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私は恐る恐る夏美さんに聞いた。
『ベアーズ』は10代から20代の女性に人気の『チョコレート専門店』だ。
こだわりの製法で作られ、絶妙なブレンドで甘く仕上がってるチョコは女性の口にぴったり合い、人気が爆発した。
ただ『若い女性』の口に合うものの、『値段』に関しては合うものではなく、手を出しにくい金額だった。
「あ・・ほんとだ。ベアーズのマークが入ってる。」
夏美さんはチョコが入ってた箱や紙袋の隅に印字されてるベアーズのマークを見せてくれた。
「これ1個・・いくら・・でしたっけ・・?」
おやつ感覚で買えるほど安いものではないことは知っていた。
ただ、ちゃんとした金額は知らなかったのだ。
「待って、今調べる。」
夏美さんはスマホを取り出し、パパっと調べてくれた。
私もその画面を覗き込む。
~~~~~
・ベアーズのチョコは1種類のみとなっております。
・どれも個包装で箱入りで販売個数は1個から10個まで選べます。なお、最大個数の10個に関しましては木箱納入となります。
・お値段は1個2500円。木箱入りは箱代を別途頂戴致します。
~~~~~
「2500円!?」
「2500円!?」
金額の大きさに驚いた私と夏美さんは、声を揃えて叫んだ。
「さすが高級チョコ・・・スーパーなら倍以上の大きさのが100円で買えるよ・・・。」
まじまじとチョコを見つめる夏美さん。
私はどうしたものかと悩んでいた。
お返しすべきものだろうけど、都築さまの家や仕事場は知らないから持って行くことはできない。
知ってたとしても個人情報を使うことはできないものだ。
次に来店されるまで待つ手もあるけど、確実に来店される保証はどこにもない。
「どうしましょう・・・」
悩みながらチョコを見つめてると、夏美さんが目を輝かせながら言った。
「ねぇ・・食べちゃわない?」
「・・・え!?」
「だって『食べて』って言って置いて行ったんでしょ?なら食べるのが礼儀じゃない?」
そう言って夏美さんは、手にあったチョコをぱくっと食べてしまった。
「んーっ!何これ!!めっちゃ美味しんだけど!?」
ほっぺたを両手で支えながら満面の笑みを見せる夏美さん。
その表情を見てるとどんな味なのか気になってしまい、私もチョコを口に放り込んだ。
「!!・・・美味しい・・!!」
口に入れたあと溶けるチョコはなめらかで、カカオの風味が鼻を抜けた。
舌で転がす度に程よい甘みが口いっぱいに広がり、幸せな気持ちになっていく。
「時々常連さまから差し入れいただくことあるけど、これは初めてだねぇ。」
「ふふっ、そうですね。」
私と夏美さんは、都築さまのおかげで幸せな時間を過ごした。
ほんの少しの時間だったけど偶然にもお客さまもいなく、花たちの香りに包まれながらおいしいチョコに舌鼓を打つことができた。
(今度来店されたらちゃんとお礼言わないと。)
私は都築さまの来店を心待ちにしたのだったけど・・・
まさかすぐに出会うことになるとは思わなかった。
『ベアーズ』は10代から20代の女性に人気の『チョコレート専門店』だ。
こだわりの製法で作られ、絶妙なブレンドで甘く仕上がってるチョコは女性の口にぴったり合い、人気が爆発した。
ただ『若い女性』の口に合うものの、『値段』に関しては合うものではなく、手を出しにくい金額だった。
「あ・・ほんとだ。ベアーズのマークが入ってる。」
夏美さんはチョコが入ってた箱や紙袋の隅に印字されてるベアーズのマークを見せてくれた。
「これ1個・・いくら・・でしたっけ・・?」
おやつ感覚で買えるほど安いものではないことは知っていた。
ただ、ちゃんとした金額は知らなかったのだ。
「待って、今調べる。」
夏美さんはスマホを取り出し、パパっと調べてくれた。
私もその画面を覗き込む。
~~~~~
・ベアーズのチョコは1種類のみとなっております。
・どれも個包装で箱入りで販売個数は1個から10個まで選べます。なお、最大個数の10個に関しましては木箱納入となります。
・お値段は1個2500円。木箱入りは箱代を別途頂戴致します。
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「2500円!?」
「2500円!?」
金額の大きさに驚いた私と夏美さんは、声を揃えて叫んだ。
「さすが高級チョコ・・・スーパーなら倍以上の大きさのが100円で買えるよ・・・。」
まじまじとチョコを見つめる夏美さん。
私はどうしたものかと悩んでいた。
お返しすべきものだろうけど、都築さまの家や仕事場は知らないから持って行くことはできない。
知ってたとしても個人情報を使うことはできないものだ。
次に来店されるまで待つ手もあるけど、確実に来店される保証はどこにもない。
「どうしましょう・・・」
悩みながらチョコを見つめてると、夏美さんが目を輝かせながら言った。
「ねぇ・・食べちゃわない?」
「・・・え!?」
「だって『食べて』って言って置いて行ったんでしょ?なら食べるのが礼儀じゃない?」
そう言って夏美さんは、手にあったチョコをぱくっと食べてしまった。
「んーっ!何これ!!めっちゃ美味しんだけど!?」
ほっぺたを両手で支えながら満面の笑みを見せる夏美さん。
その表情を見てるとどんな味なのか気になってしまい、私もチョコを口に放り込んだ。
「!!・・・美味しい・・!!」
口に入れたあと溶けるチョコはなめらかで、カカオの風味が鼻を抜けた。
舌で転がす度に程よい甘みが口いっぱいに広がり、幸せな気持ちになっていく。
「時々常連さまから差し入れいただくことあるけど、これは初めてだねぇ。」
「ふふっ、そうですね。」
私と夏美さんは、都築さまのおかげで幸せな時間を過ごした。
ほんの少しの時間だったけど偶然にもお客さまもいなく、花たちの香りに包まれながらおいしいチョコに舌鼓を打つことができた。
(今度来店されたらちゃんとお礼言わないと。)
私は都築さまの来店を心待ちにしたのだったけど・・・
まさかすぐに出会うことになるとは思わなかった。
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