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「なに!イブリンに彼氏ができたのか!」

どうやらイブリンに新しい恋人ができて、ホークと婚約していた時よりも毎日幸せそうな顔をしているらしい。

「キャー!!」

髪型や化粧も変えて綺麗になっていて、噂で聞くとおり美しい姿だった。しかし遠くから眺めていたホークと目が合うと彼女は恐怖の叫び声をあげて逃げてしまった。

妹のフランソワとの関係を知られイブリンに別れを告げられた。なので彼女にはまったく非がない。彼の自分で招いた結果だが納得できないものが胸に渦巻く。

「僕と言う存在がありながらどう思う?」

ホークは数少ない友人達に相談していた。

「いや、お前があまりにも未練がましい」
「でも凄く若くてカッコイイ男と付き合っていた。許せない!」
「なんでホークが上から目線なんだ?」
「自分から二股して彼女が幸せになったら気分が悪いってどういうことだ?」

恋人と別れて抱く単なる嫉妬からくる憎しみだったわけで、友人達は呆れ果てる有様である。そしてきびしく叱責された。

「ホークは不幸になるべくしてなったんだな」
「さすが妹と二股するような奴は頭がおかしくていうことが違う」
「要は彼女が幸せそうで羨ましいんだろ?」
「違う!僕がいるのに何で?って言う気持ちのほうが強い」

ここまでくるとホークの人格に問題あるんじゃないか?友人達は互いに顔を合わせて不審気な表情を浮かべている。

ホークが変な気を起こしそうだと感じた友人達は、何とか説得しようとするが頑なに自分の意見を主張するのです。

「どうして婚約していた僕とはうまくいかずにイブリンが幸せになってるんだ」
「知るかよ。お前は自分から幸せを捨てたんだろ?」
「妹と浮気してたのにか?日頃の行いも悪かったんじゃないか?」
「向こうも別れてよかったと思ってるんだろうな……」

やはりホークの思考が狂ってると友人達は、何から何まで相手のせいにするのは良くないと、徹底的に追及し続けていた。

「イブリンには一言謝罪の手紙を送って、新しい恋人ができておめでとうと伝えておこうと思う」
「それは良いことだ」
「見直したぞ!」
「やっとお前もまともな頭になったか」

妹と浮気した時から信頼関係が築けてるとは言えない。今考えたら、裏切るような事してばかりだったかも……と彼も本気で反省した顔で気がつきはじめる。

これがいいきっかけになったと捉えて恋愛について見直すも良いと慰めてくれる友人達であった。

「謝られても迷惑。恋人ができておめでとうだなんて大きなお世話!ホークのことは思い出したくないからもう手紙も送らないで!話しかけないで!」

後日、彼女から相当に情けのかけらもない内容の手紙が彼の元に届いた。
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