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副作用3。
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直哉side・・・
フラワーパークで鈴を救急車に乗せ、翔平の病院に救急車を走らせた。
直哉「熱・・・計っとくか。」
車内で意識のない鈴。
息もしてるし、バイタルも異常ってほどの数字じゃない。
問題は熱。
そう思って鈴の服の下から体温計を滑り込ませた。
ほどなくして鳴る体温計。
ピピッ・・・
直哉「・・・41度。翔平たちが卒倒するぞ。」
高熱のせいか、鈴はもう意識が無かった。
俺にできることはここまでだ。
あとは翔平たちに任せるしか方法はない。
直哉「大丈夫だからな?鈴。翔平と恭吾が診てくれるからな?」
俺は鈴の手を握って声をかけ続けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翔平side・・・
救急隊から連絡が入った。
鈴が運ばれてくる。
恭吾「微熱が続いてたからか・・・!」
翔平「薬の副作用だな。」
救急車の到着を今か今かと待つ。
ピーポー・・ピーポー・・
翔平「来た!」
病院に着いた救急車。
鈴が下ろされて来た。
恭吾「鈴!」
翔平「熱が高いな。」
直哉「救急車内では体温41度。俺が到着した時にはもう意識が無かった。」
恭吾「ありがとう。直哉さん。こっから先は任せて。」
直哉「頼む。仕事が終わったら様子見に来るから。」
直哉から鈴を受け取り、処置室に運んだ。
翔平「解熱剤入れて。モニターつけて。」
看護師「はいっ!」
恭吾は聴診器で鈴の心臓の音を聞いていた。
恭吾「心臓は大丈夫そうだ。副作用は熱だけみたいだな。」
翔平「あぁ。しばらく薬を止める。モニターの異変に気をつけよう。薬が体から抜けたら新しい薬に変える。」
恭吾「わかった。」
処置を全て終え、鈴は病室に運ばれていった。
ナースステーションの真横の病室に。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・
近くで鳴る機械の音。
胸の辺りになにかある感じが気持ち悪く、私は目が覚めた。
鈴「ん・・・・・・。」
見たことのない天井。
右に左に首を動かすと、棚が見えた。
薬・・・のようなものが棚に並んでる。
鈴「びょーいん・・・。」
歩いてくる手間が省けた・・・なんて言ってる場合じゃない。
私は枕の側にあるナースコールを手探りで探した。
きっとお兄ちゃんが来てくれる。
そう思って、見つけたナースコールのボタンを押した。
カチッ・・・
鈴「・・・鳴った?」
わからずにそのままの状態でしばらくいると、バタバタと足音が近づいてきた。
ドア・・・じゃなくてカーテンの開く音が聞こえる。
シャーッ・・・
恭吾「鈴っ!」
入ってきたのは恭吾お兄ちゃんだった。
鈴「ごめんなさい・・・。」
泣きそうな顔で入ってきた恭吾お兄ちゃん。
思わず謝ってしまった。
恭吾「目が覚めてよかった・・・。」
鈴「え・・・?」
恭吾お兄ちゃんは聴診器で私の心臓の音を聞き始めた。
聴診しながら私に話す。
恭吾「丸二日寝てた。」
鈴「!?・・・二日も?」
恭吾「あぁ。熱もなかなか下がらないし・・・どうしようかと思ってたんだよ。」
聴診が終わり、お兄ちゃんは私の頭を撫でた。
恭吾「昨日の夜から熱が下がり始めた。あとで熱を計ろうな。」
鈴「はい・・・。」
お兄ちゃんは点滴を確認したり、何か紙に書いたりして忙しそうだ。
恭吾「トイレは?行くか?」
鈴「!・・・行く。」
私はベッドから体を起こした。
恭吾「ゆっくりな?ふらつくぞ。」
背中を支えてもらい、体を起こしたけど自分の体じゃない感覚に襲われた。
ふわふわしてて気持ち悪い。
鈴「・・・・・・。」
恭吾「無理だな・・・。管を入れるか?」
鈴「それはやだ!大丈夫、行けるから。」
恭吾「無理するな。」
お兄ちゃんの心配をよそに、私はベッドから下りた。
お兄ちゃんに支えられながら1歩ずつトイレに向かって歩く。
恭吾「・・・中まで一緒に入ろうか?」
鈴「いいっ。大丈夫・・・っ。」
手すりにしがみつきながらなんとかトイレを済ませることができた。
ドア向こうにいるお兄ちゃんのもとへ行くために、また手すりにしがみつく。
鈴「も・・・無理・・・。」
いうことを聞かない体。
私はドアの前でしゃがみ込んだ。
鈴「おにいちゃ・・・・。」
私の声に気づいてくれたお兄ちゃんがトイレのドアを開けた。
ガラッ・・!
恭吾「まだ辛いな。抱えるぞ?」
そう言って私を抱え上げてベッドに寝かせてくれた。
鈴「うー・・・あー・・・。」
恭吾「高熱もあったし、薬も抜けかけてるからしんどいんだよ。寝れるなら寝といた方がいい。」
仰向けで寝るのは息がしにくくて苦しい。
横向きになりたいのに点滴が邪魔だ。
鈴「これ・・・外して・・?」
恭吾「・・・それはできない・・かな。」
鈴「うー・・・・。」
恭吾「心臓の薬をいれてるからな。」
鈴「お願い・・・・・。」
懇願するように恭吾お兄ちゃんに言った。
お兄ちゃんは悩みながらも、一つため息をついて・・・
恭吾「胸が苦しくなったら絶対に言えよ?約束だからな?」
そう言って私の腕から点滴の針を抜いてくれた。
フラワーパークで鈴を救急車に乗せ、翔平の病院に救急車を走らせた。
直哉「熱・・・計っとくか。」
車内で意識のない鈴。
息もしてるし、バイタルも異常ってほどの数字じゃない。
問題は熱。
そう思って鈴の服の下から体温計を滑り込ませた。
ほどなくして鳴る体温計。
ピピッ・・・
直哉「・・・41度。翔平たちが卒倒するぞ。」
高熱のせいか、鈴はもう意識が無かった。
俺にできることはここまでだ。
あとは翔平たちに任せるしか方法はない。
直哉「大丈夫だからな?鈴。翔平と恭吾が診てくれるからな?」
俺は鈴の手を握って声をかけ続けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翔平side・・・
救急隊から連絡が入った。
鈴が運ばれてくる。
恭吾「微熱が続いてたからか・・・!」
翔平「薬の副作用だな。」
救急車の到着を今か今かと待つ。
ピーポー・・ピーポー・・
翔平「来た!」
病院に着いた救急車。
鈴が下ろされて来た。
恭吾「鈴!」
翔平「熱が高いな。」
直哉「救急車内では体温41度。俺が到着した時にはもう意識が無かった。」
恭吾「ありがとう。直哉さん。こっから先は任せて。」
直哉「頼む。仕事が終わったら様子見に来るから。」
直哉から鈴を受け取り、処置室に運んだ。
翔平「解熱剤入れて。モニターつけて。」
看護師「はいっ!」
恭吾は聴診器で鈴の心臓の音を聞いていた。
恭吾「心臓は大丈夫そうだ。副作用は熱だけみたいだな。」
翔平「あぁ。しばらく薬を止める。モニターの異変に気をつけよう。薬が体から抜けたら新しい薬に変える。」
恭吾「わかった。」
処置を全て終え、鈴は病室に運ばれていった。
ナースステーションの真横の病室に。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・
近くで鳴る機械の音。
胸の辺りになにかある感じが気持ち悪く、私は目が覚めた。
鈴「ん・・・・・・。」
見たことのない天井。
右に左に首を動かすと、棚が見えた。
薬・・・のようなものが棚に並んでる。
鈴「びょーいん・・・。」
歩いてくる手間が省けた・・・なんて言ってる場合じゃない。
私は枕の側にあるナースコールを手探りで探した。
きっとお兄ちゃんが来てくれる。
そう思って、見つけたナースコールのボタンを押した。
カチッ・・・
鈴「・・・鳴った?」
わからずにそのままの状態でしばらくいると、バタバタと足音が近づいてきた。
ドア・・・じゃなくてカーテンの開く音が聞こえる。
シャーッ・・・
恭吾「鈴っ!」
入ってきたのは恭吾お兄ちゃんだった。
鈴「ごめんなさい・・・。」
泣きそうな顔で入ってきた恭吾お兄ちゃん。
思わず謝ってしまった。
恭吾「目が覚めてよかった・・・。」
鈴「え・・・?」
恭吾お兄ちゃんは聴診器で私の心臓の音を聞き始めた。
聴診しながら私に話す。
恭吾「丸二日寝てた。」
鈴「!?・・・二日も?」
恭吾「あぁ。熱もなかなか下がらないし・・・どうしようかと思ってたんだよ。」
聴診が終わり、お兄ちゃんは私の頭を撫でた。
恭吾「昨日の夜から熱が下がり始めた。あとで熱を計ろうな。」
鈴「はい・・・。」
お兄ちゃんは点滴を確認したり、何か紙に書いたりして忙しそうだ。
恭吾「トイレは?行くか?」
鈴「!・・・行く。」
私はベッドから体を起こした。
恭吾「ゆっくりな?ふらつくぞ。」
背中を支えてもらい、体を起こしたけど自分の体じゃない感覚に襲われた。
ふわふわしてて気持ち悪い。
鈴「・・・・・・。」
恭吾「無理だな・・・。管を入れるか?」
鈴「それはやだ!大丈夫、行けるから。」
恭吾「無理するな。」
お兄ちゃんの心配をよそに、私はベッドから下りた。
お兄ちゃんに支えられながら1歩ずつトイレに向かって歩く。
恭吾「・・・中まで一緒に入ろうか?」
鈴「いいっ。大丈夫・・・っ。」
手すりにしがみつきながらなんとかトイレを済ませることができた。
ドア向こうにいるお兄ちゃんのもとへ行くために、また手すりにしがみつく。
鈴「も・・・無理・・・。」
いうことを聞かない体。
私はドアの前でしゃがみ込んだ。
鈴「おにいちゃ・・・・。」
私の声に気づいてくれたお兄ちゃんがトイレのドアを開けた。
ガラッ・・!
恭吾「まだ辛いな。抱えるぞ?」
そう言って私を抱え上げてベッドに寝かせてくれた。
鈴「うー・・・あー・・・。」
恭吾「高熱もあったし、薬も抜けかけてるからしんどいんだよ。寝れるなら寝といた方がいい。」
仰向けで寝るのは息がしにくくて苦しい。
横向きになりたいのに点滴が邪魔だ。
鈴「これ・・・外して・・?」
恭吾「・・・それはできない・・かな。」
鈴「うー・・・・。」
恭吾「心臓の薬をいれてるからな。」
鈴「お願い・・・・・。」
懇願するように恭吾お兄ちゃんに言った。
お兄ちゃんは悩みながらも、一つため息をついて・・・
恭吾「胸が苦しくなったら絶対に言えよ?約束だからな?」
そう言って私の腕から点滴の針を抜いてくれた。
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