イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。

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横恋慕2。

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お店の前で話をしてると、中から店員さんが出てきた。



店員「あの・・・二名様でしょうか・・?」

美都「・・・いえ。入りません。」

山下「入ります。」

美都「入りませんってば!」



私は私の体を押さえていた山下さんの手を解いた。



美都「お話があるなら外で聞きたいです。」

山下「でも宿題あるんだろ?」

美都「別に今日じゃなくてもできますから。」

山下「・・・わかった。」



私たちは近くに見えた公園に向かって歩き出した。

公園の中で立ったまま話を続ける。



美都「あの、私は要さんが好きなんですけど・・・。」

山下「わかってる。でも、俺を知ったら気持ちが移るかもしれないじゃんか。」

美都「それは無いと思うんですけど・・・。」

山下「なんで?」

美都「なんでって・・・・。私が要さんを好きだから・・?」




私が要さんのことを嫌いになったら気持ちは移るかもしれない。

でも私は要さんが好きだ。

この気持ちはブレない。




山下「・・・他の誰かを好きになることはない?」

美都「はい。」

山下「他の誰かに『好きだ』って言われても?」

美都「はい。」

山下「佐々木じゃなくて、俺を見て・・・って言っても・・?」

美都「・・・それが山下さんの本心なら・・・申し訳ないんですけど・・・。」





そう言うと、山下さんは軽く笑った。



山下「ははっ。・・・大丈夫、本心じゃないから。」

美都「・・・からかったんですか?」

山下「そういうわけでもないよ。・・・お詫びにさっきのカフェでご馳走させてくれる?」

美都「・・・お気持ちだけで十分です。じゃあ。」





私はお店が立ち並ぶ通りを目指して歩き始めた。



美都(なんだったんだろう・・・。)



山下さんの行動がよくわからないまま、私は目に留まったカフェに入った。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







店員「いらっしゃいませ。お一人様でしょうか?」

美都「はい。あの、クリスマスのケーキセットってまだありますか?」

店員「ございまずが・・・あちら、恋人同士の方のみのご提供となっておりまして・・・。」

美都「えっ・・・。」




店頭にあったサンプルは、かわいい一口サイズのケーキセット。

十種類くらいあったけど、あの大きさなら食べれると思いお店に入ったのに・・・。



美都「じゃあ、モンブランのセットを・・・。」

店員「かしこまりました。」





私の注文を聞いて、店員さんが下がろうとしたとき、山下さんがお店に入ってきた。

私のテーブルにつき、店員さんに言う。



山下「クリスマスのケーキセット。俺がいたら食べれるんですよね?」

店員「はい。そうですが・・・。」

山下「じゃあそれ一つ。」

店員「かしこまりました。」




店員さんは下がって行ってしまった。



美都「なんで来たんですか?」

山下「美都ちゃんに謝らないといけないことがあるから。」

美都「名前で呼ばないでください。」

山下「減るもんじゃないだろ?・・・・一昨日、夢じゃなかったんだよ。」

美都「・・・はい?」




なんの話をしてるのか分からず、山下さんを見る。




山下「寝てた美都ちゃんを抱きしめた。・・・ごめん。」

美都「---っ!」




目が見えなくなった後の話だ。

誰かに抱きしめられたような気がして、要さんだと思い込んだやつ・・・。


でも、山下さんに『夢』って言われて、わかんなくなった・・・。




美都「なんで・・・そんなこと・・・。」

山下「目が見えてないのは分かってた。目線がおかしかったから。・・・佐々木と間違えてくれたら・・・罪悪感から別れるかと思って・・・。」




間違えたことは事実だ。

確かに要さんだと思った。

ただ・・・腕の大きさや匂いが違って、すぐに気がついたけど・・・。





美都「私、要さんを好きでいちゃダメなの・・?」

山下「え・・?」

美都「山下さんは・・・私をどうしたいの?」

山下「どうって・・・・・・俺を想って欲しい・・・かな。」





要さんにも似たようなことを言われた。




『お願いだから俺を好きになって・・・。』




でも、山下さんは何かが違うような気がする。






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