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第七話
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ロベルト殿下は何を考えているのでしょうか?それとも自分に見せたあの二人の言い争いは演技で騙されていたのかとマリア令嬢は考えを巡らせる。
二人は楽しそうに会話しながら腕を組み長いキスを交わして、ロベルト殿下の別宅に消えて行ったという。
マリア令嬢は震えるほど怒り鬼のような形相になった。
ここはロベルト殿下の所有する数ある別宅の一つ。その一室の中には二人の男女がいた。
ロベルト殿下とアンナ令嬢がベッドの上に寝転がっていた。二人は体を重ね合わせながら話をしている。
「まさか殿下がここまで頭が回るとは驚きです」
「そうか?」
「本音を言いますと…馬鹿だと思っていました……」
「あはは…アンナ酷いじゃないか」
「すみません」
「今度旅行に行こう」
「楽しみです」
二人は価値観や趣味など相性が非常に良かった。お互いに運命の相手だと思いマリア令嬢のことを騙してあざ笑っていたのです。
だがまたたく間に絶望のどん底に落とされることになる。
マリア令嬢は浮気の証拠を揃え、ロベルト殿下の父親の陛下と母親の皇后に直訴したのだ。
その結果ロベルト殿下とアンナ令嬢は家族や親戚から絶縁された。
ロベルト殿下は王族の称号が剥奪され平民落ちになり、アンナ令嬢は身分を剥奪され同じく平民落ちになりました。
二人はこの世を去るまで日の出から日没まで身も心もすり減らして働き、マリア令嬢への慰謝料を支払い続ける地獄の生活に追われる。
何不自由なく贅沢な暮らしをしていたロベルトとアンナに、そんな悲惨な環境の日々に耐えられるわけもなかった。
わずかの間をおいて二人は自ら命を絶つ。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語を、皆さまと共有できたことが何よりの幸せです。
またどこかの物語でお会いできますように。
二人は楽しそうに会話しながら腕を組み長いキスを交わして、ロベルト殿下の別宅に消えて行ったという。
マリア令嬢は震えるほど怒り鬼のような形相になった。
ここはロベルト殿下の所有する数ある別宅の一つ。その一室の中には二人の男女がいた。
ロベルト殿下とアンナ令嬢がベッドの上に寝転がっていた。二人は体を重ね合わせながら話をしている。
「まさか殿下がここまで頭が回るとは驚きです」
「そうか?」
「本音を言いますと…馬鹿だと思っていました……」
「あはは…アンナ酷いじゃないか」
「すみません」
「今度旅行に行こう」
「楽しみです」
二人は価値観や趣味など相性が非常に良かった。お互いに運命の相手だと思いマリア令嬢のことを騙してあざ笑っていたのです。
だがまたたく間に絶望のどん底に落とされることになる。
マリア令嬢は浮気の証拠を揃え、ロベルト殿下の父親の陛下と母親の皇后に直訴したのだ。
その結果ロベルト殿下とアンナ令嬢は家族や親戚から絶縁された。
ロベルト殿下は王族の称号が剥奪され平民落ちになり、アンナ令嬢は身分を剥奪され同じく平民落ちになりました。
二人はこの世を去るまで日の出から日没まで身も心もすり減らして働き、マリア令嬢への慰謝料を支払い続ける地獄の生活に追われる。
何不自由なく贅沢な暮らしをしていたロベルトとアンナに、そんな悲惨な環境の日々に耐えられるわけもなかった。
わずかの間をおいて二人は自ら命を絶つ。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
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またどこかの物語でお会いできますように。
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