婚約したのに好きな人ができたと告白された「君の妹で僕の子を妊娠してる」彼に衝撃の罰が下される。

第52話

「どうしてあんな普通でも変顔してるような男の子供をたくさん産んで、僕の子供を一人も産んでくれないんだよ！」

なんで不倫相手のブサイクな男には、やりたい放題に抱かれ続けて子供を四人も妊娠して出産しておきながら、正式に婚姻届けを提出した夫でイケメン王子の自分が、厳しい制限をされて愛する妻を抱かせてもらえないのか。

その上にテリーとの子供まで作りたくないとアリスは主張した。テリーからすれば簡単に許して納得できることではない。正当な理由はあるのか？

あまりにも理不尽な仕打ちとしか考えられなくて、テリーが本当にかわいそうで深く同情せずにいられない。目に涙を浮かべたテリーは頭が混乱するばかりだった。テリーはいつもと違って厳しい言い方で、自分との子供を作りたがらない理由を迫った。

「はぁー、言われなくてもわかるでしょ？」
「え……？いや、あの、わからないんだけど？」

アリスは小さくため息をついた後、当たり前のことを言うなと呆れたように言い返してきた。テリーは自分との子供を断る事をこれっぽっちも分からないと言う。アリスは常識レベルで逆に知らないと恥ずかしいくらいの感じで言ったが、テリーは頭の中にカオスが生じて脳がうまく作動してくれなかった。

息をのむほど美しい顔のテリーに西洋人形のように可愛い顔のアリスなら、間違いなく天使みたいな赤ん坊が誕生するだろう。美男美女だと高確率で可愛い子供が生まれるので、ブサイクで日陰の人生が待っている事は考えにくい。テリーは美しい顔が悲痛に歪んで心で限りない不満を覚える。

今思えば結婚してからアリスを抱いた回数は片手で数えるほどしかなかった。テリーは何度もベッドで夫婦生活を求めたが、アリスは冷酷非情と思える目で睨んで気持ち悪いと言って断る毎日。テリーがアリスの体に触れることが許される時は、肩揉みと足のマッサージをアリスに頼まれる時だけだ。

「――本当にテリーは分からないみたいね」
「そうだよ、分からないからアリス教えてくれよ」

テリーは知性が感じられない顔で、残念な頭をありったけ回転させて考えていた。アリスはしばらくじっと見つめていたが、時間切れだと諦めたように話し始めた。テリーは急かすように言った。まだ答えが分かっていないらしく苛ついて頭をかいた。

「かわいそうでしょ？」
「かわいそう？……誰が？」

アリスは不意に言い出す。無残なほど痛ましい雰囲気をして、顔は暗く非常に沈んだ声だった。気の毒そうに眉を寄せて、かわいそうと口にした。だがテリーは言葉の意味を理解できなくて疑問を抱いた顔で首をかしげる。