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第19話 奥様の最大の弱点

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スカーレットはアメリアに間近に迫って真剣な眼差しで見つめた。二人は互いの顔がつきそうな位置まで近づいて、敵対的に睨み合って火花が散る。ほんの少し近づけばキスができる距離です。

しばらく奇妙な睨み合いが続いた後、美しき女性の対決の幕が開く。先手を取ったのはスカーレットでした。

「あなたは子供ができない体なんだから息子が不倫するのも当然よ!」

先に口を開いたスカーレットは威嚇いかくするような調子で言う。スカーレットの言葉は、この場にいる全員を凍りつかせる。

「アメリア……」

エリーはぼそりと小さくつぶやいた。アメリアがであることは親友のエリーさえ知らなかった。エリーは本気で心配そうな顔でアメリアを見ていました。

自尊心を傷つけられ精神的な重圧を受けたのか?アメリアは顔を伏せて黙っていると、スカーレットは勝ち誇った不敵な笑みを浮かべて勢いに乗ってたたみ掛けてくる。

「子供が産めない欠陥品なんだから、頭を下げて謝るのがアメリアの正しい態度です。そしてナタリアの赤ちゃんを抱かせてくださいと頼みなさい」

スカーレットは耳を疑うようなことを言いますが、何か問題でも?という感じで平気な顔をしていた。

「もうやめて!これ以上アメリアを傷つけないで!」

追及の手を緩めないスカーレットの胸を刺すような言葉に、エリーは体が勝手に動いて二人の間に立ちはだかる。アメリアを庇うような発言をして、親友を苦しめるスカーレットを敵だと判断し睨みつけた。

「邪魔だからどきなさい!」
「きゃあああああ」 

スカーレットは手加減なしにエリーの顔をひっぱたいた。虫でも払うような素振りで、顔色ひとつ変えることなく全く意に介さない様子でした。

やせていて比較的小柄な体格のエリーは呆気なく弾き飛ばされた。高い悲鳴をあげて思い切り壁に激突し全身を強く打って床に沈んで動かなくなる。

「仲良しごっこしてんじゃねー!反吐へどが出るわ」

実を言えばスカーレットは外見に似合わず腕っぷしの強い女性でした。一見すると華奢きゃしゃな体付きをしている美しい御婦人。

彼女は名のある騎士家の次女として生まれた。スカーレットは小さい頃からおてんば娘で若い頃は自分より強い男に会いに行くと言い、武者修行の旅に出るほどだった。

国全体でも屈指の実力者で男顔負けの武勇でも知られていた。エリート階級の騎士からも女豪傑と敬意を払われている。昔は不安定な世の中で戦争していた時は、単身で女スパイとして敵国に侵入したこともある。

スカーレットは内部を華麗に切り崩し敵国からはの異名で恐れられた凄腕の剣士だった。彼女は戦争を終わらせた英雄として帰国後は国民から大きな声援と拍手を送られた。
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