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蜘蛛に狙われる金の瞳♥
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しおりを挟む「来たわね………」
「やっと出番ですか?」
「まだよ………先にコレ飲ませなきゃ」
アンナレーナは身なりを整え、マシュリーの側に寄ると、意識が朦朧とするマシュリーの顔を持ち上げる。
「泣いてくれないかしら?」
「……………い……や………です……わ……」
マシュリーは朦朧としていても、自由が効かない身体の前で、自由に身体を動かすアンナレーナを見て状況把握をしたらしく、睨む事を選んだ。
「あら、可愛げ無いわ……………ね!」
バチン!!
「!!」
「マシュリー様!!」
「殴られる事、馴れていないでしょう?痛みにどれだけ耐えれるのかしら?ツェツェリア族の最高級品…………私の奴隷にしてあげるわ………その奴隷が私のルカスの婚約者になるなんて許せないのよ!」
バチン!!
「うっ………」
マシュリーの唇の端から血が滴る。その血をマシュリーは何とか宝石になる前に自身のドレスで拭き取った。顎を下げればかろうじて襟で拭き取れたからだ。泣けばアンナレーナの思う壺で、血さえも見せる訳にはいかない。
バチン!!
「……………っ!」
「強情ね………痛みに泣かないの?」
「……………何故貴女の為に涙を見せねばならないのか、わたくしには分かりませんわ」
「マシュリー様…………」
「………レナード……ルカス様へは…………!!」
バチン!!
「ゔっ!」
「アンタにルカスは渡さないわ!!皇太子妃になるのは私なのよ!!アンタは私の奴隷!!」
「…………浅ましいですわ……アンナレーナ様………ルカス様の心に住むのは、このわたくしただ1人…………貴女様の入る隙等……与えません!!」
バチン!!
「っ!!」
何度も平手打ちをされ、マシュリーの顔は腫れ上がるが、涙も堪え血も拭い取るマシュリー。既にマシュリーの口内は血の味がし、その血をマシュリーは飲み込んでいた。
「やめろ!!マシュリー様を傷付けるな!!」
「いい加減泣き叫びなさい!!」
バチン!!
「……………だ、誰が………」
「………強情だわ………アンタ達、あの男を殴り蹴りなさい………生死は問わないわ」
「!!止めて!!」
「はい」
「………ぐわっ!……マ……シュ……リー……様……が……傷を……ぐっ!……負われ……っ!………る……より……ぐっ………ずっと………いい!」
レナードを集中的に3人の男達がリンチし始める。
「止めて~~!!」
涙を堪えるマシュリーが、自分以外の者が暴力を振るわれて良い気分ではなく、止めに入りたくて必死に藻掻くのだが、涙を溢す事だけは堪えている。
「泣かないわね…………いいわ、じゃあコレで泣かせてあげるわね」
アンナレーナは、何やら口に含み、マシュリーに口移しで飲ませる。
「!!…………な、何…………を……」
「その男はもういいわ………使い物にならなさそうだし…………今からこの女を犯しなさい………ルカスはどう思うでしょうね?自分の婚約者が、他の男の慰み者になった、と知ったら………」
「アンナ………様………貴女……ルカス様の……元婚約者………だったでしょう………マシュリー様に………同じ………杭を踏ませ……るなっ………」
「煩いわね…………ルカスはね……干渉する女は嫌いなのよ!だから私は干渉しない女に徹したの!婚約を内々に決めていても、ルカスの女遊びは止まなかった…………悔しくて悔しくて……私も遊んだら嫉妬してくれるんじゃないか、て思ってたわ………でもあの男はしなかった!」
「…………アンナレーナ様……ルカス様が………今後一切…………貴女様に………靡く事……等………ありません………わ……」
マシュリーはこの女、アンナレーナには絶対にルカスは渡さない、と言わんばかりに彼女を睨む事しか出来なかったが、言葉で分かってくれたら、と訴える。
「煩い煩い煩い!!私はお前から作られる宝石を身に纏い、ルカスの横に並ぶのよ!!」
「……………あっ………っ………」
アンナレーナが怒鳴り散らす中で、マシュリーの身体に異変が起きる。それに気付かないアンナレーナやレナードではない。
「効いてきたようよ?…………さぁ、この女に大量の子種を注いであげなさい!」
「止めろ!!タダで済むと思うなよ!!」
「へへへ…………やっとか………」
「いい女だぜ…………」
「グフフフ…………」
「…………っ………近寄…………らない………で……!!…………キャーッ!!」
ドレスをビリビリに破られたマシュリー。アンナレーナは面白いのか高笑いして言い放つ。
「今飲ませたのは媚薬よ、しかも強力なの………私もよく使うのよ………とってもいい気分になってよ………泣き叫び、涙を出しなさい!全部私がその宝石を貰ってあげるから」
素っ裸にされ、ルカスにしか晒していない裸体を見知らぬ男達やアンナレーナ、レナードに見られるマシュリー。
「いやぁァァァァァ!!!」
ドカンッ!!!
「「「「「「!!」」」」」」
部屋の外から大きな爆発音が聞こえ、皆の声や動きが止まった。
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