甘々彼氏はレスキュー隊!?溺愛の代償は本気の夜!?

すずなり。

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縁4。

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「え!?」

「ちょっとここ買ったらいくらか聞きに行こうよ。」


そう言って陽平さんは軽い足取りで1階に降りて行ってしまった。


(一緒に住むって言った・・?え?)


理解が追いつかないまま陽平さんの姿を追いかけると。茶の間でお店の人と陽平さんが話をしていた。

資料のようなものを渡され、それを陽平さんがじっと見てる。


「あ、ちとせ。ここ買ったら1000万なんだって。めっちゃ安いけどどうする?」


その言葉に私は驚いた。


「1000万!?」

「まぁ、固定資産税が少し高いけど・・・それは土地がデカいから仕方ないところだな。賃貸で借りても固定資産税は別って今聞いたから、結局かかる金額は一緒。」

「あー・・・。」

「まぁ月5万と考えて12×5で年60万。10年で600万だから17年住むなら逆転する。ずっとカフェをするなら買うほうが得だ。それに賃貸で契約したら好き勝手に改装はできない。でも買えばできる。どうする?」

「あ・・・。」


確かにその通りだった。

買ってしまえばなんだってできるけど賃貸契約なら契約期間が切れたときに戻通りにして返さないといけなくなる。

そうなればカフェとして内装を作り上げていても全て撤去しないといけなくなるのだ。


「・・・。」


どう考えても『買う』ほうがいいに決まってる。

でも人生でこんな大きい買い物はしたことがなくて、私は二の足を踏んだ。


(物も大きければ金額も大きい・・・。どうしよう・・。)


答えは決まってるはずなのに言葉が出てこない。

悩みに悩みまくってる私だったけど、陽平さんが口を開いてくれた。


「・・・ちとせ、俺がここ買っていい?」

「へっ?」

「俺が買うから・・一緒に住まない?ちとせが貯めてきたお金はリフォームに回せばいい。ちとせがここでカフェしたいって決めたなら・・・結婚して一緒に住もう。」

「!!」

「いや、プロポーズする場所じゃないよな・・。やり直す!プロポーズはやり直すから!!」


顔を赤くしながら言ってくれた陽平さん。

いつもと違う少し照れた顔にどきどきしながら、私は陽平さんの手を取った。


「ずっと一緒にいてくれるって・・・約束したもんね。一緒に・・・住みたい。」

「!!・・・決まりだな!」


陽平さんはお店の人と話をし、契約の説明を聞いていた。

私はもう一度あの物置の部屋に足を運び、内装なんかを想像していた。


(観葉植物をたくさん置いて・・・カウンターは作れるかな?できるだけお金かけたくないからできることは自分でして・・・)


業者を雇ったほうがきれいだし早いのはわかっていたけど、自分で少しずつするのも味が出て私は好きだった。

今の賃貸の内装も自分で少し変えてるし、ここもできそうな気がして仕方ない。


「何考えてんの?」


お店の人との話が終わったのか、陽平さんが物置まで来てくれた。

手にはたくさん書類がある。


「自分で・・・内装しようかと思って・・?」


そう言うと陽平さんは驚いた顔を見せた。


「あー・・・ちとせ、器用だからできそうだな・・。」

「電気とか水道は資格が必要だったりするから無理なとこあるけど、床と壁くらいなら自分で・・・と思って。」


部屋の広さから結構時間がかかりそうだけど、急ぐものでもないからいいと思った。


「俺も手伝うし?無理しない範囲でしようか。」

「!!・・・うんっ。」


こうして私たちは新居?を購入することが決まった。

このあとすぐに陽平さんはちょっと高めのレストランでプロポーズをやり直してくれ、私はクスクス笑いながら了承した。

陽平さんが言ってた通り、あの古民家は陽平さんが買ってくれ、手続きを済ませてくれた。

元の持ち主であるおばあちゃんに、『外観はできるだけ変えないようにする』と伝えたところ、それはもう喜んでくれて・・・私たちの結婚のお祝いにと『家一軒まるごとクリーニングサービス』を業者さんに依頼してくれた。

私と陽平さんはお互いの賃貸を引き払い、無事古民家に引っ越しを済ませることができたのだった。



ルルーシュも辞めて引っ越しをした1か月後・・・



「手伝いに来たよー!」


そう言って司さんを始め、航太さん、迅さん、涼子さん、里美さん、美香ちゃんがリフォームのお手伝いにきてくれたのだ。


「わぁ・・・!みなさんほんとにありがとうございますっ!」

「いいよいいよ、代わりにお昼と夜ご飯よばれるの楽しみにしてきたんだから。」


陽平さんが家を買ったことは瞬く間に司さんたち署員さんの耳に入った。

そして私がリフォームをしてカフェをすることも・・・。

結構大変な作業だと思った司さんたちは手伝うと言ってくれたけど、それは申し訳ないからと私が断っていたのだ。

それでも涼子さんや里美さんたちからも『手伝いたい』と言われ、お昼ご飯と晩御飯をごちそうするという条件で手伝ってもらうことになったのだ。


「どれをしたらいいー?」

「あ、そこの壁紙を貼って行きたいと思うので、糊を塗っていってもらっていいですか?その壁の長さも図って・・・」

「ちとせちゃーん、こっちはー?」

「そっちは床板用の木なので、こう組み入れながら運んでもらって・・・・」


指示を飛ばすとみんなが一斉に作業をしてくれた。


「迅ーっ!こっちで棚を組み立てるの手伝ってくれー!」

「はいよー!」

「美香、ここ持っとくー!」

「私は糊を足してくるわね。」


ぱぱっと進んでいく光景を見ながら、私はキッチンと物置を行き来した。

ささっと食べやすいようにサンドイッチを大量に作っていく。


「夜はおにぎりとから揚げ、あとサラダと・・・」

「ちとせー!ちょっといいー?」

「あ、はーい!すぐ行きまーす!」



ーーーーー



ーーーー



ーーー



ーーーーー



「・・・人手ってすごい。」


手伝ってくれた司さんたちが帰ったあと、物置を見ると壁紙と床がもうほとんど終わっていた。

私一人だったら一体何日かけてできるのかわからない量を、たった一日で終わらせてしまったのだ。


「作業するのは結構好きだからな、あいつら。だから着々と進んだんじゃない?」

「なるほど・・・。」

「あとは?」

「あとは・・電気を増やさないといけないから配電の工事を業者さんにお願いして、ライトを買いに行って・・・観葉植物もみたいし、小物も・・・。」


まだまだ揃えないといけないものはたくさんあるのだ。


「外構もちょっとお願いしたほうがいいかもな。車は重たいから素人が土台造るとすぐガタガタになりそうだし。」

「そうだね。」


しなくてはいけないことをメモに取りながら、少しずつ作業を進めていく。

大きいものは陽平さんの仕事が休みの時に一緒に買いに行き、ネットで取り寄せたりしたものもあった。

それらを無理しない程度に設置していきながら、私はカフェのメニューを考え始めていた。

一人で作るメニューは凝ったものはできない。

かといって一品のみなんてこともできない。


(うーん・・・。)


毎日毎日考えながら家事と作業を繰り返していくうちに時間は流れていき、気が付けば雪がちらついてくる季節に入っていた。

大きい掘りごたつにこたつ布団をかけて暖をとり、暇があればカフェスペースで作業をしていく。

育てるのがそんなに難しくない観葉植物を所狭しと置き並べ、壁の上部に取り付けた棚に雑貨を並べてた。

陽平さんが作ってくれたレジカウンターは出入り口に使う大きな扉の正面に置き、その裏からキッチンに入れるように通路を作っていく。

そしていつオープンしても大丈夫なように内装を仕上げれたのは・・・この家を買って1年が経とうとするころだった。



「ちとせ、メニューは決まった?」


寒い季節が終わり、掘りごたつの布団を片付けれたある日の朝、ご飯を食べながら陽平さんが聞いてきた。


「うーん・・・ワンプレートのランチを考えてるんだけど・・・まだピンとこないかな?」


日替わり的な感じでメニューを考えたいところだけど、どうしたってかぶってくるものがある。

それに食材もその時々で使い切れるか心配だし、手に入るかも心配なところだった。


「ワンプレートなら用意しやすいの?」

「運ぶのに時間がかからないかな?」

「あぁ、なるほど。」

「でも毎日違うメニューを用意するのができるかどうか不安で・・・。」


業者に食材をお願いするとしたら毎日少量を運んでもらわないといけなくなる。

そうなれば送料も馬鹿にならないし、そもそも運んでくれるかさえ怪しくなってくるのだ。


「毎日?日替わりのランチ作るの?」

「え?・・・うん、そのつもりだったんだけど・・・。」

「毎日はキツいんじゃない?週替わりとか月替わりとかはダメなの?」


陽平さんの言葉に、私はハッと気がついた。

別に日替わりじゃなくてもいいのだ。


「月替わりなら・・・いける・・?」

「いや、俺はわかんないけど・・・どんな感じかちょっと考えてみたら?」


そう言って陽平さんはご飯をばばっと口にかきこんだ。


「ごちそうさまでした!仕事行ってくるな。」

「あ・・うん、いってらっしゃい。」


キッチンにある水の張った桶に自分の食器を入れ、陽平さんはばたばたと家を出ていった。

私はゆっくり食べながらさっきの陽平さんの言葉を考えてみる。


(スープだけ週替わりか日替わりにして、メインは1か月一緒にしてみようか・・。ドリンクは売れ切り終了で種類を増やして量を減らして・・・。)


思いついたことをメモに取りながらご飯を食べ、キッチンに向かう。

二人分の食器をぱぱっと洗い終わらせ、私は冷蔵庫を開けた。


「いくつ作れるかな?」


買っておいた材料を取り出し、私はメモに書いておいたメニューの試作品を作り始めた。




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