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王城修復中の合間に

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 フィーナがフィーネに再開したのは、フィーナが体力が戻ってきた頃だった。
 幼い印象のフィーネと、大人っぽい印象のフィーナを見比べると、雰囲気の違いだけで双子の様にも見える。

「フィーネ、ごめんね会えなくて」
「お姉ちゃんだぁ!お父さんとお母さんは何処に行ってるの?」

 フィーネに思い切り抱き着かれて蹌踉めくフィーナだったが、体力が戻ってきたおかげで、自分を支えられた。

 ―――なるほど……体力戻る迄会えなかったのね……

「ねぇ、お父さんとお母さんは?」
「フィーネ、お父さんもお母さんも亡くなっちゃったの……で……今、フィーネは17歳でしょう?私達、10年以上会えなかった間に、お父さんもお母さんも死んでしまったわ………フィーネもだけど、私もバラバラで生活していたから、私もつい最近なの」
「………死んじゃったの?」
「…………そう……でもね、フィーネ……お父さんとお母さんは、フィーネを心配していたと聞いたわ……も違う世界から見守ってくれてる筈よ……」
「…………会いたかった……」
「うん、私も……」

 念の為に、フィーネが暴走しない様に、ユージーンと騎士達、魔道士達が警戒にあたって見守っている。魔力は変わっていないのだ。暴走されない様に魔法壁で囲った場所だった。

「これからは、お姉ちゃんは私と一緒に居る?」
「うん、そのつもりよ……でもお姉ちゃん結婚するから、フィーネも一緒にお城に住んでもらう事になるかもだけど………ウォルマの森の家はもう無いし」
「お城に住むの?陛下はいい、て言った?………陛下が知らない人が来ると、陛下するの……もうしてたんだ、お姉ちゃんを………そっか……お姉ちゃんは陛下の妾さんになるんだね!私は王妃様になるんだよ?偉いでしょ?」

 フィーネが言うとは、房事の事だろう。混乱をなるべくさせない様にしないとならないと、言葉選びに頭を悩ませたフィーナ。

「フィーネ、お姉ちゃんと遊んだらどうだ?」
「あ!そうだよね!遊ぼ?お姉ちゃん!」
「身体動かす遊びは無理だからな、フィーネ」

 言葉選びに悩むと、ユージーンが助け舟を出してくれる。

「………ほっ……」
「まだ混乱しているから、疲れたら休めよ、フィーナ……腹の子の為にも」
「………うん……なかなか辛いものがあるわね」
「仕方ないけどな」

 フィーナがまだ本調子でない為、1時間程で、面会はユージーンによって強制終了となる。

「何で!お姉ちゃんともっと居たい!」
「フィーネ、お姉ちゃんはまだ怪我が治ってないんだ」
「…………痛い?お姉ちゃん」
「……ちょっと、ね………」

 妊娠を告げたくても、フィーネに刺激を与える可能性もあると、ユージーンに言われていて、言葉も吃る。

「分かった、早く元気になってね!」
「ありがとう、フィーネ」

 研究所内の部屋に魔道士に連れられて戻って行った。ユージーンがまだフィーナの傍に居て、ユージーンとの会話が始まる。

「フィーナ、大丈夫か?」
「………うん……いつ癇癪が起きるのかビクビクしてる……妊娠も怖くて言えなかった」
「呪縛中の様になるきっかけの言葉は、愚王に関する事だけだったが……結婚に繋がる言葉も無理そうだな……」
「いつ話せるかな………」
「経験者に聞いてみたらいい」
「…………コーウェン?」
「長い年月だったのは聞いただろう?……焦る事はない」
「………そうね……」

 フィーナはこの後、城へ移る。しかし、フィーナは他に行きたい場所があった。

「家に行ってきていい?」
「荷物か?」
「それもあるけど、鉱夫達の薬とか……何も言わずに出てきちゃったから……」
「その点なら、借りていた家を解約してきている」
「え?」
「愚王との戦いで、国中に会話が流れたからな………お前は聞いてないかもしれないが、ロマーリオ殿下は、お前の名を出した……それで、話が通しやすくてな……王子に嫁ぐと言ったら、了承してくれたよ……まぁ、俺の作った薬と引き換えにな……怪我人もほぼ完治している」
「………ユージーンが行ってくれてたの?」
「まぁな……俺にも彼処の街の鉱夫の怪我には責任があるからな」
「………そっか……南市街地は?」

 安心した表情で、胸を撫で下ろしたフィーナ。だが、もう1つ心配事があった。

「彼処は鉱夫の治療をしなくなったから、呪いも止まったぞ」
「…………そう……複雑だな……あんなに恨んでたのに、もう呪いなんて如何でもよくなっちゃった……」
「………これからは、止めろよ?呪いは」
「まぁ………身内に危害が無きゃ?」
「……それは、俺も止める自信はないな……」
「失礼します……ロマーリオ殿下が、フィーナ様をお迎えに来られてます」
「………!」
だろう……王妃になるんだから」

 擽ったい程、全身むず痒いフィーナ。平民産まれで平民育ち、しかも底辺の生活に近かった為か、冷や汗も滲み出ていた。

「慣れろ、フィーナ」
「………ゔ……頑張る……」
「では、参りましょう」
「………はい」
「フィーナ、また城に顔を出すからな」
「うん」

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