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番外編(捏造ありまくり)
本命チョコは誰の手に?
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「あ、もうすぐバレンタインだね」
佳乃は特に意味もなく口に出した言葉だったが、それを受け取った周りの人間には大きな意味をもたらした。
…あの子が、本命のチョコをあげるのは誰なのか。
何故かあげる立場になっている事に誰も疑問を抱かず、ツッコむ人間もおらず。
バチバチと静かな戦いが始まっていた。
「…みんな、どうしたの?」
突然黙ったみんなに困惑の表情を浮かべる佳乃に慌ててなんでもないよと笑いかければ、そう?と不思議そうな顔をしてまたたわいもない話を始める。
「…てか、みんな自分が本命貰えると思ってるわけ?」
「……ここにいる奴らは思ってるだろうな」
「てかなんでそんなに京は余裕なわけ?」
「ばっかお前、余裕なんてねーよ!…あんまりそわそわしてても、悪いじゃん」
これも美味しそうだよねぇと色々なチョコの画像を見ながら品定めをしている佳乃に皆、顔がだらしなく緩んでいく。
そして、迎えた当日。
「…ぜんっぜん眠れなかった…」
「おいおい、遠足の前日の子供かよ」
「…そう言うお前も目が充血してるぞ」
「「……はぁ…」」
「あ、2人ともおはよ~」
「おっおはよ!」
「おっす!」
「今日も寒いねぇ」
「だね~」
「佳乃、鼻真っ赤だぜ」
「えっ嘘!は、恥ずかしい…!」
バッと鼻を隠して寒さで赤くなっている頬を更に赤くさせて、恥ずかしがるその姿に2人はデレデレである。
このまま、チョコなんて貰えなくても逆に俺たちがあげて喜ばせたらいい。
そう思いつつ期待値は下がらず、そわそわドキドキしながら放課後を迎えてしまった。
「…だめだ、佳乃ちゃんが何も気にしてない…」
「…まあ、あげるっていう選択肢がないのかもなぁ…」
机にダラっと体を預けて魂が抜けたように話す2人をクラスメイトは遠巻きに見ている。
机にはチョコレートが山積みになっているのだが、どちらも何も気にする事なく当たり前の作業のように袋に詰めた。
「はー毎年毎年どーすんだよこれ。俺食べれねーっつーの」
「なぁんか年々増えてってるよね」
「…わっ2人ともすごい量だねぇ…」
「よっ佳乃ちゃん!」
大きな目がこぼれ落ちそうなほど目を見開いて感心する佳乃。
…なんだかその目はとてもキラキラしている。
「…佳乃ちゃん、いる?」
「へ!?だ、だめだよ!2人が貰ったんだし、あげた人も悲しんじゃうよ…」
「でもなぁ…」
「俺らあんまり甘いのとか得意じゃなくてさ…」
「えっ」
「え?」
「え?」
「そ、そっか…甘いの、ダメなんだ…」
佳乃がほしいならあげよう。そう思って言った言葉に佳乃が泣きそうな表情になり2人は固まった。
しゅん…と目に見えて落ち込んだ佳乃に慌てて2人は「う、嘘だよ!そう言ったら気にせず貰ってくれるかなって…!」と言い訳を述べ機嫌を取る。
「…ほんと?」
「ほんとほんと!」
「…ん、じゃあ…これ…よかったら、食べてほしい、です」
綺麗にラッピングされた袋を取り出して2人に渡す。
「あ、ありがとう!」
「ありがとな、佳乃」
「…た、食べれなかったら全然無理しなくていいからね?今度からは気をつけるね」
「いやいや!俺らこそごめんな?なんも用意出来てないや…」
「…よし、佳乃ちゃん帰ろう。そんでもって、今日の夜は俺らとご飯食べよう。明日は休みだし、泊まりで映画でもみよう」
「いいの?」
「当たり前だよ!」
「えへへ、じゃあ帰ろう」
ふにゃととろけるような笑みを浮かべる佳乃を見て2人は顔を赤くして再度固まった。
固まった理由が分からずえ?え?と困惑する佳乃の元へ、群青碧が現れ、2人を現実の世界へと戻すのであった。
本命?もちろん、そんなもの、存在……するのかな?
***
滑り込みー!
佳乃は特に意味もなく口に出した言葉だったが、それを受け取った周りの人間には大きな意味をもたらした。
…あの子が、本命のチョコをあげるのは誰なのか。
何故かあげる立場になっている事に誰も疑問を抱かず、ツッコむ人間もおらず。
バチバチと静かな戦いが始まっていた。
「…みんな、どうしたの?」
突然黙ったみんなに困惑の表情を浮かべる佳乃に慌ててなんでもないよと笑いかければ、そう?と不思議そうな顔をしてまたたわいもない話を始める。
「…てか、みんな自分が本命貰えると思ってるわけ?」
「……ここにいる奴らは思ってるだろうな」
「てかなんでそんなに京は余裕なわけ?」
「ばっかお前、余裕なんてねーよ!…あんまりそわそわしてても、悪いじゃん」
これも美味しそうだよねぇと色々なチョコの画像を見ながら品定めをしている佳乃に皆、顔がだらしなく緩んでいく。
そして、迎えた当日。
「…ぜんっぜん眠れなかった…」
「おいおい、遠足の前日の子供かよ」
「…そう言うお前も目が充血してるぞ」
「「……はぁ…」」
「あ、2人ともおはよ~」
「おっおはよ!」
「おっす!」
「今日も寒いねぇ」
「だね~」
「佳乃、鼻真っ赤だぜ」
「えっ嘘!は、恥ずかしい…!」
バッと鼻を隠して寒さで赤くなっている頬を更に赤くさせて、恥ずかしがるその姿に2人はデレデレである。
このまま、チョコなんて貰えなくても逆に俺たちがあげて喜ばせたらいい。
そう思いつつ期待値は下がらず、そわそわドキドキしながら放課後を迎えてしまった。
「…だめだ、佳乃ちゃんが何も気にしてない…」
「…まあ、あげるっていう選択肢がないのかもなぁ…」
机にダラっと体を預けて魂が抜けたように話す2人をクラスメイトは遠巻きに見ている。
机にはチョコレートが山積みになっているのだが、どちらも何も気にする事なく当たり前の作業のように袋に詰めた。
「はー毎年毎年どーすんだよこれ。俺食べれねーっつーの」
「なぁんか年々増えてってるよね」
「…わっ2人ともすごい量だねぇ…」
「よっ佳乃ちゃん!」
大きな目がこぼれ落ちそうなほど目を見開いて感心する佳乃。
…なんだかその目はとてもキラキラしている。
「…佳乃ちゃん、いる?」
「へ!?だ、だめだよ!2人が貰ったんだし、あげた人も悲しんじゃうよ…」
「でもなぁ…」
「俺らあんまり甘いのとか得意じゃなくてさ…」
「えっ」
「え?」
「え?」
「そ、そっか…甘いの、ダメなんだ…」
佳乃がほしいならあげよう。そう思って言った言葉に佳乃が泣きそうな表情になり2人は固まった。
しゅん…と目に見えて落ち込んだ佳乃に慌てて2人は「う、嘘だよ!そう言ったら気にせず貰ってくれるかなって…!」と言い訳を述べ機嫌を取る。
「…ほんと?」
「ほんとほんと!」
「…ん、じゃあ…これ…よかったら、食べてほしい、です」
綺麗にラッピングされた袋を取り出して2人に渡す。
「あ、ありがとう!」
「ありがとな、佳乃」
「…た、食べれなかったら全然無理しなくていいからね?今度からは気をつけるね」
「いやいや!俺らこそごめんな?なんも用意出来てないや…」
「…よし、佳乃ちゃん帰ろう。そんでもって、今日の夜は俺らとご飯食べよう。明日は休みだし、泊まりで映画でもみよう」
「いいの?」
「当たり前だよ!」
「えへへ、じゃあ帰ろう」
ふにゃととろけるような笑みを浮かべる佳乃を見て2人は顔を赤くして再度固まった。
固まった理由が分からずえ?え?と困惑する佳乃の元へ、群青碧が現れ、2人を現実の世界へと戻すのであった。
本命?もちろん、そんなもの、存在……するのかな?
***
滑り込みー!
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