛けて斬り裂いた。
「きゃああああぁぁぁぁ!!」
斬られていく感触が生々しく伝わっていき、ミオは悲鳴を上げる。そして彼女は鮮血が吹き上がるのを感じながら、自分の身体が二つに分離したのが感覚で分かった。
“そんな……こんな所で死ぬなんて……”
それは予想だにしなかった、突然の惨劇だった。
「ふ~ん、そんな事があったんだ……」
アミの状況説明に、ミオはようやく納得した様に呟く。
「でもアンタ、そんな強い様には全然見えないんだけど……」
それもそうだろう。“特異点”で在る事を除けば、ユキはまだ十二前後の少年に過ぎない。
ふとミオに、とある考えが浮かぶ。
「アンタがホントに強いか、私と勝負よ!」
正座しているユキに、ミオは指を突き立てて考案したのを提案。
「ちょっとミオ……」
アミはミオの馬鹿げた提案を諌めるが、ミオは既にやる気満々だ。
「だって姉様? 私にはどうしてもアイツが強いとは思えないの。私がこの目で見ないと認めないから!」
何やら話がおかしな方向へと進んでいく。ユキは深いため息を吐きながらも口を開く。
「何を馬鹿な事を。アナタと勝負をするメリットが、見当たりませんのですが……」
そう。これは無意味な事。
そもそもレベルが違い過ぎて、勝負として成立しないのだが、ミオはそんな事知るよしも無い。
「アンタには無くても私にはあるの! ホントに姉様を守れるだけの力があるのか、私に見せてみなさいよ!」
売り言葉に買い言葉。このままでは埒があかないと判断したのか、ユキはやる気無く口を開いた。
「仕方ありませんね。アナタにはもう少し、分かり易い“形”で教えなければならないみたいです」
「へへ、やっとやる気になったみたいね」
“さあ見せて貰うわよ。アンタがどれだけ強いかを”
「もう知らない!」
アミは二人に対し、呆れた様にそっぽ向いた。
ミオはアミのそんな想いとは裏腹に、腰の裏に差した小太刀の鯉口を切ろうとした時だった。
「ーーえっ?」
ミオは確かに見た。それよりも速く、何時の間にか傍らに置いていた刀を抜き放っていたユキが、袈裟懸けに切り掛かっていたのを。
“ちょっーー速っ!!”
ユキの居合いによる超高速の抜き打ちは、小太刀の鯉口を切ろうとしていたミオの身体を、容赦無く脇下から肩に掛けて斬り裂いた。
「きゃああああぁぁぁぁ!!」
斬られていく感触が生々しく伝わっていき、ミオは悲鳴を上げる。そして彼女は鮮血が吹き上がるのを感じながら、自分の身体が二つに分離したのが感覚で分かった。
“そんな……こんな所で死ぬなんて……”
それは予想だにしなかった、突然の惨劇だった。
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