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第40話
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「レオナルド……!?」
「え……?あれがレオナルド殿下ですか?全く別人ですね……」
アリーナとミレーユは、目に飛び込んできた異様な光景に絶句した。彼はまだ生きてるの?そんな気持ちで、自分たちの目にしているものが信じられなかった。
レオナルド殿下の姿は、昔に戻っていた。最初に出会った頃の肉付きの薄い骨ばった身体つきで、頬がこけて目も落ちくぼんで青白い顔をした背のひょろ高い男である。ぐったりと半病人の状態になってとても苦しそうだ。
「……アリーナ……悪かった……許してくれ……げほっ、ごほっ」
担架に乗せられて運ばれてきた。仰向けになりながらアリーナの顔を見て苦しげな口調で話し始めた。レオナルドはとても辛そうにしゃべっている
何だか痛々しい感じがして、アリーナは返す言葉が見つからなかった。ただ黙って彼の言葉を聞いていた。
「私は……やはり、助からないのか……?」
「はい」
レオナルドが聞いてみると、アリーナは静かに口をひらいた。彼からの問いに対して彼女は申し訳なさそうに首を横に振った。
「そうか……」
「助けられなくてごめんなさい」
レオナルドは自分自身で納得しておきたかった。返ってきた言葉に穏やかな笑顔を浮かべて言う。アリーナは優しい心をもった女性なので、こんな危険な状態になっている彼を一刻も早く治してあげたい気持ちでした。
ですが《制約》で不可能なのです。彼女を裏切った罰で病気は二度と治せない。アリーナは謝ることしかできなかった。
「君が謝る必要はないよ……ごほっ、ごほっ……私が全て悪い」
「もう許します」
レオナルドは自分が悪い事は痛いほどよくわかっている。この世で一番大切な女性をいい加減な態度で接して、さらに幼馴染のカトリーヌと結婚したいからと婚約破棄を宣言した。
彼は後悔し深く深く反省しております。それが彼女にも十分に伝わっている。だから許すことにしようと思う。
「私のような恥知らずで情けない男を許してくれて……ありがとう……はぁはぁ……アリーナ……」
はぁはぁと、今にも死んでしまいそうなほど弱っている。レオナルドは許してもらえて、ただその結果を尊び感謝した。思わずアリーナも微笑み返して手を握ったまま涙を流した。
柔らかく温かい感触が伝わって心地のいい気分で、彼はいかにも幸福そうな顔に変わっていた。
「え……?あれがレオナルド殿下ですか?全く別人ですね……」
アリーナとミレーユは、目に飛び込んできた異様な光景に絶句した。彼はまだ生きてるの?そんな気持ちで、自分たちの目にしているものが信じられなかった。
レオナルド殿下の姿は、昔に戻っていた。最初に出会った頃の肉付きの薄い骨ばった身体つきで、頬がこけて目も落ちくぼんで青白い顔をした背のひょろ高い男である。ぐったりと半病人の状態になってとても苦しそうだ。
「……アリーナ……悪かった……許してくれ……げほっ、ごほっ」
担架に乗せられて運ばれてきた。仰向けになりながらアリーナの顔を見て苦しげな口調で話し始めた。レオナルドはとても辛そうにしゃべっている
何だか痛々しい感じがして、アリーナは返す言葉が見つからなかった。ただ黙って彼の言葉を聞いていた。
「私は……やはり、助からないのか……?」
「はい」
レオナルドが聞いてみると、アリーナは静かに口をひらいた。彼からの問いに対して彼女は申し訳なさそうに首を横に振った。
「そうか……」
「助けられなくてごめんなさい」
レオナルドは自分自身で納得しておきたかった。返ってきた言葉に穏やかな笑顔を浮かべて言う。アリーナは優しい心をもった女性なので、こんな危険な状態になっている彼を一刻も早く治してあげたい気持ちでした。
ですが《制約》で不可能なのです。彼女を裏切った罰で病気は二度と治せない。アリーナは謝ることしかできなかった。
「君が謝る必要はないよ……ごほっ、ごほっ……私が全て悪い」
「もう許します」
レオナルドは自分が悪い事は痛いほどよくわかっている。この世で一番大切な女性をいい加減な態度で接して、さらに幼馴染のカトリーヌと結婚したいからと婚約破棄を宣言した。
彼は後悔し深く深く反省しております。それが彼女にも十分に伝わっている。だから許すことにしようと思う。
「私のような恥知らずで情けない男を許してくれて……ありがとう……はぁはぁ……アリーナ……」
はぁはぁと、今にも死んでしまいそうなほど弱っている。レオナルドは許してもらえて、ただその結果を尊び感謝した。思わずアリーナも微笑み返して手を握ったまま涙を流した。
柔らかく温かい感触が伝わって心地のいい気分で、彼はいかにも幸福そうな顔に変わっていた。
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