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第25話
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「クロフォードとハリーには正直に言ってかわいそうなことをしたけど彼らも今は深く反省して謝罪してくれたので私は何とも思っていませんよ?」
気持ちが晴れやかなアメリアは嬉しそうに顔を輝かせて、心に思っていることを正々堂々と話した。アメリアの今の素直な気持ちはもっと早く切れたかった。だがフローラとエリザベスに長い間にわたって自分が弱い存在だと教え込まされた。アメリアは目覚めたくてもどうする事もできなかった。
元婚約者のクロフォード王子と幼馴染のハリーには、男性にとって最も重い罪を実行した。二人は自分の下腹部の大事な所を引き千切れるまで引っ張られた。一時はショックで心を病んでいたが、今は何事もなかったかのように平気な様子でした。自然な感じに明るい笑顔を見せるまで回復してアメリアと楽しい学園生活を送っていた。
「アメリアお姉様!!今まで大変ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでしたアメリアお姉様!!」
「……ああ、うん」
突然エリザベスが家中に響くような大声を出してから床に膝をついて頭を下げた。エリザベスは自分が悪かったことを認めて謝罪した。平身低頭ひたすら謝るエリザベスの姿を見て、アメリアは下等な生き物でも見るような目で見ながら適当な返事を返しておいた。
現在は学園の全校生徒に世間の人々にもアメリアの浮気性が原因で、クロフォードに婚約破棄されたという嘘の話は解決していた。
アメリアが経験豊かな男遊びの上級者で恋多き女性という評判に、不特定多数の男性と関係を持って性病に感染して治療薬を飲んでいること。病気が治らないので精神薬を大量に服用して意識不明のままベッドのうえに横たわっている。
妻子持ちの男と付き合って望まない妊娠に悩んだ結果、中絶手術をしたという根も葉もない悪質すぎる噂話は風に吹かれた煙のように消えていた。
(私たちが長い間ずっと洗脳して……アメリアを弱気にさせて思い通りに操ってきたけど……アメリアが自信を持った……アメリアに足りないのはそれだけだった……)
アメリアに謝罪しているエリザベスの横で、フローラは頭の中で自分自身に詰め寄っていた。アメリアと向かい合って未知の恐怖に足がすくむ。さらに一段とアメリアが恐ろしく見えた。重苦しい圧迫感を感じて胸の中に苦しい震えが起こっていた。
三姉妹の中で聖女の最適任者はアメリアだった。その理由はフローラとエリザベスの数千倍から数万倍に達するほど想像を超えた能力をアメリアは持っている。
フローラとエリザベスは守護聖女とか救世の聖女と言われて国中の人々から、聖女として多大な功績を挙げたと認められて高く敬意を払われている。だがアメリアと比較すると聖女としての能力は大幅に劣っていた。
フローラとエリザベスは曲がりなりにも聖女で最低限の能力は満たしているので、相手の聖女としての能力を測ることはできた。アメリアが自分たちよりも優秀で次元が違う能力を持った雲の上の存在だと理解していた。
アメリアは別格。それを知ったフローラとエリザベスはアメリアを恐れた。アメリアのことを化け物とさえ思えて、アメリアを弱気にさせて自分に自信がない性格にさせることを思いついた。
「――フローラ何か言いたそうだね」
アメリアはフローラの顔を見て何か感じとった。怯えた顔で服従する意志を示しているフローラに言葉をかけた。
今アメリアは学園に通いながら、女性を傷つける悪い男たちを成敗する日々を送っていた。救われた女性たちからはチン切り仕置人と呼ばれてアメリアは親しまれていた。
「あの、アメリア……それで、私たちのことは許してくれるの?」
フローラは仕留められた獲物のように体がぶるぶる震えている。アメリアという地上最強の生物に捕食される宿命のある草食動物の気分で質問した。この後フローラはとんでもない事されてしまう。
気持ちが晴れやかなアメリアは嬉しそうに顔を輝かせて、心に思っていることを正々堂々と話した。アメリアの今の素直な気持ちはもっと早く切れたかった。だがフローラとエリザベスに長い間にわたって自分が弱い存在だと教え込まされた。アメリアは目覚めたくてもどうする事もできなかった。
元婚約者のクロフォード王子と幼馴染のハリーには、男性にとって最も重い罪を実行した。二人は自分の下腹部の大事な所を引き千切れるまで引っ張られた。一時はショックで心を病んでいたが、今は何事もなかったかのように平気な様子でした。自然な感じに明るい笑顔を見せるまで回復してアメリアと楽しい学園生活を送っていた。
「アメリアお姉様!!今まで大変ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでしたアメリアお姉様!!」
「……ああ、うん」
突然エリザベスが家中に響くような大声を出してから床に膝をついて頭を下げた。エリザベスは自分が悪かったことを認めて謝罪した。平身低頭ひたすら謝るエリザベスの姿を見て、アメリアは下等な生き物でも見るような目で見ながら適当な返事を返しておいた。
現在は学園の全校生徒に世間の人々にもアメリアの浮気性が原因で、クロフォードに婚約破棄されたという嘘の話は解決していた。
アメリアが経験豊かな男遊びの上級者で恋多き女性という評判に、不特定多数の男性と関係を持って性病に感染して治療薬を飲んでいること。病気が治らないので精神薬を大量に服用して意識不明のままベッドのうえに横たわっている。
妻子持ちの男と付き合って望まない妊娠に悩んだ結果、中絶手術をしたという根も葉もない悪質すぎる噂話は風に吹かれた煙のように消えていた。
(私たちが長い間ずっと洗脳して……アメリアを弱気にさせて思い通りに操ってきたけど……アメリアが自信を持った……アメリアに足りないのはそれだけだった……)
アメリアに謝罪しているエリザベスの横で、フローラは頭の中で自分自身に詰め寄っていた。アメリアと向かい合って未知の恐怖に足がすくむ。さらに一段とアメリアが恐ろしく見えた。重苦しい圧迫感を感じて胸の中に苦しい震えが起こっていた。
三姉妹の中で聖女の最適任者はアメリアだった。その理由はフローラとエリザベスの数千倍から数万倍に達するほど想像を超えた能力をアメリアは持っている。
フローラとエリザベスは守護聖女とか救世の聖女と言われて国中の人々から、聖女として多大な功績を挙げたと認められて高く敬意を払われている。だがアメリアと比較すると聖女としての能力は大幅に劣っていた。
フローラとエリザベスは曲がりなりにも聖女で最低限の能力は満たしているので、相手の聖女としての能力を測ることはできた。アメリアが自分たちよりも優秀で次元が違う能力を持った雲の上の存在だと理解していた。
アメリアは別格。それを知ったフローラとエリザベスはアメリアを恐れた。アメリアのことを化け物とさえ思えて、アメリアを弱気にさせて自分に自信がない性格にさせることを思いついた。
「――フローラ何か言いたそうだね」
アメリアはフローラの顔を見て何か感じとった。怯えた顔で服従する意志を示しているフローラに言葉をかけた。
今アメリアは学園に通いながら、女性を傷つける悪い男たちを成敗する日々を送っていた。救われた女性たちからはチン切り仕置人と呼ばれてアメリアは親しまれていた。
「あの、アメリア……それで、私たちのことは許してくれるの?」
フローラは仕留められた獲物のように体がぶるぶる震えている。アメリアという地上最強の生物に捕食される宿命のある草食動物の気分で質問した。この後フローラはとんでもない事されてしまう。
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