聖女で美人の姉と妹に婚約者の王子と幼馴染をとられて婚約破棄「辛い」私だけが恋愛できず仲間外れの毎日

佐藤 美奈

文字の大きさ
25 / 29

第25話

しおりを挟む
「クロフォードとハリーには正直に言ってをしたけど彼らも今は深く反省して謝罪してくれたので私は何とも思っていませんよ?」

気持ちが晴れやかなアメリアは嬉しそうに顔を輝かせて、心に思っていることを正々堂々と話した。アメリアの今の素直な気持ちはもっと早く切れたかった。だがフローラとエリザベスに長い間にわたって自分が弱い存在だと教え込まされた。アメリアは目覚めたくてもどうする事もできなかった。

元婚約者のクロフォード王子と幼馴染のハリーには、男性にとって最も重い罪を実行した。二人は自分の下腹部の大事な所を引き千切れるまで引っ張られた。一時はショックで心を病んでいたが、今は何事もなかったかのように平気な様子でした。自然な感じに明るい笑顔を見せるまで回復してアメリアと楽しい学園生活を送っていた。

「アメリアお姉様!!今まで大変ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでしたアメリアお姉様!!」
「……ああ、うん」

突然エリザベスが家中に響くような大声を出してから床に膝をついて頭を下げた。エリザベスは自分が悪かったことを認めて謝罪した。平身低頭ひたすら謝るエリザベスの姿を見て、アメリアは下等な生き物でも見るような目で見ながら適当な返事を返しておいた。

現在は学園の全校生徒に世間の人々にもアメリアの浮気性が原因で、クロフォードに婚約破棄されたという嘘の話は解決していた。

アメリアが経験豊かな男遊びの上級者で恋多き女性という評判に、不特定多数の男性と関係を持って性病に感染して治療薬を飲んでいること。病気が治らないので精神薬を大量に服用して意識不明のままベッドのうえに横たわっている。

妻子持ちの男と付き合って望まない妊娠に悩んだ結果、中絶手術をしたという根も葉もない悪質すぎる噂話は風に吹かれた煙のように消えていた。

(私たちが長い間ずっと洗脳して……アメリアを弱気にさせて思い通りに操ってきたけど……アメリアが自信を持った……アメリアに足りないのはそれだけだった……)

アメリアに謝罪しているエリザベスの横で、フローラは頭の中で自分自身に詰め寄っていた。アメリアと向かい合って未知の恐怖に足がすくむ。さらに一段とアメリアが恐ろしく見えた。重苦しい圧迫感を感じて胸の中に苦しい震えが起こっていた。

三姉妹の中で聖女の最適任者はアメリアだった。その理由はフローラとエリザベスの数千倍から数万倍に達するほど想像を超えた能力をアメリアは持っている。

フローラとエリザベスは守護聖女とか救世の聖女と言われて国中の人々から、聖女として多大な功績を挙げたと認められて高く敬意を払われている。だがアメリアと比較すると聖女としての能力は大幅に劣っていた。

フローラとエリザベスは曲がりなりにも聖女で最低限の能力は満たしているので、相手の聖女としての能力を測ることはできた。アメリアが自分たちよりも優秀で次元が違う能力を持った雲の上の存在だと理解していた。

アメリアは別格。それを知ったフローラとエリザベスはアメリアを恐れた。アメリアのことを化け物とさえ思えて、アメリアを弱気にさせて自分に自信がない性格にさせることを思いついた。

「――フローラ何か言いたそうだね」

アメリアはフローラの顔を見て何か感じとった。怯えた顔で服従する意志を示しているフローラに言葉をかけた。

今アメリアは学園に通いながら、女性を傷つける悪い男たちを成敗する日々を送っていた。救われた女性たちからはと呼ばれてアメリアは親しまれていた。

「あの、アメリア……それで、私たちのことは許してくれるの?」

フローラは仕留められた獲物のように体がぶるぶる震えている。アメリアという地上最強の生物に捕食される宿命のある草食動物の気分で質問した。この後フローラはとんでもない事されてしまう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お義姉様ばかりずるいと義妹に婚約者を取られましたが、隣国で幸せに暮らしているのでどうぞご自由に。なので今更帰って来いと言われても困ります。

神崎 ルナ
恋愛
 フラン・サンシェルジュ侯爵令嬢は、義妹のローズに『お義姉様だけずるい』と何度も持ち物を取り上げられてきた。  ついにはアール王子との婚約も奪われてしまう。  フランは隣国へと出奔し、生計を立てることに。  一方その頃、アール王子達は――。 『おい、何でこんな簡単な書類整理ができないんだ?』 『お義姉様にできたことなら私にだってできますわ。もうしばらくお待ち下さい』  仕事をフランに押し付けていたため、書類が山のように溜まる王子の執務室では毎日のように言い合いがされていた。 『やはり、フランでないとダメだ』  ローズとの婚約はそのままに、フランをタダ働きさせるつもりのアール王子がフランを探しに行くが既にフランは隣国で新しい生活を手に入れていた。  その頃サンシェルジュ侯爵邸ではーー。 「見つけたぞっ!!」 「なっ、お前はっ!?」  冒険者風の男がローズと継母に迫っていた。

婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。

松ノ木るな
恋愛
 純真無垢な侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気だと疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。  伴侶と寄り添う幸せな未来を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。  あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。  どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。  たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。

元婚約者がマウント取ってきますが、私は王子殿下と婚約しています

マルローネ
恋愛
「私は侯爵令嬢のメリナと婚約することにした! 伯爵令嬢のお前はもう必要ない!」 「そ、そんな……!」 伯爵令嬢のリディア・フォルスタは婚約者のディノス・カンブリア侯爵令息に婚約破棄されてしまった。 リディアは突然の婚約破棄に悲しむが、それを救ったのは幼馴染の王子殿下であった。 その後、ディノスとメリナの二人は、惨めに悲しんでいるリディアにマウントを取る為に接触してくるが……。

婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません

天宮有
恋愛
子爵令嬢の私カルラは、妹のミーファに婚約者ザノークを奪われてしまう。 ミーファは全てカルラが悪いと言い出し、束縛侯爵で有名なリックと婚約させたいようだ。 屋敷を追い出されそうになって、私がいなければ領地が大変なことになると説明する。 家族は信じようとしないから――これから何が起きても、私は知りません。

妹に幼馴染の彼をとられて父に家を追放された「この家の真の当主は私です!」

佐藤 美奈
恋愛
母の温もりを失った冬の日、アリシア・フォン・ルクセンブルクは、まだ幼い心に深い悲しみを刻み付けていた。公爵家の嫡女として何不自由なく育ってきた彼女の日常は、母の死を境に音を立てて崩れ始めた。 父は、まるで悲しみを振り払うかのように、すぐに新しい妻を迎え入れた。その女性とその娘ローラが、ルクセンブルク公爵邸に足を踏み入れた日から、アリシアの運命は暗転する。 再婚相手とその娘ローラが公爵邸に住むようになり、父は実の娘であるアリシアに対して冷淡になった。継母とその娘ローラは、アリシアに対して日常的にそっけない態度をとっていた。さらに、ローラの策略によって、アリシアは婚約者である幼馴染のオリバーに婚約破棄されてしまう。 そして最終的に、父からも怒られ家を追い出されてしまうという非常に辛い状況に置かれてしまった。

幼馴染に婚約者を奪われましたが、私を愛してくれるお方は別に居ました

マルローネ
恋愛
ミアスタ・ハンプリンは伯爵令嬢であり、侯爵令息のアウザー・スネークと婚約していた。 しかし、幼馴染の令嬢にアウザーは奪われてしまう。 信じていた幼馴染のメリス・ロークに裏切られ、婚約者にも裏切られた彼女は酷い人間不信になってしまった。 その時に現れたのが、フィリップ・トルストイ公爵令息だ。彼はずっとミアスタに片想いをしており 一生、ミアスタを幸せにすると約束したのだった。ミアスタの人間不信は徐々に晴れていくことになる。 そして、完全復活を遂げるミアスタとは逆に、アウザーとメリスの二人の関係には亀裂が入るようになって行き……。

【完結】要らないと言っていたのに今更好きだったなんて言うんですか?

星野真弓
恋愛
 十五歳で第一王子のフロイデンと婚約した公爵令嬢のイルメラは、彼のためなら何でもするつもりで生活して来た。  だが三年が経った今では冷たい態度ばかり取るフロイデンに対する恋心はほとんど冷めてしまっていた。  そんなある日、フロイデンが「イルメラなんて要らない」と男友達と話しているところを目撃してしまい、彼女の中に残っていた恋心は消え失せ、とっとと別れることに決める。  しかし、どういうわけかフロイデンは慌てた様子で引き留め始めて――

妹のために犠牲になることを姉だから仕方ないで片付けないでください。

木山楽斗
恋愛
妹のリオーラは、幼い頃は病弱であった。両親はそんな妹を心配して、いつも甘やかしていた。 それはリオーラが健康体になってからも、続いていた。お医者様の言葉も聞かず、リオーラは病弱であると思い込んでいるのだ。 リオーラは、姉である私のことを侮っていた。 彼女は両親にわがままを言い、犠牲になるのはいつも私だった。妹はいつしか、私を苦しめることに重きを置くようになっていたのだ。 ある時私は、妹のわがままによって舞踏会に無理な日程で参加することになった。 そこで私は、クロード殿下と出会う。彼との出会いは、私の現状を変えていくことになるのだった。

処理中です...