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15 *ジークハルト視点
しおりを挟む「くっ………はぁっ……アルマっ……」
アルマがジークハルトの杭を咥えてから、暫く経った。
止めさせようと思えば出来る筈。
しかし握られた時、自分とは違う柔らかい手の中に包み込まれた瞬間、その考えは見事に打ち消されてしまった様だ。
---な、なんて………悦楽……
じゅぶじゅぶ、と唾液が絡み、それがアルマの蜜を想像させ、口が秘壺の中に居る様に気持ちが良いという顔をジークハルトはしていた。
今迄に経験していなかった訳ではない。
好きでもない、ただ自分の性欲の捌け口で相手をした女の中に、この行為が好きな女が居れば頼むぐらいだった。
だから、その行為も別に特別好きだった訳ではない。それなのに何故、好きだと思っているアルマにされると違うのか、とアルマを熱い目で見つめている。
ムクムクと元気になってしまう杭が、理性と反し、いつもアルマの中に居た程の大きさでアルマの口の中で暴れていた。
---先程の笑顔で抜いてきたのに!反則だ!この行為…………くっ!
そう、王都での夜会の出席に、アルマは同行する、となった時、愛しいと言った後の顔が可愛くて、風呂場でジークハルトは処理をした後だったのだ。
本音では、連れて行きたくはない。
ジークハルトへの女達からの視線の熱さ、そして滅多に会う事の無い父親、シュバルツ公爵と、ジークハルトの異母弟。
アルマと一緒に居れば、自ずと視線はアルマに行く筈で、嫉妬と好機な目に晒され、威圧的な父親に、アルマへどう接するかが心配になっていた。
招待状を見せず、夜会を知らせずにジークハルトだけ王都に行けばそれで済む筈なのに、招待状には夫婦での招待状になっていて、仮病と偽って行く事も出来たが、名指しされた招待状の圧に、アルマを連れて来い、と言われた様な物だったからだ。
---こんなに可愛い妻を………あんな男に見せるのは………
母のアマリリスに面差しが似ていると、アルマをリンデル伯爵領で見た時に思ったジークハルト。その頃、アマリリスが亡くなった歳と一緒の歳だったアルマを見て、ジークハルトは一目惚れしてしまったのだ。10歳も歳が下な少女に。
それは、父親シュバルツ公爵がした行為と重なり、自分は違うと言い聞かせ、2年掛けてリンデル伯爵領支援に向けて考案し、縁談に持ち込む事に成功し、アルマを成人したと同時に結婚させた。
それはアルマの母、メリッサも了承済みで、従妹のアマリリスの死の経緯を知っているメリッサだからこそ、アルマに隠して進めた話だった。
支援するだけの条件ではなく、リンデル伯爵夫妻からジークハルトへの条件も入った上での結婚だと言えた。
子供を作るのは、アルマの成長期が終わってから。そしてシュバルツ公爵の様な悲惨な結果にアルマをさせない事。そして、アマリリスとメリッサとの約束を守る事がジークハルトに課せられた条件だったのだ。
それをアルマが納得してくれて、それでも尚、ジークハルトの傍に居たいと言ってくれなければならなくて、アルマになかなか伝える勇気はジークハルトにはないのだ。
アルマには、領地支援の条件だけ伝えたのは、それ等を伝えてジークハルトと結婚に持ち込める自信が無かったと言える。
「っく!…………アルマっ……離れ……射精る!」
「んんっ!」
思いを駆け巡らせていたジークハルト。一瞬の遅れでアルマの口から抜け出せず、アルマの顔に白濁を掛けてしまった。
「あ…………す、直ぐに拭くから目を開けるな!」
「っ!…………う、上手く出来てましたか?………ゔっ……」
「口開けたら入るだろ!」
「…………っ!」
拭く物が見当たらず、ジークハルトはバスローブを脱ぎ、そのバスローブでアルマの顔に着いた白濁を拭き取ると、申し訳無さそうにアルマを心配した。
「大丈夫か?………取れたか?」
「…………に、苦いんですね……」
「ま、まぁ………そうらしいな………自分では飲まないから分からないが………」
「…………ジーク様は他の女性に飲ませた事がある、と?」
「…………ゔっ………ま、まぁ……過去に……飲んだ女は居たが………」
ベッタリとアルマに着いてしまい、アルマもどう反応して良いのか複雑な顔をしていた。
「私も飲めるようになります」
「い、いやいい!それはいい!アルマに飲ませるより、腹の中に入れたいんだから、俺は!」
「…………腹の………中………」
「ま、まだだぞ………それは………」
「分かってます…………私を思ってくれて、ですよね?」
「…………あぁ……母上の様に早死なんてアルマにはして欲しくないんだ………絶対にそうなるとは言い辛い所だが、可能性が無い訳ではないからな…………アルマと共に、子供を育てたいんだ………俺は………」
「…………はい……ジーク様……私もジーク様と一緒に貴方との子を育てていきたいです!」
「うわっ!」
「あ…………ご、ごめんなさい!大丈夫でした?」
アルマは嬉しかったのだろう。
ジークハルトがアルマと見る未来を語った事が。
アルマに思い切り抱き着かれ、ジークハルトは後ろに倒れてしまった。
「も、もう俺は癒やされた!だからもう寝るぞ!」
「そ、その前に顔、洗ってきて良いですか?」
流石に拭いただけでは綺麗に取れず、アルマは顔を洗いに急ぐのだった。
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