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遅くなった帰り。
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私はお兄ちゃんたちにプレゼントしたいことを伝えた。
最近一緒に暮らし始めたことも。
おじいさんはとても話しやすく、私の話をたくさん聞いてくれた。
私は時間を忘れておじいさんと話し続けてしまった。
鈴「・・・あっ!もうこんな時間!」
気がつけばもう日が傾いてる。
早く帰らないとお兄ちゃんたちが帰ってきてしまう。
鈴「あの、長い時間すみませんでした。」
店主「鈴ちゃん、また今度お店においで?いい話をしてあげるから・・・。」
鈴「?・・・うんっ。またね、おじいさんっ。」
私はお店を出て早歩きで家に向かった。
ケータイの画面を見るけどまだ着信やメールは来てない。
鈴「まだ大丈夫そう・・・でも急がなきゃ。」
急ぎ足で私は家に帰った。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
鈴「鍵が開いてる・・・。」
家に帰ってきた私は、玄関の鍵が開いてることに気づいた。
出た時はちゃんと閉めたハズだ。
チラッと車庫を見るとお兄ちゃん2人の車が止まってるのが見えた。
鈴「帰って来てる・・・。」
私はそーっとドアを開けた。
鈴「ただいまぁ・・・。」
怒られることを覚悟しながら私はリビングに入った。
リビングでは恭吾お兄ちゃんが新聞を読んでいた。
恭吾「お?おかえり。遅かったな。」
鈴「う・・うん。ご飯、作るね。」
キッチンに向かうと、廊下から入ってきた翔平お兄ちゃんと出くわした。
翔平「おかえり。」
鈴「た・・ただいま。すぐご飯作ります・・。」
私はキッチンに入り、冷蔵庫から鶏肉を取り出した。
翔平「?・・・どした?」
鈴「ふぇっ!?」
翔平「なんか・・様子がおかしい。」
鈴「な・・なんでもありません・・・。」
鶏肉をざくざくと切っていく。
恭平「発作でも起きた?」
鈴「え?それはないよ。」
恭平「じゃあなんで?」
鈴「それは・・・。」
私は切った鶏肉をフライパンに入れて火をつけた。
ジュージューと炒めながら遅くなってしまったことを話す。
鈴「今日、帰ってくるの遅くなっちゃったから・・怒られると思って・・・。」
おずおずとお兄ちゃんたちの顔を見る。
恭吾「なんだ、そんなことか。」
翔平「発作でも起きたかと思ったぞ。」
思ってたのと・・・反応が違う?
予想外に怒られなかったことに私は安堵した。
鈴「よかったー、怒られなくてっ。」
フライパンに野菜も放り込んで炒めてると、恭吾お兄ちゃんがカウンターから私を覗いた。
恭吾「『怒らない』なんて一言も言ってないけど?」
鈴「え・・・だって今・・・。」
翔平「晩御飯が終わったら今日一日何してたか洗いざらい話してもらうからな?」
鈴「---っ!?」
顔は笑ってるお兄ちゃんたち。
でもその顔が私にとっては怖かった。
鈴「あ・・私・・・勉強しなくちゃ・・・。」
恭吾「鈴の頭なら大丈夫。話をしような?」
鈴「いや、勉強・・・・。」
翔平「お兄ちゃんとお話できないことをしてたのかな?」
鈴「---っ!!」
観念した私は、晩御飯を食べ終わった後、雑貨屋さんに居たことを白状した。
タイピンのことは伏せて。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
恭吾「雑貨屋?そんなのあったっけな。」
鈴「住宅街の中にあったんだよ?前は入れなかったから行ってみたくって。」
翔平「へー、で、何か買ってきたのか?」
鈴「・・・お店のおじいさんと話をしてて・・・買うの忘れた。」
食後のコーヒーを飲みながらお兄ちゃんたちに今日のことを話した。
翔平「鈴が倒れたときに付き添ってくれた人だろ?ちゃんとお礼言ったのか?」
鈴「言いました。」
恭吾「また敬語・・・。」
鈴「だってお兄ちゃんたち怒ってる・・・。」
俯く私の頭をお兄ちゃんが撫でてくる。
翔平「だってお前かわいいんだもん。絶対狙われる。」
鈴「そんなことないよ。」
恭吾「だから心配なんだよ。日が暮れるまでには家に帰って来いよ?暗くなってしまったらどっかの店に入って俺らに連絡しろ。わかったな?」
鈴「・・・・・はい。」
一緒に暮らし始めて1カ月。
過保護ぶりはどんどん加速していく。
鈴「私に彼氏ができたらお兄ちゃんたちどうなっちゃうんだろ。」
ぽつんと呟いた言葉に、兄たちは素早く反応した。
翔平「彼氏!?」
恭吾「いるのか!?」
鈴「へ?・・いないよっ!」
私は手をぶんぶん振って否定した。
翔平「ならよかった・・・。」
恭吾「あぁ、ほんとだな。」
鈴「・・・・・・もし、できたら?」
私の好奇心は見事に恐怖心に変わることになる。
翔平「刺す。」
恭吾「焼く。」
鈴「--っ!?・・・勉強してきまーす・・・。」
私は部屋に戻り、ベッドに寝っ転がった。
鈴「お兄ちゃんたちって、ほんと私の事大事にしてくれてるんだなぁ。」
会えなかった15年。
私は『兄』の存在そのものをしらなかったけど、お兄ちゃんたちは12年、私の事を知ってた。
会いたくて会いたくてたまらなったって前に聞いたことがある。
鈴「・・・優しいお父さんとお兄ちゃん。・・・お母さん、私、幸せだよ?」
机の上の写真たてを見ながら、私は空の上のお母さんに伝えた。
最近一緒に暮らし始めたことも。
おじいさんはとても話しやすく、私の話をたくさん聞いてくれた。
私は時間を忘れておじいさんと話し続けてしまった。
鈴「・・・あっ!もうこんな時間!」
気がつけばもう日が傾いてる。
早く帰らないとお兄ちゃんたちが帰ってきてしまう。
鈴「あの、長い時間すみませんでした。」
店主「鈴ちゃん、また今度お店においで?いい話をしてあげるから・・・。」
鈴「?・・・うんっ。またね、おじいさんっ。」
私はお店を出て早歩きで家に向かった。
ケータイの画面を見るけどまだ着信やメールは来てない。
鈴「まだ大丈夫そう・・・でも急がなきゃ。」
急ぎ足で私は家に帰った。
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鈴「鍵が開いてる・・・。」
家に帰ってきた私は、玄関の鍵が開いてることに気づいた。
出た時はちゃんと閉めたハズだ。
チラッと車庫を見るとお兄ちゃん2人の車が止まってるのが見えた。
鈴「帰って来てる・・・。」
私はそーっとドアを開けた。
鈴「ただいまぁ・・・。」
怒られることを覚悟しながら私はリビングに入った。
リビングでは恭吾お兄ちゃんが新聞を読んでいた。
恭吾「お?おかえり。遅かったな。」
鈴「う・・うん。ご飯、作るね。」
キッチンに向かうと、廊下から入ってきた翔平お兄ちゃんと出くわした。
翔平「おかえり。」
鈴「た・・ただいま。すぐご飯作ります・・。」
私はキッチンに入り、冷蔵庫から鶏肉を取り出した。
翔平「?・・・どした?」
鈴「ふぇっ!?」
翔平「なんか・・様子がおかしい。」
鈴「な・・なんでもありません・・・。」
鶏肉をざくざくと切っていく。
恭平「発作でも起きた?」
鈴「え?それはないよ。」
恭平「じゃあなんで?」
鈴「それは・・・。」
私は切った鶏肉をフライパンに入れて火をつけた。
ジュージューと炒めながら遅くなってしまったことを話す。
鈴「今日、帰ってくるの遅くなっちゃったから・・怒られると思って・・・。」
おずおずとお兄ちゃんたちの顔を見る。
恭吾「なんだ、そんなことか。」
翔平「発作でも起きたかと思ったぞ。」
思ってたのと・・・反応が違う?
予想外に怒られなかったことに私は安堵した。
鈴「よかったー、怒られなくてっ。」
フライパンに野菜も放り込んで炒めてると、恭吾お兄ちゃんがカウンターから私を覗いた。
恭吾「『怒らない』なんて一言も言ってないけど?」
鈴「え・・・だって今・・・。」
翔平「晩御飯が終わったら今日一日何してたか洗いざらい話してもらうからな?」
鈴「---っ!?」
顔は笑ってるお兄ちゃんたち。
でもその顔が私にとっては怖かった。
鈴「あ・・私・・・勉強しなくちゃ・・・。」
恭吾「鈴の頭なら大丈夫。話をしような?」
鈴「いや、勉強・・・・。」
翔平「お兄ちゃんとお話できないことをしてたのかな?」
鈴「---っ!!」
観念した私は、晩御飯を食べ終わった後、雑貨屋さんに居たことを白状した。
タイピンのことは伏せて。
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恭吾「雑貨屋?そんなのあったっけな。」
鈴「住宅街の中にあったんだよ?前は入れなかったから行ってみたくって。」
翔平「へー、で、何か買ってきたのか?」
鈴「・・・お店のおじいさんと話をしてて・・・買うの忘れた。」
食後のコーヒーを飲みながらお兄ちゃんたちに今日のことを話した。
翔平「鈴が倒れたときに付き添ってくれた人だろ?ちゃんとお礼言ったのか?」
鈴「言いました。」
恭吾「また敬語・・・。」
鈴「だってお兄ちゃんたち怒ってる・・・。」
俯く私の頭をお兄ちゃんが撫でてくる。
翔平「だってお前かわいいんだもん。絶対狙われる。」
鈴「そんなことないよ。」
恭吾「だから心配なんだよ。日が暮れるまでには家に帰って来いよ?暗くなってしまったらどっかの店に入って俺らに連絡しろ。わかったな?」
鈴「・・・・・はい。」
一緒に暮らし始めて1カ月。
過保護ぶりはどんどん加速していく。
鈴「私に彼氏ができたらお兄ちゃんたちどうなっちゃうんだろ。」
ぽつんと呟いた言葉に、兄たちは素早く反応した。
翔平「彼氏!?」
恭吾「いるのか!?」
鈴「へ?・・いないよっ!」
私は手をぶんぶん振って否定した。
翔平「ならよかった・・・。」
恭吾「あぁ、ほんとだな。」
鈴「・・・・・・もし、できたら?」
私の好奇心は見事に恐怖心に変わることになる。
翔平「刺す。」
恭吾「焼く。」
鈴「--っ!?・・・勉強してきまーす・・・。」
私は部屋に戻り、ベッドに寝っ転がった。
鈴「お兄ちゃんたちって、ほんと私の事大事にしてくれてるんだなぁ。」
会えなかった15年。
私は『兄』の存在そのものをしらなかったけど、お兄ちゃんたちは12年、私の事を知ってた。
会いたくて会いたくてたまらなったって前に聞いたことがある。
鈴「・・・優しいお父さんとお兄ちゃん。・・・お母さん、私、幸せだよ?」
机の上の写真たてを見ながら、私は空の上のお母さんに伝えた。
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