お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。

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カフェ。

直哉side・・・




鈴の検査が終わって1週間後。

俺、直哉は翔平と晩御飯を食べていた。

行きつけの居酒屋で、酒無しでご飯を食べる。




翔平「お互い酒が飲めない職業に就いちまったな。」

直哉「別に飲んでもいいけどな。あんかあったら嫌なだけで。」

翔平「まぁな。あ、鈴の検査結果なんだけどさ・・・。」

直哉「うん、どうだった?」




翔平の話によると、鈴の心臓の動きがよくないらしい。

血液を送り出す力が・・・弱くなってるって・・・。




直哉「で?薬でどうにかなるのか?」

翔平「・・・今んとこは。」

直哉「今だけ・・・か。お前のことだ、治療法を作るんだろ?『心臓病患者の神』。」

翔平「・・・。」




翔平は昔から努力家だった。

医者の道を行くと決めたときから『心臓病』のことを勉強しまくってた。



『母さんと同じ病気の人を助けたい』




そう言って今までいろんな患者を治してきたのを知ってる。





翔平「まぁ・・・父さんと考えるよ。」

直哉「なんでも協力するよ。」

翔平「・・・あ、実はさ、鈴、記憶が一部なくなってんだよ。」

直哉「へ?」

翔平「心臓が弱くなってることを伝えたらパニック起こしちゃってさ、鎮静剤打ったら伝えたことを忘れてた。」

直哉「パニックって・・・。」

翔平「『死にたくない』って泣きだした。」

直哉「!!・・・おばさんと自分を重ねたのか。」





まだ高校生だってのに『死』を意識したら・・・そりゃ怖いだろう。




翔平「思い出したらまたパニックを起こすかもしれない。」

直哉「・・・俺が見てるときになんかあったら言うよ。」

翔平「頼む。」




2時間ほど俺たちは喋って解散した。

お互い、寝不足は仕事に支障がでる。



翔平「じゃな。」

直哉「またな。」








ーーーーーーーーーーーーーーー







さらに1週間後・・・




望side・・・





ギプスが取れ、骨折する前の生活を送れるようになった俺は、今日、鈴と会う約束をしてる。

駅前で・・・鈴を待っていた。




望「・・・もう来るか?」



きょろきょろと辺りを見回したとき、鈴の姿を見つけた。



赤の・・・ロングスカートに白のノースリーブシャツ。

髪の毛は2つにくくってるけど、ゆるふわにくくってる。


望(・・・こないだよりかわいくないか?)



じーっと見つめてると、鈴が俺に気づいた。

手を振りながら駆けてくる。



鈴「望くーんっ。待った?」

望「お・・・いや?」




俺の目の前まで来た鈴。

暑かったようで、うっすら汗をかいてる。



望「・・・ちょっと涼むか?」

鈴「うんっ。」



俺たちは近くにあったカフェに入った。


窓側の席に案内され、道行く人を見ながら席に着いた。




店員「ご注文は?」

望「アイスコーヒーを。」

鈴「私、アイスココアお願いします。」

店員「かしこまりました。」




俺の向かいに座ってる鈴。

にこにこしながら口を開いた。




鈴「足、治ったんだねっ。」

望「え?・・・あぁ。もう完全に治ったよ。」

鈴「よかったねぇ。」

望「・・・鈴も・・・高校生になったんだよな?」



確か俺と二つ違いだったはず。

俺が今、高3だから鈴は高1だろう。




鈴「うん。毎日勉強してるよ?」

望「高1は勉強に忙しい学年だからな。」

鈴「望くんは?進路、決まったの?」

望「あー・・・まぁ。」

鈴「?」



鈴が『わからない』って顔をしてるから、俺は説明することにした。

骨折した日の救助隊のこと。

憧れて救助隊になりたいけど、倍率が高すぎること。

受かるまでは大学で資格を取りたいことを。




鈴「大変だねぇ。」

望「あんまり金は使わせたくないし・・・。なかなか決まらねーよ。」




店員「お待たせしましたー。」




運ばれてきたアイスコーヒーとアイスココア。

俺はアイスコーヒーを口に運んだ。




鈴「・・・お金のことは両親に相談したの?」

望「え?してないけど・・・。」

鈴「全部・・・思ってることを言ってみたらどうかな?」

望「・・・全部?」




鈴の提案は『全てを話すこと』。

倍率の高い試験を受けたいこととか、受かるまで大学で取れるだけ資格を取りたいこととか全部を話すことだった。



望「そんな俺に都合のいい話できねーよ。」

鈴「そうかな?・・・望くんが、何で悩んでるのか知りたいと思うよ?」

望「俺のことを・・・知りたい・・・?」

鈴「一緒に・・・考えたいんじゃない?」




思っても見なかった。

引き取ってもらった両親に迷惑をかけないため、高校は・・・1番金のかからない公立を選んだ。

家から1番近いとこだ。

電車賃もいらない。





望(そういえば俺・・・高校決めた時、相談したっけ・・?)



記憶の糸を手繰り寄せていくと、、相談なんかしてないことに気がついた。



『家から一番近い高校でいい。』



そう言った記憶が蘇ってくる。





鈴「・・・・って、お兄ちゃんに言われたんだけどね。」












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