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病気・・・?
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お父さん「鈴も家族の一員になったことだし、これからのことを話そうか。」
お父さんが話を始めた。
翔平「鈴、お前学校は?」
鈴「高校が決まってて・・・。」
恭吾「ここから通えるとこ?」
鈴「それが・・その・・・。」
私が答えれないでいると、お父さんが代わりに答えてくれた。
お父さん「・・・通信制の高校なんだよ。だから基本的に家で勉強になる。」
鈴「そ・・そうです。」
翔平「通信制って・・・なんて名前の高校?」
鈴「・・・よ・・四つ葉通信高校です。」
私の言葉に、お兄ちゃんたちは飲んでいたコーヒーを喉に詰まらせた。
恭吾「ごほっ・・!ごほっ!」
翔平「ごほっ!・・・え!?めっちゃ賢い高校じゃん!」
鈴「そ・・・そうなんですか?」
お父さん「そう。お母さんの血かな?お母さん、コンピューター関係ですごい人だったから。」
お母さんが何の仕事をしてたのか知らない私はよく理解できなかった。
鈴「お母さんの仕事、理解できるようにがんばりますっ。」
お父さん「そうだね。わかんないことはお兄ちゃんたちに聞いて?答えれるかどうかはわからないけどね。」
翔平「いやいや、まだ高校の勉強だろ?答えれるに決まってんじゃん。」
恭吾「バカにするなよなー、父さん。」
お父さんはニヤッと笑った。
お父さん「今度教科書見せてもらうといいよ。・・・ところで、鈴?」
鈴「は・・はい。」
お父さん「僕たちは家族なんだからそろそろ敬語・丁寧語はやめようか。」
鈴「う・・・。」
この前知った人とタメ口なんてできるはずがない・・・。
俯いてるとお兄ちゃんたちが私に言った。
翔平「俺のこと、なんて呼ぶ?」
鈴「え?えーと・・・しょ・・翔平お兄ちゃん・・?」
翔平「・・・なんか変な感じ。恭吾にも『お兄ちゃん』なんて呼ばれたことないし。」
鈴「翔平・・さん?」
翔平「・・・お兄ちゃんでいい。」
恭吾「俺は?俺は?」
鈴「きょ・・恭吾お兄ちゃん。」
恭吾「あー・・・妹っていいな。もっと早くに出会いたかったなー。」
二人から頭を撫でられた。
鈴(すごく私を歓迎してくれてるのがわかる・・・。)
3人の表情や行動の全てが『私』を想ってしてくれてる。
それは嬉しかったけど、馴染めないでいる私に違和感が生じていく。
3人は『家族』だけど、私だけ違う・・・ように思えてしまった。
鈴(なんだか・・体が重い・・?)
緊張からか自分の体が自分のモノじゃないような感覚に襲われた。
鈴「あの・・荷物・・・片付けてきていいです・・か?」
お父さん「いいよ?行っといで。」
私は席を立ち、リビングを出た。
廊下を歩き、階段を上ろうとしたとき胸の痛みに襲われた。
どくんっ・・・!
鈴「うぁ・・・!」
階段を上がろうとしたタイミングで痛みに襲われたからバランスを崩してこけてしまった。
どんっ・・!
翔平「?・・・鈴ー?どしたー?」
リビングから聞こえる声。
鈴「大っ・・丈夫っ・・!なんでも・・っない!」
鈴(迷惑はかけれない・・!)
必死に胸を押さえて痛みに耐えていたけど収まる気配は一向になく、一気に胸を締め上げられ、私は意識を失った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鈴「・・・・・ん。」
目を開けた私の側に、翔平お兄ちゃんと恭吾お兄ちゃんが座っていた。
この場所は・・・リビングのソファーだ。
鈴「あれ・・・?私・・?」
翔平「気がついた?階段のとこで倒れてた。」
鈴「・・・すみません。」
体を起こそうとしたとき、恭吾お兄ちゃんに止められた。
恭吾「診察が先だ。鈴、何があった?」
聴診器を肩に下げてる恭吾お兄ちゃん。
睨まれてるような気がして怖い。
鈴「な・・なにも・・・・」
恭吾「何もなくて意識を失うわけないだろ?」
鈴「・・・なにもないです。」
私はそう言い張って、体を起こした。
お父さん「・・・鈴?」
鈴「はい。」
お父さん「鈴はね、お母さんと同じ病気の種を持ってるんだよ。いつ発症するか分からない。」
鈴「病気の・・・種?」
お父さん「お母さんの病気は遺伝するものが多い。お兄ちゃんたちは検査をして病気の元がないのを確認できてる。」
鈴「遺伝・・・。」
私は自分の心臓に手をあてた。
翔平「今までで胸が痛くなったことは?」
鈴「・・・・・・。」
恭吾「あるんだな。すぐにでも検査したほうがいい。」
鈴「検査・・・・。」
着々と進んでいく現実に、私の心が追いつかない。
鈴(私、引き取ってもらったのに・・・病気なの?)
検査とか、入院とかはすごくお金がかかることを知ってる。
『私』っていう家族が増えたのに、病気のことで迷惑をかけるとか・・・無理だ。
恭吾「明日にでも検査入院に入れれる?」
恭吾お兄ちゃんがお父さんに聞いた。
お父さん「あぁ、できる。出勤するときに一緒に行けばいいよ。」
恭吾「よし、そうしよう。聞いたな?鈴。」
鈴「は・・・はい。」
恭吾「明日、朝ご飯食べたら一緒に病院な?」
鈴「はい・・・。」
翔平「・・・・・・・。」
今日はよく寝るようにと、私はそのまま部屋に戻された。
お父さんが話を始めた。
翔平「鈴、お前学校は?」
鈴「高校が決まってて・・・。」
恭吾「ここから通えるとこ?」
鈴「それが・・その・・・。」
私が答えれないでいると、お父さんが代わりに答えてくれた。
お父さん「・・・通信制の高校なんだよ。だから基本的に家で勉強になる。」
鈴「そ・・そうです。」
翔平「通信制って・・・なんて名前の高校?」
鈴「・・・よ・・四つ葉通信高校です。」
私の言葉に、お兄ちゃんたちは飲んでいたコーヒーを喉に詰まらせた。
恭吾「ごほっ・・!ごほっ!」
翔平「ごほっ!・・・え!?めっちゃ賢い高校じゃん!」
鈴「そ・・・そうなんですか?」
お父さん「そう。お母さんの血かな?お母さん、コンピューター関係ですごい人だったから。」
お母さんが何の仕事をしてたのか知らない私はよく理解できなかった。
鈴「お母さんの仕事、理解できるようにがんばりますっ。」
お父さん「そうだね。わかんないことはお兄ちゃんたちに聞いて?答えれるかどうかはわからないけどね。」
翔平「いやいや、まだ高校の勉強だろ?答えれるに決まってんじゃん。」
恭吾「バカにするなよなー、父さん。」
お父さんはニヤッと笑った。
お父さん「今度教科書見せてもらうといいよ。・・・ところで、鈴?」
鈴「は・・はい。」
お父さん「僕たちは家族なんだからそろそろ敬語・丁寧語はやめようか。」
鈴「う・・・。」
この前知った人とタメ口なんてできるはずがない・・・。
俯いてるとお兄ちゃんたちが私に言った。
翔平「俺のこと、なんて呼ぶ?」
鈴「え?えーと・・・しょ・・翔平お兄ちゃん・・?」
翔平「・・・なんか変な感じ。恭吾にも『お兄ちゃん』なんて呼ばれたことないし。」
鈴「翔平・・さん?」
翔平「・・・お兄ちゃんでいい。」
恭吾「俺は?俺は?」
鈴「きょ・・恭吾お兄ちゃん。」
恭吾「あー・・・妹っていいな。もっと早くに出会いたかったなー。」
二人から頭を撫でられた。
鈴(すごく私を歓迎してくれてるのがわかる・・・。)
3人の表情や行動の全てが『私』を想ってしてくれてる。
それは嬉しかったけど、馴染めないでいる私に違和感が生じていく。
3人は『家族』だけど、私だけ違う・・・ように思えてしまった。
鈴(なんだか・・体が重い・・?)
緊張からか自分の体が自分のモノじゃないような感覚に襲われた。
鈴「あの・・荷物・・・片付けてきていいです・・か?」
お父さん「いいよ?行っといで。」
私は席を立ち、リビングを出た。
廊下を歩き、階段を上ろうとしたとき胸の痛みに襲われた。
どくんっ・・・!
鈴「うぁ・・・!」
階段を上がろうとしたタイミングで痛みに襲われたからバランスを崩してこけてしまった。
どんっ・・!
翔平「?・・・鈴ー?どしたー?」
リビングから聞こえる声。
鈴「大っ・・丈夫っ・・!なんでも・・っない!」
鈴(迷惑はかけれない・・!)
必死に胸を押さえて痛みに耐えていたけど収まる気配は一向になく、一気に胸を締め上げられ、私は意識を失った。
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鈴「・・・・・ん。」
目を開けた私の側に、翔平お兄ちゃんと恭吾お兄ちゃんが座っていた。
この場所は・・・リビングのソファーだ。
鈴「あれ・・・?私・・?」
翔平「気がついた?階段のとこで倒れてた。」
鈴「・・・すみません。」
体を起こそうとしたとき、恭吾お兄ちゃんに止められた。
恭吾「診察が先だ。鈴、何があった?」
聴診器を肩に下げてる恭吾お兄ちゃん。
睨まれてるような気がして怖い。
鈴「な・・なにも・・・・」
恭吾「何もなくて意識を失うわけないだろ?」
鈴「・・・なにもないです。」
私はそう言い張って、体を起こした。
お父さん「・・・鈴?」
鈴「はい。」
お父さん「鈴はね、お母さんと同じ病気の種を持ってるんだよ。いつ発症するか分からない。」
鈴「病気の・・・種?」
お父さん「お母さんの病気は遺伝するものが多い。お兄ちゃんたちは検査をして病気の元がないのを確認できてる。」
鈴「遺伝・・・。」
私は自分の心臓に手をあてた。
翔平「今までで胸が痛くなったことは?」
鈴「・・・・・・。」
恭吾「あるんだな。すぐにでも検査したほうがいい。」
鈴「検査・・・・。」
着々と進んでいく現実に、私の心が追いつかない。
鈴(私、引き取ってもらったのに・・・病気なの?)
検査とか、入院とかはすごくお金がかかることを知ってる。
『私』っていう家族が増えたのに、病気のことで迷惑をかけるとか・・・無理だ。
恭吾「明日にでも検査入院に入れれる?」
恭吾お兄ちゃんがお父さんに聞いた。
お父さん「あぁ、できる。出勤するときに一緒に行けばいいよ。」
恭吾「よし、そうしよう。聞いたな?鈴。」
鈴「は・・・はい。」
恭吾「明日、朝ご飯食べたら一緒に病院な?」
鈴「はい・・・。」
翔平「・・・・・・・。」
今日はよく寝るようにと、私はそのまま部屋に戻された。
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