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第13話

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「でも身体が軽い気がする」
「私も急に重さを感じなくなったわ」
「でも詠唱えいしょうもなしにこんなにすぐ付与できるなんて……」

レベッカの付与の処理速度があまりにも高速すぎて、Sランクパーティーの彼らは新鮮な驚きとショックをおぼえる。誰もが目をパチクリさせて意外そうな表情だった。

「どうしたんだ?」
「リアム!お前はあっちで正座してろと言っただろう」
「だからそれは反省してるから許してくれよ。そんな事より突然力が沸いてくるような感覚を覚えたんだが?」

少し離れたところで正座をしていたリアムが駆け寄ってきた。レオンが反省の途中であることを指摘すると、後悔し深く反省していると頭を下げる。

先ほどの事はレベッカも全然気にしてないので、特に何も思っていない顔をしていた。そしてリアムは信じられないことを口にしたのです。なんといきなりパワーがみなぎってきたそうだ。

「ま、まさかレベッカ……あ、あんなに離れていたリアムにも付与したの?」
「はい全員に身体能力の強化の付与しました」

マリンが恐る恐るという感じで尋ねてきた。彼女はあんなに離れてと言いましたが、たかだか数十メートルの距離です。レベッカにしたら問題はなかった。それに幼馴染の勇者パーティーにいた時は、もっと離れていても付与をかけろと指示されていた。

(本当に好き勝手にこき使われてたな……)

人使いが荒い幼馴染のメンバーたちが頭に浮かんできて、レベッカは眉間にしわを寄せて歯をくいしばって胸の中で悔し涙をこぼす。

「それも全員に同時でしょ?ジョージでもできないのに……」
「全員同時って嘘だろ?俺は言ったのに……それにジョージは付与術師の世界大会で何度も優勝してる世間に認められた『世界一の付与術師』だぞ?」
「信じられない……これほど凄い女性の付与術師がいるとは……!?」
「ジョージでも一人に付与するのに、どんなに早くても30秒はかかるのに……」

彼らの驚きはとどまることなく続く。アメリアが全員同時と口を開くと、リアムが被せるようにして声を響かせる。その声には明らかに衝撃が走り愕然あぜんとして顔色を変えた。レオンも驚きを隠せなくて、吸いついてみたいほどの彫刻のような美貌びぼうが引きつる。

というのも今は休んでいる彼らの仲間の付与術師のジョージは、これまで幾度となく付与術師の世界大会で、頂点に立って勝利の栄光に輝いていました。

「え……?30秒って遅すぎ……!じゃないですか?」

その時マリンの30秒という発言が気になった。レベッカは、あまりの遅さに自分はをしたのかな?とうっかり口を滑らせるように尋ねたのだった。
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