皇太子と結婚したくないので、他を探して下さい【完結】

Lynx🐈‍⬛

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 お互い初めての事の為、緊張しながら身体の汗だけは流し、ルティアはただリアンが来るだろう部屋の風呂場で、濡れた髪を乾かしていた。
 すると、ルティアの居る部屋の扉が開いた。

「っ!」

 リアンだと分かったのだが、顔を合わせるのが照れ臭く、出るに出れないでいると、風呂場の外から声が聞こえた。

『ティア、居るか?』
「っ!…………う、うん……」
『あ、あのさ………急な事だし、本当に嫌だったらまた今度でも良いんだからな?』
「…………そ、それだとまたいつ会えるか分からないじゃない!」
『…………そう思ってるなら、心の準備出来次第出て来て』
「…………う、うん……」

 扉越しだが、リアンの声も幾分か上擦っていて、震えている様に聞こえた。

「…………待たせちゃ………駄目だよね……」

 宿屋の備え付けされているバスローブを着ていたルティアは、胸が開けない様に風呂場から出ると、リアンはベッドの脇に座って待っていた。

「リアン」
「…………ティア、おいで」
「あ、あのね………私初めてだから………う、上手く出来なかったらごめんね」
「…………俺だって経験無いけど、ティアを大事に抱きたいと思ってるよ」

 ルティアがリアンの横に座ると、仄かに同じ石鹸の香りがする。
 お互いに心拍が爆上がりになるのだが、お互いそれどころではない緊張感だ。
 それでも、リアンがリードしなければならないだろうこの状況で、この日を逃せば、またいつ会えるか分からない。
 皇太子で城に居る間は、ルティアはリアンを拒む態度で居るだろうからだ。
 そっと、リアンの手が、ルティアの髪に掛かり、首裏に回されると、ルティアはリアンを見上げた。

「…………好きだよ、ティア」
「私もリアンが好き」
「「…………」」

 言葉を交わさずとも、ルティアが目を閉じれば、リアンは唇を重ねてきてくれて、チュ、チュ、と短い触れるキスから始まった。

「…………もっとティアを貪るけどいい?」
「…………う……ん……」
「…………照れた顔可愛い……ティア………」
「っ!」

 恥ずかしがって、頬を染めていたルティアに優しく微笑むリアンはもっと近付きたくて、ルティアの顎に手を添え、唇を自身の舌で開かせた。
 ルティアも受け入れる事を拒まず、リアンのするキスの仕方を邪魔しない様に任せていた。

「っ……ん……っ……」

 甘い声が、ルティアから息と共に吐かれ、リアンを刺激していくと、ルティアにリアンの体重が掛かっていく。
 押し倒されるのだと理解するのは直ぐだった。

「…………もっとキスしたい………」
「私も………」
「でも…………唇だけじゃない場所に………」
「っ!」

 バスローブの胸元から滑り込まされたリアンの大きな手。
 優しく触れ、谷間をなぞる。

「滑らな肌………吸い付いてくる様だな………」
「は、恥ずかしいよ………そんな事言われたら……」
「触りたかったんだ………ずっと………出会った時から………」
「…………そ、そんなに前から?」
「…………そう………ティアの奏でるピアノの音が、俺を夢中にさせたんだ………それからは、ティアの事を知れば知る程、欲しくなったよ………心も………そして……身体も欲しくなった……我慢しなきゃ、と思ってたけど………もう無理………限界………」
「っん!」

 谷間にリアンの顔が埋まる。
 舌が這い、舐められる胸。谷間に埋まるリアンの息が熱く、ルティアも火照らせていた。
 リアンがルティアの胸に吸い付いてくるのに気が付くと、チリッとした痛みがルティアを感じさせた。

「…………キスなのに痛かった……」
「…………って印を付けたかったんだ………駄目だったか?」
「ううん………嬉しい……」
「数日は残るから、隠れる服着てくれよ?」
「う、うん」

 隠させるなら付ける意味はあるのだろうか、と思われたが、ルティアはフェリエ侯爵の目に触れさせる事が無い場所なら、と安心する。
 幾つか、所有痕は胸周りに付けられたが、それ以上にリアンに翻弄されていく、手の動きも始まり、蕾をコリコリと弄ばれ、揉みしだかれていった。

「っあ………あ……こ、声………止めた……い……」
「もっと聞きたい………でなきゃ、両隣迄借りない」
「っ!」

 何故両隣迄借りるのだろう、とルティアは思っていたが、それがこの意味に繋がるとは思ってもいなかった。
 そんなに声を出す行為なのかもルティアは知らない。
 そもそも、そういう行為をしているであろう両親の部屋も覗かないし、部屋も離れていて、知りもしなかった。

「よ、世の中の………女……の人……皆………声……我慢しな……いの………かな……?」
「…………女が気持ち良いと、甘い声が出るんだそうだ………実際にその行為を見学した事もあるんだが、我慢は良くないらしく、俺もティアには我慢させたくない………それに……ピアノを奏でる様な、ティアの声が聞こえるのは嬉しい………」
「リ、リアン………恥ずかし……から……」
「だから、両隣も借りたんだろ?」
「ゔっ………」
「我慢するなよ、ティア………もっと気持ち良い事をしてくんだから………」
「っ!」

 バスローブは全部脱がされてなくても、触れる場所はある。
 ルティアの腰から下、太腿の内側をリアンは自身の足を挟み入れ、今から触りたい場所に膝を押し付けた。

触らせてくれるんだろ?」
「っ!………い、痛く………しないでね?」
「気を付ける」

 グリグリと秘部に押し付けられる力は強くはないが、胸の愛撫される大きな2本の手と、秘部に当たる足の3ヶ所同時の刺激に、ルティアは腰をくねらせていった。
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