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第33話
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「そ、そんな……じゃあレオナルドは……」
「残念ですけど諦めてください」
アリーナの能力による制約で、彼女を一度でも裏切ったら病気は回復できない。そう聞かされたカトリーヌは、花畑に囲まれて横になりながらレオナルドを助ける唯一の希望を失って焦って狼狽えはじめる。
「いやあああああああああああああああああああああああぁぁぁーっ!レオナルドーーーーー!!うわああああああああああああああああああああああああああんっ!!!」
意外なほど冷静な声でアリーナに言われると、カトリーヌは声を限りに叫んだが勿論のこと演技である。ずっと前にアリーナの能力に恐怖し諦めの感情を抱いているのだ。もうレオナルドなんて知ったことではない。この場をやり過ごして、とにかく自分は助かりたいという保身しか考えていなかった。
「カトリーヌさん黙ってください」
「……!?」
手をわなわなと震わせながら、号泣気味に絶叫するカトリーヌに静かにしなさいとアリーナは注意した。カトリーヌは、ほとんど反射的に口を閉じる。今ならアリーナに対して何でもするような気持ちであった。
「レオナルドの病気の回復は無理ですけど、カトリーヌさんも助かりませんよ?」
アリーナは現在の状況を改めて確認するように言った。レオナルドの体を治すことはもう不可能であること、それにあなたを絶対に逃がさないからね!アリーナの鋭い視線と無慈悲な声でカトリーヌは異常な混乱ぶりを見せる。
「……わ、私を殺すつもりなのですか……?」
「最初からそう言ってますけど?」
自分の命を奪うのか?かすかに震えた声でカトリーヌは聞いた。アリーナは驚いたことに、いともあっさり答える。そのつもりですと顔色ひとつ変えずに伝えた。
「……私には……彼との子供がいるんです……」
最高速度で頭を回転させて考えた結果カトリーヌには、やはりアリーナの同情心に期待せざるを得なかった。まだお腹の膨らみは目立っていないが、カトリーヌはすでに妊娠している。目は赤くなり、自然と涙が出てきた。どうか子供だけはお助けくださいと願いました。
「そうでしたね。彼の誕生日パーティーで妊娠も発表していましたね……」
アリーナは大きな心の傷を受けたレオナルドの誕生日パーティーを思い出したらしく、非常に悲しそうな顔になる。そんなことも言ってましたねと暗く重い声で返答した。
*****
新作「聖女に王子と幼馴染をとられて婚約破棄「犯人は追放!」無実の彼女は国に絶対に必要な能力者で価値の高い女性だった。」を投稿しました。よろしくお願いします。
「残念ですけど諦めてください」
アリーナの能力による制約で、彼女を一度でも裏切ったら病気は回復できない。そう聞かされたカトリーヌは、花畑に囲まれて横になりながらレオナルドを助ける唯一の希望を失って焦って狼狽えはじめる。
「いやあああああああああああああああああああああああぁぁぁーっ!レオナルドーーーーー!!うわああああああああああああああああああああああああああんっ!!!」
意外なほど冷静な声でアリーナに言われると、カトリーヌは声を限りに叫んだが勿論のこと演技である。ずっと前にアリーナの能力に恐怖し諦めの感情を抱いているのだ。もうレオナルドなんて知ったことではない。この場をやり過ごして、とにかく自分は助かりたいという保身しか考えていなかった。
「カトリーヌさん黙ってください」
「……!?」
手をわなわなと震わせながら、号泣気味に絶叫するカトリーヌに静かにしなさいとアリーナは注意した。カトリーヌは、ほとんど反射的に口を閉じる。今ならアリーナに対して何でもするような気持ちであった。
「レオナルドの病気の回復は無理ですけど、カトリーヌさんも助かりませんよ?」
アリーナは現在の状況を改めて確認するように言った。レオナルドの体を治すことはもう不可能であること、それにあなたを絶対に逃がさないからね!アリーナの鋭い視線と無慈悲な声でカトリーヌは異常な混乱ぶりを見せる。
「……わ、私を殺すつもりなのですか……?」
「最初からそう言ってますけど?」
自分の命を奪うのか?かすかに震えた声でカトリーヌは聞いた。アリーナは驚いたことに、いともあっさり答える。そのつもりですと顔色ひとつ変えずに伝えた。
「……私には……彼との子供がいるんです……」
最高速度で頭を回転させて考えた結果カトリーヌには、やはりアリーナの同情心に期待せざるを得なかった。まだお腹の膨らみは目立っていないが、カトリーヌはすでに妊娠している。目は赤くなり、自然と涙が出てきた。どうか子供だけはお助けくださいと願いました。
「そうでしたね。彼の誕生日パーティーで妊娠も発表していましたね……」
アリーナは大きな心の傷を受けたレオナルドの誕生日パーティーを思い出したらしく、非常に悲しそうな顔になる。そんなことも言ってましたねと暗く重い声で返答した。
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