束縛と緊縛の世界へ【完結】

Lynx🐈‍⬛

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 由真が身体を先に洗い、頭を洗おうとしていた時、桐生が裸になって入って来た。

「っ!」
「緊張が俺に移るって………身体洗ったら出ていいぞ………タオルは分かるように置いておいたし、俺が出る迄、身体冷やさない様に、俺のスエットと由真の下着も出してあるから」
「あ、ありがとうございます」
「あ………湯船浸かる?」
「…………で、出来れば………あ………いいです!身体洗ったら出ます!」

 湯船に一緒に入る事になったら、2人で湯船に浸かるのは狭いだろう。
 長身の桐生には1人でも狭そうだ。

「…………じゃあ、髪乾かしておけよ」
「は、はい………」

 桐生からドライヤーを借りて髪を乾かしている間に桐生は風呂から出て来る。
 男の素っ裸を見るのも始めての由真には、風呂上がりの男の色気は刺激が強かった。

「………ん?如何した?目を逸らして」
「な、何でもないです!翼希さんも髪乾かしますよね?ドライヤーありがとうございました………さ、先出てます………」

 由真はコンタクトを外した後で良かった、と熟思った。もし装着したままだったら、桐生のを間近に見てしまうから。ぼやけた状態で良かったと思いながら、リビングのソファに座った由真。

「何でそっち?ベッドで待ってろよ」
「っ!………だ、だって………何処で待ってていいか分からなかったんです!」
「…………水、ベッドに持ってくから、先ベッドに行ってろ」
「は、はい………」

 リビングから、ベッドのある寝室に向かう由真は桐生のボヤキを聞いてしまった。

「…………久々で緊張してんな………俺も……」

 自分だけではなくて、ホッとする由真。だからといって、桐生は経験もあって、数多くの女の裸を見てきている筈で、処女の由真を抱くのは、がっかりさせてしまうかもしれず、安堵しても直ぐに緊張に戻ってしまい、ベッド脇に座るぐらいで精一杯だ。

「…………電気、常夜灯にしようか?」
「っ!」

 桐生が後から寝室に来ると、幾つかのアダルトグッズを手に持っていた。
 これから、由真は桐生の支配下で陵辱されるのだ、と教えられた。

「ど、如何すればいいですか?私………」
「そのままでいいよ。初めて奪う時は俺、コレ使わないつもりだから」
「…………え?」
「いきなりハードなもんなは」

 アダルトグッズをベッド脇に置いてはいるものの、桐生は由真の隣りに座り抱き寄せてくるだけだ。

「ちょっと寒いな………エアコン付けようか?」

 これから抱き合うのだから、熱くなるものになるだろうと、由真は敢えて付けなかったし、桐生の部屋の事を勝手には出来なかったので、付けてはいなかった。

「どっちでも………抱き合うと暖かいし」
「………そうでもないけどな………密着しないと肌寒いと思うが…………最初は布団に包まりながらノーマルなセックスするけど、寒かったら言って………付けるから」

 エアコンのリモコンも手に持ったが置いた桐生はそのまま、由真の首筋から頭を抱え、押し倒す様に、唇を重ねて来る。

「っん………」

 2つに折り畳まれた掛け布団毎、由真は桐生に押し倒され、優しく2人を布団が包み込んだ。
 それがまた暖かく、この温もりを感じたくて由真は桐生の背に腕を回す。
 何度も唇は離してはまた重ね貪ってを繰り返し、由真の緊張も解けさせてくれる桐生。しかし、キスだけで終らせたくないのは2人共に同じで、先に仕掛けたのはやはり桐生だった。

「んっ………ん……」

 由真が着るスエットの上で、指を弄り中に着ていたブラジャーをズラされ胸の頂きを探る桐生に、由真は甘い声を出していく。

「声は我慢しなくていいからな」
「っ…………あ……っ……」
「素肌に触るから………」
「…………」

 由真はただ頷いた。
 何故、こんなに優しい人なのに、緊縛師として陵辱する仕事をしているのかが分からなかった由真だが、決して嫌がる様な事はしてこなかった。態々セーフティワードを決めたのに、陵辱する時は全く使っていないのだ。
 由真の反応を気にしながら、スエットから桐生の手が入り、胸の方へと到達すると、直ぐに背中に回された腕。器用にブラジャーのホックを片手で外す辺り、手慣れた証拠だ。
 胸を解放したからといって、直ぐに剥ぎ取ろうはされず、手探りで胸の形を確認された。

「………っんん……は……ぁ…」

 普段、使わない声が出てしまう由真。桐生の手は大きく、片方の胸を包み込むが、指先は常に頂きを擦っていた。

「デカイのに、感度いいな………早く舐めたい……」
「っ!」
「…………フッ……顔背けたって、逃さないぞ………」
「んふ………っ………んんっ!」

 恥ずかしくて桐生から顔を背けても引き戻されて再び唇が重なり、そのまま桐生は由真の胸の愛撫を強めて、由真を昂ぶらせていく。

「っ!………悪い………余裕無いかも……俺……」

 由真は桐生にそう言われると、由真の着るスエットをブラジャー毎剥ぎ取っていき、ベッド下へ投げてしまった。
 
「あ…………」
「………くそエロい………」

 由真の手では隠せない胸が露わになり、邪魔だった由真の手を桐生は掴み、頭の上に持っていってしまうと、胸に顔を埋めた。
 ぴちゃ、と唾液が熱を帯び、生暖かい舌が由真の胸の頂きを温める。

「んあっ………桐生さ………」
「翼希、だろ………お仕置き………」
「っん!」

 胸の谷間、首筋、乳房と強く吸われ、痣が出来始めると、由真は桐生に求められているのだと嬉しくなった。
 食べてくれ、と言いたくて、でもそれは恥ずかしくて言えず、由真は違うお強請りをしてしまう。

「手…………放して………」
「邪魔するから駄目」
「違います………抱き着きたいの………私も……キスマーク付けたい………翼希さ………に……」
「…………っ!………煽るなっての……それはもうちょい後にな………今はこっち食わせろ」
「んっああっ、強………」

 じゅっ、と頂きを噛みつかれた様に吸われ、桐生の口の中の舌は、頂きを弄んだ愛撫。そして、片方の頂きはまた抓る様に扱かれ、その昂りは秘部へと集中していったのを、由真も桐生も感じた。
 腰をくねらせ、足を磨り合わせていたのである。

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