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第6話 公爵令嬢の専属執事ベンジャミン

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(最近のオリビアお嬢様は様子がおかしい……?)

――過ぎ去った日々メイソンとオリビアが、人目を避けて体を求め合い快楽をむさぼっていたある日。公爵家に仕える執事のベンジャミンはオリビアの様子を見て、かすかな違和感を覚えて目を細めた。

この頃のオリビアは女性として一段と成長して妙に色っぽいのだ。温室育ちで汚れを知らなかったお嬢様に何が起こったのか?と心配そうな顔をして、メイドと笑顔で話すオリビアの美しい華やかな横顔を見ていた。

「何がだ?」

ベンジャミンは少し考え込んだ後でつぶやいた。第一王子のジェームズとの婚約が決まってから、悲しげにうつむくことがふえたオリビアお嬢様。メイドからの情報では部屋で弱々しい泣き声を漏らしていたことも聞かされた。

噂に聞いた話ではジェームズは幼馴染の男爵家の令嬢と付き合っていたが、無理やり別れさせられオリビアと婚約をさせられたと言う。その事でジェームズはオリビアに辛く当たるらしい。

とは言えオリビアだってジェームズの事を好きで婚約を受け入れたわけではない。公爵家としてよりよい方向に国を導くことが大事な役目だと、両親から説得されオリビアは選択の余地がなく婚約を承諾したのだ。

「呆れた王子だ。お嬢様に厳しく接するのは筋違いだな」

ベンジャミンはジェームズ王子は王族としての立場を自覚しろと強い不満を抱いていた。ところが近頃のオリビアは新しい遊びを覚えたような感じで、満面の笑顔を浮かべているのだ。その顔を見たベンジャミンはようやく安心した。でも純粋無垢むくなオリビアが、どこか遠いところに行ってしまったような寂しい気持ちになる。

ベンジャミンは公爵家に仕える忠実な執事27歳。貧しい平民の家の長男として生まれる。10歳の頃、街で友人たちと鬼ごっこをして遊んでいたら、酒に酔ったガラの悪い連中に肩が当たったと因縁つけられ暴行を受け、怪我を負ってしまって倒れていたところに、通りかかったオリビアの乗った馬車に保護され適切な治療のおかげで回復することが出来た。

それがきっかけで公爵家の見習い執事になり、今では屋敷のメイドたちに見惚みとれられる男性に成長した。根っから明るく真面目な性格で、オリビアには柔らかな微笑みを絶やすことはない。助けてもらい執事として高い教養を身に付けてくれた事に感謝をしており、昔から平民の自分にも優しく接してくれるオリビアには、特別な感情を抱いているが立場が違うので胸の内にしまい込む。

「ベンジャミン」
「何か御用でございますか?」
「これからお風呂に入るから後で部屋に来てちょうだい」
「承知しました」

お嬢様の変化について考えていたら突然声をかけられた。異性を引きつける雰囲気が漂うオリビアに、浴場でゆあみをしてくるから後で部屋に来てほしいと言われたのです。

この後、部屋に行ったベンジャミンは、オリビアの妖艶ようえんな湯上り姿を見て欲求を抑えきれなくなり、最後には色気のある声でのきつい誘惑に負けて男女の関係を持ってしまう。
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