婚約者を親友に寝取られた王太子殿下〜洗脳された婚約者は浮気相手の子供を妊娠したので一緒に育てようと言ってきたので捨てました

第2話

彼女達は勝手に話を続ける。

「ジョージの前に付き合っていた恋人とデートしても全然胸がときめかなかった……」
「私もそうです」
「デートに彼が頑張り過ぎてね」
「そう！　その思いに疲れるよね」
「目をギラギラさせるのも嫌だよね？」
「ジョージは全然ガツガツしてないし」
「そういうところも良いよね！」
「彼の傍にいると安心しますよね」
「私達ジョージ大好きだもん！」
「でも私が一番彼のことを好きだから」
「いや、私よ！」
「違う私でしょ！」

彼女達の話にオリバー殿下の心臓がキュッとなる。

聞けばジョージのハーレムに入るために付き合っていた恋人と別れたという子も何人もいた。

恋人と交際するよりもジョージの彼女の一人になったほうが彼女達にとっては幸せらしい。

ジョージの彼女の美少女軍団達は正気の沙汰ではない……。

オリバー殿下みたいな容姿の普通の男は女性と何度も会話をして性格や趣味を知ってもらって少しずつ仲良くなっていき自分のことを好きになってもらう。婚約者のアイラもそうだった。

ところが女性から群がられ常に選べるジョージのような人もいる。彼の場合はそんな面倒な段階を踏まずに一気に求愛される。

色んな愛情の形があると思うけど男として悲しくなってくる。

オリバー殿下は彼女達の話を聞いた後に王宮に帰り一人の時にそんなことを思っていた。

翌朝、昨日就寝する前にオリバー殿下はある決心をしていた。

「オリバーおはよう！」
「おはよう……」
「今日も視線だけで素敵なレディー達をドキドキさせてしまったよ」
「はは…それは凄いな……」

オリバー殿下は乾いた笑いしか出てこない。

「第一印象の見た目だけで女性を惹きつけてしまう本当に自分の魅力が怖いよ」
「そうなのか……」
「オリバー元気がないようだけど、大丈夫かい？」
「あの、ジョージ」
「なんだい？」
「今日、学園の授業が終わったら少し話さないか？」
「相談かい？　オリバーのためなら喜んで時間を作るよ」

放課後、オリバー殿下とジョージはオリバー殿下の馴染みのカフェで話をした。