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第24話
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「うわあああああああああああああああああああぁぁ!」
「ひいいいいいいいいいいいぃぃ!!!」
「助けてくれえええええええええええええええええええええぇぇぇー!」
「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁーー!!!!」
「殺されるううううううううううううううぅぅーーーっ!!」
「うわあああぁああぁあああぁああぁあああぁああぁああっ!!!」
カトリーヌの攻撃魔法が直撃した盗賊たちの断末魔の悲鳴が、爆風と混ざり合って聞こえてくる。周辺一帯の森林が跡形もなく消えるほどの威力を発揮した。
相手が悪すぎた……。自分たちは、この場から無事に逃げられるのだろうか?その攻撃をかわそうとして、必死に逃げまわる盗賊たちの思いだった。とんでもない化け物に出会ったみたいに、驚くべき速さで逃走する。だが誰一人として助かりそうにない。
盗賊を囲む火炎が龍のように見えて、次々に容赦なく燃やし尽くしていく。現実離れした恐ろしい光景を目撃したレオナルドは、言葉を失くして石のように固まって身動きできなくなっていた。
「――カトリーヌ!君はこんなに凄い女性だったんだね!!!」
「だから大丈夫って言ったでしょ?……私自然好きなのにな……」
この時のレオナルドは英雄に憧れる少年の目をしていた。全てが終わった時には、自然が消滅して更地化されて、もうすっかり見通しが良くなって遠くまで見渡せた。実は、緑の森を見つめるのが大好きなカトリーヌは、豊かな自然を燃やし尽くしてしまって悲しそうにつぶやくのでした。
カトリーヌの燃えるような赤い髪と火魔法が得意なことから《烈火の炎髪》と異名を持つ。その手のエピソードが多数あり、非常に優れた魔法師として彼女は名声を得ることとなった。
「――カトリーヌ令嬢がいくら強くても勝負にならん……アリーナ令嬢は強さの桁が違うのだ」
「お父様、失礼ながら申し上げますがアリーナがカトリーヌのように、攻撃魔法が得意とか上位精霊と契約しているとか聞いたことはありませんが……」
国王は、今までとは違う妙に真剣な顔をして語る。第一級の魔法師として数々の栄誉を受けたカトリーヌでも勝てないだろうと……。
次の瞬間、ガブリエルが急に思い出したように口を開いた。アリーナは魔法に長けていたり、精霊とも契約していないと僅かに抗議の声をもらす。一般的な価値観から魔法の効果は、精霊の強さによって決まるのです。
「……アリーナ令嬢の強さはそのような事ではないのだ。まるで別次元の能力で比較にならん。完全に人の理解を超えておるのだっ!!!!」
「負けると思っていたら最初から勝てません。それに私が諦めたらレオナルドの人生は終了ですよ?」
実際に、アリーナの能力は魔法とか精霊という類のものではない。彼女が生まれながらに持っている特別な能力と言える。
国王の雷鳴のような怒鳴り声にもカトリーヌの決意は少しも揺るぎなかった。何と言われようとアリーナに挑むと答える。カトリーヌの心の中は、勝てないかもしれないけど立ち向かわなければいけないと思っていた。
「待つのだ!カトリーヌよ、息子の命はどうでもよい!!!だが、お腹には息子の忘れ形見がおるだろう。みすみす死なせるわけにはいかぬ」
両親は息子の命はずっと前に諦めているが、カトリーヌのお腹には可愛い孫がいるのです。国王は前に立ち塞がって捨て身の覚悟で止めた。異様に鋭い目でカトリーヌを見つめていた。
「……通してくださいませ。女にはどうしても戦いを避けられない時があるのです。彼のことを死ぬほど愛していますから……彼女がどんなに強くても私は絶対に諦めないっっ!!!!!!!」
「ちょ待てよ!お父様の言うように、アリーナと戦えば君が非常に危険な事態になりそうな気がする」
「ひいいいいいいいいいいいぃぃ!!!」
「助けてくれえええええええええええええええええええええぇぇぇー!」
「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁーー!!!!」
「殺されるううううううううううううううぅぅーーーっ!!」
「うわあああぁああぁあああぁああぁあああぁああぁああっ!!!」
カトリーヌの攻撃魔法が直撃した盗賊たちの断末魔の悲鳴が、爆風と混ざり合って聞こえてくる。周辺一帯の森林が跡形もなく消えるほどの威力を発揮した。
相手が悪すぎた……。自分たちは、この場から無事に逃げられるのだろうか?その攻撃をかわそうとして、必死に逃げまわる盗賊たちの思いだった。とんでもない化け物に出会ったみたいに、驚くべき速さで逃走する。だが誰一人として助かりそうにない。
盗賊を囲む火炎が龍のように見えて、次々に容赦なく燃やし尽くしていく。現実離れした恐ろしい光景を目撃したレオナルドは、言葉を失くして石のように固まって身動きできなくなっていた。
「――カトリーヌ!君はこんなに凄い女性だったんだね!!!」
「だから大丈夫って言ったでしょ?……私自然好きなのにな……」
この時のレオナルドは英雄に憧れる少年の目をしていた。全てが終わった時には、自然が消滅して更地化されて、もうすっかり見通しが良くなって遠くまで見渡せた。実は、緑の森を見つめるのが大好きなカトリーヌは、豊かな自然を燃やし尽くしてしまって悲しそうにつぶやくのでした。
カトリーヌの燃えるような赤い髪と火魔法が得意なことから《烈火の炎髪》と異名を持つ。その手のエピソードが多数あり、非常に優れた魔法師として彼女は名声を得ることとなった。
「――カトリーヌ令嬢がいくら強くても勝負にならん……アリーナ令嬢は強さの桁が違うのだ」
「お父様、失礼ながら申し上げますがアリーナがカトリーヌのように、攻撃魔法が得意とか上位精霊と契約しているとか聞いたことはありませんが……」
国王は、今までとは違う妙に真剣な顔をして語る。第一級の魔法師として数々の栄誉を受けたカトリーヌでも勝てないだろうと……。
次の瞬間、ガブリエルが急に思い出したように口を開いた。アリーナは魔法に長けていたり、精霊とも契約していないと僅かに抗議の声をもらす。一般的な価値観から魔法の効果は、精霊の強さによって決まるのです。
「……アリーナ令嬢の強さはそのような事ではないのだ。まるで別次元の能力で比較にならん。完全に人の理解を超えておるのだっ!!!!」
「負けると思っていたら最初から勝てません。それに私が諦めたらレオナルドの人生は終了ですよ?」
実際に、アリーナの能力は魔法とか精霊という類のものではない。彼女が生まれながらに持っている特別な能力と言える。
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「待つのだ!カトリーヌよ、息子の命はどうでもよい!!!だが、お腹には息子の忘れ形見がおるだろう。みすみす死なせるわけにはいかぬ」
両親は息子の命はずっと前に諦めているが、カトリーヌのお腹には可愛い孫がいるのです。国王は前に立ち塞がって捨て身の覚悟で止めた。異様に鋭い目でカトリーヌを見つめていた。
「……通してくださいませ。女にはどうしても戦いを避けられない時があるのです。彼のことを死ぬほど愛していますから……彼女がどんなに強くても私は絶対に諦めないっっ!!!!!!!」
「ちょ待てよ!お父様の言うように、アリーナと戦えば君が非常に危険な事態になりそうな気がする」
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