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第43話
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「……私が息子を可愛がっていたのは昔の事です」
どうやら王妃はレオナルドにキスがしたくないらしい。心配になるくらい激しく首を横に振って強く拒否していた。息子を溺愛していたのは遠い過去の話だというのです。
「それでは今は?」
「何とも思ってないわ!」
アリーナが重ねて問いかけた。王妃は息子を冷たい目で見下ろして、とても無理な注文だと抗議の声をあげた。
「いや、でも自分の子供ですよ?キスくらい最後にしてあげたら……」
「絶対嫌よ!」
ミレーユが親友を支援するように口を開きました。あなたの子供じゃないですか?今は大切にしていなくても死ぬ直前くらいキスしてあげたらいかがですか?そう言うのですが王妃は聞き入れない。
「もう我慢の限界だ!早くレオナルドに熱いキスをしてやってくれ!!お前は母親だろう?昔は喜んで何度もキスしてたじゃないか?」
黙っているのが耐えられなくなった陛下が、突然大声を放ってその場にいる全員を驚かせた。母親なら息子に熱烈なキスを交わしてあげろと言うのです。
「そんなに言うのなら父親のあなたがレオナルドとキスすればいいじゃないですか!」
「……ふ、ふざけたことを言うな!男同士で……な、なんで私が息子にキスしなくてはいけないのだっ!!」
あなたもレオナルドの親ですから、あなたがキスしなさいと陛下の批判に堂々と反論した。王妃の言葉に陛下は内心かなり動揺していたのである。レオナルドに口づけするなんて、他人事のように思っていたのです。この状況に狼狽えて自分が息子にキスしているのを想像してみた。
すると、陛下はむきになって烈火のごとく怒り出した。ふざけるなとしか言いようがない。どうして自分が息子とキスする羽目になるのか?夢にも思わなかったのだから、とにかく威嚇するような態度で怒号を発していた。
「私にはキスしろと言うくせに、ご自分では息子と出来ないのですね?本当にあなたは昔から、いつも口さきばかりで情けない男ですね……」
呆れちゃった、という顔で王妃は言った。私には、あれほど熱心にレオナルドとキスしろと言っておきながら、自分は実行不可能だったのね……目の前にいる哀れな男を軽蔑した視線で見ていた。
「……早く、キスをしてくれ……もう死んじゃいそう……」
「私がします……私が、彼とキスします!」
虫の息ながら驚異的な生命力で本当によく生きているレオナルドが、キスをしてくれとか細い声でおっしゃる。彼はどれだけキスしてほしいのか?次の瞬間、覚悟を決めた勇気ある女性が声を発した。
どうやら王妃はレオナルドにキスがしたくないらしい。心配になるくらい激しく首を横に振って強く拒否していた。息子を溺愛していたのは遠い過去の話だというのです。
「それでは今は?」
「何とも思ってないわ!」
アリーナが重ねて問いかけた。王妃は息子を冷たい目で見下ろして、とても無理な注文だと抗議の声をあげた。
「いや、でも自分の子供ですよ?キスくらい最後にしてあげたら……」
「絶対嫌よ!」
ミレーユが親友を支援するように口を開きました。あなたの子供じゃないですか?今は大切にしていなくても死ぬ直前くらいキスしてあげたらいかがですか?そう言うのですが王妃は聞き入れない。
「もう我慢の限界だ!早くレオナルドに熱いキスをしてやってくれ!!お前は母親だろう?昔は喜んで何度もキスしてたじゃないか?」
黙っているのが耐えられなくなった陛下が、突然大声を放ってその場にいる全員を驚かせた。母親なら息子に熱烈なキスを交わしてあげろと言うのです。
「そんなに言うのなら父親のあなたがレオナルドとキスすればいいじゃないですか!」
「……ふ、ふざけたことを言うな!男同士で……な、なんで私が息子にキスしなくてはいけないのだっ!!」
あなたもレオナルドの親ですから、あなたがキスしなさいと陛下の批判に堂々と反論した。王妃の言葉に陛下は内心かなり動揺していたのである。レオナルドに口づけするなんて、他人事のように思っていたのです。この状況に狼狽えて自分が息子にキスしているのを想像してみた。
すると、陛下はむきになって烈火のごとく怒り出した。ふざけるなとしか言いようがない。どうして自分が息子とキスする羽目になるのか?夢にも思わなかったのだから、とにかく威嚇するような態度で怒号を発していた。
「私にはキスしろと言うくせに、ご自分では息子と出来ないのですね?本当にあなたは昔から、いつも口さきばかりで情けない男ですね……」
呆れちゃった、という顔で王妃は言った。私には、あれほど熱心にレオナルドとキスしろと言っておきながら、自分は実行不可能だったのね……目の前にいる哀れな男を軽蔑した視線で見ていた。
「……早く、キスをしてくれ……もう死んじゃいそう……」
「私がします……私が、彼とキスします!」
虫の息ながら驚異的な生命力で本当によく生きているレオナルドが、キスをしてくれとか細い声でおっしゃる。彼はどれだけキスしてほしいのか?次の瞬間、覚悟を決めた勇気ある女性が声を発した。
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